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16.一気に時間が飛ぶよ!

かなり空いてしまいました。




魔法の存在を思い出したあの日からすでに半年が過ぎていた。

あやせたんは今では『お宿砂漠の水池』の看板角うさぎさんになっている。



2本角は珍しいらしく触れれば幸運が舞い込むと噂が広がってお客さんが増えたと

女将さんは嬉しい悲鳴を上げていた。




さて、おいらと言えば半年で伐採は変わらずしながら土魔法の練習をしていた。

練習していたのは攻撃魔法でもなくただ土を掘りやすくしたり

土が崩れないように硬くしたりする事ができないかと言う事だ。


建築材を作る際に乾燥させる穴を掘るのが大変でゲームとかでよくある

呪文一発で穴を作ったりできないか試したのが始まりで結局は呪文唱えて

あら不思議はできなくて、ただ掘りやすくするのが精いっぱいでした。



練習中に柔らかくしたりする以外に硬くできるに気が付いて

これは謂わば土の性質を変えているのでは?と思いったってから

ある程度試したけどよく分かんなかったw



ただ硬くするのは単に土を集めて押し固めるようにしていたがその際に土に含まれる成分毎に固める事が出来たのである。集める成分によって金属も集められるのでこれを使えば金属補強も出来る!と頑張っている。



練習をしていくと形を形成出来るようになり

さらには一度固めた金属も、強度を保ったままで柔らかくすることが出来た。

柔らかくするとでろーんとなるが最初に決めた形をゴムみたいに

伸ばしたりはできない。ただし土魔法を使えば簡単に出来る。



これは色々使えると思った。例えば細く伸ばした金属を柔らかくすれば強度がある紐ができる。つまりは針金が作れるのである。建築物をさらに補強できるよ!やったねw




さて今は土魔法を使い地面を掘り進めている。土魔法のお陰で楽々掘ることが出来る。

なぜ地面を掘っているかと言えば土魔法の練習がてら土に含まれる成分を取り出すためと地下室を作ろうと思ったからだ。秘密基地っぽくていい!

掘った壁際を硬くすれば崩れる心配がないので安心して掘れる。




慣れてくると土の成分を取り出す時に金属じゃない宝石っぽい物も作れた。

抽出できる物を色と艶などで振り分けては1つに纏めていく。同じ成分のものなら苦労無く1つに纏める事もできたので、ある程度溜まったら纏めてインゴットにして収納袋に入れ、離れたとこに作った地下収納庫に保管している。



地下室の方は漢の浪漫だと思って欲しい。地下アジトは浪漫があるしシェルターとしても使えるし冷暗室にもなるので、すんばらしいのだ。



浪漫以外でも地質の調査もする事にした。空洞があって崩れたり、水が染み出してきたら悲惨な事になると思ったからだ。今のところ近くに小池があるから地下水脈があると思ったけど家の建設予定地には通っていなかったので水染みは回避できている。



そんな風に地下室兼シェルターや倉庫などを掘った後は、ゴミ捨て用や貯水用や露天風呂用と何かと理由をつけて穴を掘りまくっては土を固めて地下室に柱を立てて、天井を作っていっている。



さらに半年かけて地下室を完成させた頃には伐採した木もいい感じの材木になっていると思うし、地下室も天井を作ったし、お金もほとんど使わなかったのでかなり溜まった。



そろそろ自分一人では出来る事が無くなってきたから街で貯めた物を売り金額に応じて家を建てて貰う事にした。



土から抽出し纏めてインゴットにした金属を全種を

1つずつ持ち出しイネス鍛治屋に持ち込む。



「 |=゜ω゜)ノイヨウ!! イネスちゃーん。お兄ちゃんがいない間いい子にしてたかいー?」



「んあー?」



突然に声を掛けられ寝ていたカウンタから顔を上げたイネス様は、ぼけっとした視線でおいらの顔を見つめている。



「私にはー、兄はいないはずだぞー?」



「さぁ、さぁ、さぁ、起きるんだ。イネスちゃん!お仕事の時間だよ!」



「おしごとー?」



目を擦りぼけーとしているのでとりあえずカウンタにインゴットを全種置いていく。

イネスは置かれたインゴットを触りつつ「これはーどうー。」とか「これはーてつー。」とか置かれたインゴットの種類を言っているようだ。



そういえばとくぎポイントが余ってるから物の情報が見れるとくぎがあったら取っておくかとこのタイミングで思い立つ。それっぽいので鑑定と解析を見つけた。ほかにもあるかもしれないが今はいいだろう。



