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3.プロローグ3

これでプロローグ終了でっす。



「さっきのもう1つの話をしますね。」


何度か口を開き口を噤むを繰り返した後

決心したように話し始めた。


「これから話すことは信じられないかもしれません。だけど聞いてください。」


真剣な顔でまさにキリッっとしていたのでお話を続けて貰う事にした。


「聞かないことには判断が出来ないので話してください。」


「・・・はい。私の苗字の出雲って聞いてどう思いますか?」


「(。-´ェ`-)んー出雲と聞いて思い浮かべることは奈良県の出雲市。あとは出雲阿国かな?」


「出雲阿国は今回は関係ないです。でも出雲市は関係します。

母方の実家は神主をしています。遡れば出雲大社の分家らしいです。」


そこまで言ってあやせたんは残ったお茶で喉を濡らす。


「それでですね。代々、家の女性はその・・・不思議な力があるんです。

簡単に言うと霊能力とか超能力とかそう言った力です。」


そこまで言って少し俯く。言葉を選んで喋ってるようだった。

なんとおいらのラブリーマイエンジェルあやせたんは

ちょっと電波な女の子だったのかなと思ったけど


あの笑顔なら電波な子でも十分お釣りがくるぜ!って失礼なことを考えていた。

そしておいらはお茶で啜りながら次の言葉を黙って待つことにした。


「その力で少しずれた透けてる体のようなのが見えたんです。

うまく表現できないけど・・・すいません。」


突然謝られて少し慌ててしまう。


「いえいえ、謝ることではないですよね?表現が難しいならしょうがないですよ。

それはつまり残像みたいなのが見えてるってことでいいのかな?」


「ああ、そうです。そうです。その表現が近いと思います。」


「ふむ。ではその残像があるとなんかなるの?」


「実は以前、見たことがあるんです。珍しいので顔を覚えていたんですが

そんなにしない内にその人はニュースに出ていました。」


「事件に巻き込まれたりしたのかな?」


おいらは当然の疑問を口にした。どうやらあやせたんは事件の結末で言い辛いらしかった。


「その事件はニュースと新聞で扱ってました。見たのは2人で1人は亡くなってます。

そしてもう1人は未だに行方不明だそうです。で少しおかしな点があったんです。」


「おかしな点?」


「はい。亡くなった人は見つかる数日前に会社のトイレ前で同僚を待たせたまま行方不明に。

そして数日後に遠く離れた場所で見つかりました。」


それを聞いたおいらはゴクリと生唾を飲み込む。お茶もすでに空でお水もないためだ。


とりあえず新しく飲み物を注文することにした。


『つまりはおいらと同じく残像のようなものが出てると近いうちに死ぬってことか。。。』


と考えながらもう1人の事を聞いてみようとした時にちょうど注文したのが運ばれてきた。


おいらはアイスコーヒーをあやせたんは苺パフェを注文していた。

あやせたんは眼を輝かせ「頂きます。」と手を合わせ幸せそうな笑顔で食べ始めた。

その笑顔はやっぱりめっちゃ輝いていて見惚れて頬が緩んでしまうw


少し食べるのが落ち着くのを待ってからもう1人について続きをお願いした。


「すいません。食べるのに夢中になってしまいました」


そういってまたもや輝く笑顔を見せてくれた。癒されるわー。


「もう1人も見かけてから数日後に行方不明になってました。

警察の行方不明者名簿で確認したのでたしかです。

この人はまだ見つかってないです。この人は会社のエレベータ内で消えたみたいです。」


「Σ(゜∀゜;)エッ、エレベータで?」


「はい。会社のエレベータです。エレベータにカメラがあって映像が残ってました。

1階で乗って13階で止まり、目的地の15階まで上がりました。

映像では13階直前に映像が乱れまた動き出したら映像が戻ったみたいです。


戻った時には誰も乗ってなかった。

13階で降りたと思われたけど13階は人が沢山いて止まった時は

誰も乗ってなかったと証言してます。」


少しの沈黙があったのでおいらはアイスコーヒを飲んだ。あやせたんはパフェを口に運ぶ。

スプーンに残った生クリームを舐め取る舌が艶っぽくてエロかった。


「つまりですね、共通点は忽然と消えるです。

残像が出てる人は忽然と消えてどこか分からないけど違う場所で発見される。

おそらく行方不明の人も見つかってないだけで死んでるかもしれません。

あなたは昼間に残像は見えないんですが日が落ち始めると残像が見えます。」


「ん?おいらは日が落ち始めると見えるようになるの?」


「暗くなるとですね。2人はまだ学生だった頃見たので朝ですね。」


「おいらはどうしたらいいと思う?」


「それは・・・わかりません。ごめんなさい。担当になったのも何かの縁だと思ってお話しました。

何とかできたらいいんですが今は気をつけてとしか・・・

ほんとにごめんなさい。不安を煽っただけですね。ただ本当に何とかしたくて」


「ふむー。たしかに怖いが聞かないで何も出来ないよりかはいいよ。

おいらの場合は夜だけ気をつければいいわけだからほかより楽だよ。」


「ほんとうにごめんなさい。」


そういってあやせたんはテーブルに頭を付けるように謝ってくれた。

しかしその光景がほかのお客さんから非難の視線となっておいらに突き刺さる。


「おい、あいつあんな美人に人前で謝らせているぞ。ひとでなしだ。」


「あいつブサイクのくせに美人を侍らせるだけじゃなくて羞恥プレイとか生意気だな。

絞めるか?ちょっと裏に連れて行って絞めちゃうか?」


おいいいい。なんか物騒な事言ってるやつらがおるぞおおお。


「あ、あやせたん、頭を上げてください。あやせたんは悪くない。

悪いのはこんなことになったおいらのせいだから、ねっ頭上げて。」


そういうとあやせたんは頭を上げてくれた。その眼は潤んでいたが

「ありがとう」と言って笑顔を見せてくれた。


ごめんなさい。こんな美人を泣かせそうになった上に潤んだ瞳の上目遣いの笑顔が

誘うように見えて、ある一部が滾ってしまう。このダメなおいらでごめんなさい。


・・・こほん・・・


そしてこのことに関しては暗くなったら気をつける。

あと何か分かれば教えてもらう事にした。


その後残ったコーヒーと苺パフェを雑談しながら食べ終え帰路についた。

お会計はもちろんおいらが格好つけて持ちました。そしたらいつも以上の輝く笑顔で

「ご馳走様」と言ってくれた。マジで萌死ぬかもしれんw



店を出て自宅方面に歩き出す。そしたらまたあやせたんは腕を組んでくれた。

やっぱり慎ましい柔らかなものが当たっている。当ててるのか?

辛抱たまらんwまた滾ってきちゃったよ?


気を紛らわすために「残像が見えた人は突然居なくなるから腕組んでくれてるんだよね?

ブサイクなおいらのために腕組ませてしまってごめんね。」と言うとあやせたんは


「それもあるけど男性とお付き合いした事なかったから恋人ってどんな気分かを体験したかったの。

それに腕を組むのは嫌じゃないですよ?」と華咲く大輪。


もうね、『かわええええええええ。しかも男性とのお付き合いもした事もないってことはああああ

ふぉおおおおおおおもうだめだああああああああああああこれ以上は危険だあああああああああ』


と暴走しそうになりました。


理性で感情を抑えてなんとか家ついた。家に着くと暴走はなりを潜め懐かしさが込みあがってきた。

1週間だけとは言え離れているとこういう感じになるんだなと改めて思った。そのおかげで


『ふぅいーあぶないあぶない。30歳の魔法使いでわらべのみかどなおいらには

あやせたんは危険すぎるぜぇーー。』


と思いながら玄関を開け「どうぞ」と家に招き入れる。

「お邪魔します」とサンダルを脱いで入ってすぐのダイニングに上がっていただいた。

あやせたんの素足は綺麗だ。ペロペロしたい。と思った。


家には誰も居なかったので2人っきりだ。そう思うと滾りそうなので

早々にパソコンレンジでドロバナを作ることにした。


バナナを持って2階の部屋にあやせたんを伴い向かう。

そこには1週間前と同じくパソコンレンジが置かれていた。

さっそくあやせたんにドロバナを作る事をお話した。


そしたらバックからビデオを取り出して撮影を始めた。


「記録用に撮影を先生に頼まれたの。」


なるほど。あの美丈夫はそこまで配慮していたのかと、手際のよさにリア充爆ぜろと本気で思った。


「いいよー。はじめてー。」と言われたので「説明しながらの方がいい?」と聞いてみる。


「できたらお願い。」


お願いされて説明をしながらバナナをレンジに入れパソコンを操作し

動画と同じ時間を入力しスタートボタンを押す。パソコン横のレンジが逆回転を始め

バナナが温めていく。そしてチーンと温め終わったのでバナナを取り出す為に蓋に手を伸ばすと

あやせたんに止められた。なんでも漏電の可能性もあるかもしれないからとゴム手袋を渡された。



ゴム手袋を装着しあやせたんが持ってきていた専用の袋に

あやせたんが日にちと時間を書き込んで

そこにドロバナwwwを入れて袋を閉めた。

これでこのミッションはコンプリートだ!