さてさて鑑定は名前の通りに手に取ったものを鑑定するとくぎ。

某ゲームの武器商人さんが使うあれっぽいものだ。


解析は視界にあるものならなんでも情報が得られるらしい。

解析は鑑定の上位っぽいです。どちらもLv1で名前が分かるだけだけど解析の方が取得ポイントが段違いです。



解析の方が優秀だし今のポイントでも取れるので解析を取った。




ポチっとな。


ちゃららちゃちゃちゃーん。




無事に解析を覚えることができましたー。







解析Lv1を覚えたらチュートリアルがまたもや始まった。

纏めますとポップした情報を表示しっぱなしにするか表示しないかを選べる。

表示する情報を種類で表示非表示を選べ色別に分ける事もできる。


または見たいものを見つめて解析と念じれば見れるようになるモードもある。



さてチュートリアルも終わり改めて置いたインゴットを見ると銅と鉄と錫にミスリルにエメラルドに翡翠にルビーやダイヤモンドとなっていた。


宝石があったけど色がどれも黒色に近く宝石だとは思わなかった。

固めて抽出した物には綺麗な色の宝石っぽい物があったからだ。


あとは始めてみる名前が2つあった。1つはシャンバリ鋼となっている。

もう1つはディボルニウムとなっている。聞いた事のないものなので

恐らくこの世界特有の物だろうと思われる。

まだ名前しか分からないのでその内に解析のLvを上げようと思った。



ちなみにインゴットの大きさは身分カードサイズにしてある。

厚さはカードよりも厚い2cmぐらいにしてみた。

因みに地球で言えば文庫本サイズである。



イネスはインゴットの名前を正確に当てているので鑑定か解析かそれに近い目利きが

できるほど優秀な鍛治だと言う事が今回の事で分かった。



「んあー。ねむいぞー。でもおしごとー。がんばるぞー。」



「うんうん。今日は買取してほしいんだ。」



寝ぼけまなこで買取計算を始めるがとってもゆっくりとした動きである。


「宝石はー、色がダメダメだからーやすいぞー。ほかのはうーんとー。全部でーきんかー12枚ときんばん4枚とーぎんかー7枚だなー。うちじゃーかいとれないぞー。むにゃむにゃ。」



そしてまたカウンタに伏せて寝始めてしまったイネス。

なにかが金貨12枚と言う大金になるっぽいがどれかわからん。



出したインゴットを回収してから寝てしまったイネスの頭を

撫でながら「またなー。」と店を出る。

ほかの店に売りに言ったら騒がれるかもと思ったので

売るのは諦めて次のパトリス商会(不動産)へ行く。


足りなかったら安い物を売ればいいか。



「こんにちわー。おじゃましまっすー。」



「いらっしゃいですわ。パトリス商会にようこそですわ。」



「レーニさんお久しぶりですー。パトリスさんいますー?」



「パトリスはもうすぐ戻りますわ。それより何処かでお会いになったかしら?」



「結構前に土地や建設関係について聞きに来た事が。その時にお会いしました。」



「どうぞ。あの時の殿方でしたの。思い出しましたわ。カシアに設計図を沢山書かせていましたわね。その時のカシアの興奮した様子と来たら・・・激しかったですわ。」



お茶をおいらの前に置きそんな事を言ってくる。カシアが激しかったとはなんでだろう?ただ設計図を清書してただけのはずだけど・・・まぁ、いいか。



「いただきます。」と出されたお茶を飲みながらレーニさんと世間話をしてパトリスが帰ってくるのを待つ。



半刻ほどしたらほくほくのえびす顔でパトリスが帰ってきた。



「やったよー。あの大型物件が売れたー!」



「それはよかったですわ。パトリス。こちらでもお客様がお待ちですわ。」



「ほ?おお、これはいつかの人じゃないですか。やっと物件購入の決心がつきましたか?」



「違いますよー。おいらは家を建てて貰おうと思ってるのです。」



「おおぉー。あの豪邸を我が商会でお建てするんですね。いやー、頬が緩みっぱなしです。」



「ただ手持ちがある訳では無いのですよ。おいらがコツコツと貯めた建築材を使用して建てて欲しいなと思いまして。多分足りると思うんですけど。それの確認しに足を運んで欲しくて、どうでしょうか?街から出て南東に行った池の辺りなんだけど。」