任務を終えたのでこの後、あやせたんはどうするか

聞いたらドロバナwwwを検査機関に専用便で送る手続きすると電話を掛け始めた。

5分ほど話して「お願いします」と言って通話を終える。


「このあとスタッフが取りに来るまで待機です。」と言っておいらに笑顔を向けてきた。


「そっか。じゃあ、何かして時間でも潰そうか。なにする?」


あやせたんは返事をしないで笑顔向けたまま見つめてくる。

『こ、これはどうしたらいいんだ?』と思っていたら

あやせたんが視線を外さず徐に近づいてきた。視線に耐えられなくなり


「お、お、お、お茶も、ださ、出さずに」


と言いながら勢い良く立ち上がったらテーブルについていた手を滑らせ「ゴンッ」

とこめかみをテーブルに強打してしまい意識を失ってしまった。

頭をぶつけた時あやせたんは驚きと痛そうという感情が混ざった複雑な表情をしていた。


おいらは『そんな表情も可愛い』という思いで頭がいっぱいになっていた。





何か暖かいモノがおでこに置かれじわじわと何かが伝わってくる感じがした。

うっすら眼を開けるとそこには見慣れた天井が見えた。

おでこの暖かなものに手を伸ばすとそれは人の手だということが分かった。

おいらの手に比べれば小さくすべすべでプニプニした綺麗な手だ。


「目が覚めましたか?おはようございます」


手を握ったまま視線だけを声の方に動かすとあやせたんが顔を少し赤らめて座っていた。


「おはようございます。」


と言いながらそちらに顔を向けたらあたせたんのお膝が見えた。

白くてすべすべしてそうな綺麗なお膝だった。その先にはあやせたんの太ももが見える。

こっちもほどよくお肉が付いていて触ったら気持ちよさそうだなと思って見つめていたら

なんと太ももより先もばっちりと見えていたよ。


ワンピとお揃いか。眼福眼福。しかもかなりきわどい角度で見えていた。

滾りそうになりながらも目線をそのままに脳内保存しつつ

どのぐらい気絶してたのかを、手を握ったまま聞くことにした。


「時間は4時間くらいです。すごい音がしたので、病院に運んだ方がいいか悩みましたが

呼吸が安定してたのでそのまま休んでもらいました。そのすぐ後にご両親が帰宅されて

一緒にお布団に運んで貰いました。あと気絶してる間にスタッフが来たので渡しました。」


『迷惑を掛けちゃったみたいし、とりあえずお礼を言おう。』


と心で思いながら視線を顔に上げ謝罪する。


「迷惑掛けてけてごめんね。それと運んでくれてありがとう。」


「いえ、気絶は予想外でしたが怪我が無くてよかったです。」


そんな会話をしておいらは目線を下に向けた。


「もう少しこのまま横になって休んでくださいね。」と言って握られてた手で


優しく頭を撫でてくれた。そのまま頭を撫でられているとあやせたんが


「滑って頭打って気絶する人初めて見ましたw」と


思い出して笑いを堪えてる顔は潤んでいて破壊力抜群だった。


その表情と恥ずかしさに精神力が削られ意識がまた途絶えたw


意識が覚醒するとまだあやせたんが頭を撫でていてくれた。

寝ぼけた頭のままで考えていると口から考えが駄々漏れてしまった。


「あぁー、あやせたんが可愛過ぎて生きてるのがつらい。」


『そういえば撫でてくれてるのは誰だったっけ?』と


横を向けばやはりそこには耳まで真っ赤にして俯いたあやせたんがいた。

そりゃそうだ。まだこうやって頭を撫でてくれてるのだから・・・


「あのあやせたん。もしかして今の考えてた事が口から漏れてたりしてたかな?」


そう聞くと俯いたままあやせたんは器用に頭を縦に動かしていた。

えらいこっちゃーと思いながらも病院から気絶する前の事を思い出すと

考えが口から漏れた事ぐらい大したこと無いか!と開き直れた。


そのあと夜も遅くなったのであやせたんは帰る事になった。

帰る前にあやせたんはバックから1つのペンダントを取り出し


「うちの神社のお守りです。私も素人ながら力を込めておいたから。

悪いものから守ってくれるかもしれないから持ってて。」


そう言ってペンダントを首に掛けてくれた。


「私も持ってるからお揃いだよ。」と眩しい輝く笑顔を見せてくれた。


そしてあやせたんは帰っていった。

おいらは脳内保存したあやせたんコレクションを思い出しながら眠りについた。


翌日、目が覚めるととてもスッキリしていた。

また今日は病院に行かなくちゃいけないので適当に着替えて2階から

ダイニングに降りると親と一緒になんとあやせたんが朝ご飯を食べていた。


「おはよー」といいながら洗面所に向かい顔を洗い口をすすぐ。

そして戻って改めてあやせたんに「おはよ-」と言うと


「おはようございます。」と返してくれた。


ご飯を一緒に食べて一緒に病院に向かうことになった。

出かける前にシャワーで汗を流した。

病院まで道のりもあやせたんは腕を組んでくれた。

そしてまたもや慎ましい柔らかなものが触れている。


今日のあやせたんは昨日の青いワンピとは色違いを着ていた。


『あやせたんはワンピが好きなのかな?』と


思いながらも「今日のワンピースも似合ってるね。あやせたんが着たらワンピも華やぐねw」


と普段は決して思っていても言わない恥ずかしいセリフを言ってしまった。

そんな事を言われたあやせたんはにこやかに笑みを浮かべて「ふふっ、ありがと」

って返してくれた。いつもの輝く笑顔もいいけどこうゆう微笑みも本当に可愛いなーと

ニヨ(・∀・)ニヨ気持ち悪い笑いをしてしまった。


そんな会話をしていたらすでに病院前だった。

あやせたんは「有給だけど担当の患者さんが病院に来たからお仕事するね。」と可愛く言って

職員通用口に入っていった。おいらは正面玄関から堂々と4階の13号室に向かっていく。


部屋についてベットで寛いでいるとラブリーマイエンジェル看護士たんが

「おまたせー♪」と部屋に入ってきた。そのまま看護士服を披露してから

先生のところに報告に行ってしまった。しばらくして看護士たんは

「追加の検査をすることになりました」と伝えに来た。


様子見期間の気絶なので追加になったそうだ。

看護士たんの笑顔に耐えれなくてとは口が裂けても言えないwww



追加の検査で一日が終わった。夕食は看護士たんがご一緒してくれた。

そして寝るまで頭を撫でてくれた。看護士たんマジ天使!!

頭を撫でてた手からはまた暖かな何かが伝わって来ていた。


寝てから2時間ぐらいで目が覚めた。トイレに行く為に部屋を出る。

帰りに看護士たんを探して時間を貰った。言っておかないといけない気がしたからだ。


「残像のことだけどもしおいらが行方不明になっても自分を責めたりしないでね。(キリッ」


なにか言いたげな表情をしていたけど頷いてくれた。


「部屋に戻るね。」と言って看護士たんをハグした。


ビクっとしてたけど受け入れてくれた。


部屋に戻ってベッドに入るとすぐに寝ることが出来た。

眠るといつもの夢を見た。いつもと変わらない飛んでる夢。

だけど今回は違って迫った何かに追いつかれてしまった。



何かはおいらの肩を掴み自分の方に引き寄せようした。

手だと思っていたそれは手の形をした違う何かだった。

その違う何かに心がざわつき恐怖で体が震えうまく呼吸できなく動けなかったが

なぜか首だけは意思と無関係にゆっくりと動いていく。


『見たくない。振り返りたくない。』


心で叫ぶ。叫びは虚しく首は振りかろうとしている。

そんな恐怖に負けそうだった時に眼が覚めた。

いつもみたいに見下ろされる感じがしなかったが目が覚めてよかったと安堵する。


今日の夢はいつも以上に堪えたらしく服が汗でぐっしょりだった。

起きれてよかったと呼吸を整えてふと天井のシミが気になり

いつも通りに天井を見るとそこには夢の中の何かが天井からこっちを見下ろしていた。


そして歪な口を動かし


「ツカマエタ」


と落ちてきた。何かは赤黒い眼をしていた。

恐怖で叫ぶこともできず何かに襲われて所で

意識を手放した。


意識が完全に途絶える前にあやせたんの

「死なないでね。」

と言う声が聞こえた気がした。




4階13号室から一人の患者が消えた。。。

そのことは公にはならずに失踪事件として扱われた。


そして4階の13号室は以前のように使われなくなり

その後使われることは二度と無かった。。。




誤字脱字あれば教えてください。出来る限り直します。

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