「いいですよー。見てみないと分からないですからね。行きましょう。今日はもう閉めますからちょっと待っててくださいね。」


奥で事務をしていたカシアさんにパトリスさんは店を閉めるからあとよろしくねと

言った後に書類やらをバックに詰めレーニさんと共に武器を持ってお待たせしましたと

店からでて声をかけてきた。


パトリスさんはショートソードでレーニさんはレイピアっぽい武器で

使い込まれていてかなり恰好よかった。


街をでて小池に向かう途中に建ててほしい家(仮)を説明しながら

和気あいあいと3人で向かうのはハイキングぽくってなかなか楽しかった。


小池に着くとそこから小池沿いに歩いて行くとおいらが建てた柵が見えてきたので


「あの柵をおいらが建てました。おいらの支配する我が領土ですw」


「これはすごいですねぇー。お一人であの範囲に柵を建てたんですか?」


「そうですよー。前回お邪魔した後から始めて最近完成したんですよ。

頑張って建てました。かなり広めに確保したんです。」


「あの豪邸を建てるには十分な広さですね。」


「まぁ、あの豪邸さんは資金不足で無理なんですけどね。」



とまぁこんな話をしながら例の秘密基地ならぬ地下道入り口に到着したので

このあたりで作ってってくださいとお願いする。



パトリスさんはさっそく案内された場所で測量っぽいことをしては手持ちの何かに

ペンを走らせて記録を取ってるようだった。


それから1時間ほどで測量らしき事を終えると商会に戻って図面を引くだけらしいので

また3人で和気あいあいと話しながら街に戻っていった。



商会に戻るとさっそくカシアさんに測量っぽい事をしてた時に書いた紙を渡し


「それに近い図面出して持ってきてね。」


とお願いしおいあの正面の椅子に腰を下ろした。



「建材は先ほど見ましたがあれだけあれば十分足りると思いますので

その他に掛かる経費をだしますとー・・・・・全部で銀貨4枚ほどなります。」



ぎ、銀貨4枚だってー!?


内心、びっくりしたけどそれをおくびに出さずに平常心を保ったつもりで喋りだす。


「銀貨4枚ですか。ふむ。て、手持ちが足りませんね。今回は見送る事にします。」


「分かりました。残念です。」



少し声がうわずっちゃったけどなんとか言いたい事を言い切りまた溜まったら来ますと

言い残してパトリス商会を出た。



『銀貨4枚とかもってねーよ。半年で銀貨1とちょっとで精いっぱいだよ!』



なんて思いながらとぼとぼと街をでて小池を目指す。

どうするか考えながら歩いているとあっと言う間に着いてしまう。



結局自分では木の家は建てられないのでもっと簡単な家を建てることにした。



それは土壁の家です!



「それでは超簡単!土壁の家の作り方です。まず壁部分となる場所に柵を建てます。

柵とは魔物除け用の柵です。たくさん建てたのでお手の物ですねー。


コの字に建てましたら次は地下室作りで削った土を使い柵を埋めるようにしていきますとあら不思議。とても頑丈な作りの壁が出来上がりました。そこに土魔法で硬くしていけばカッチカチの壁になります。」



そんなこんなで3日ほどで壁を作り中心に立てた柱と壁を網目状に編んだロープで覆い網の上に森から持ってきた大きな葉っぱの植物を並べて屋根にして家が完成した。



内装は土丸出しなので材木を加工しフローリングっぽく敷き詰めてみる。



そこからひと手間を加えるべく床の一部を剥がし地下室を作り入口の扉を床と連動して開けるようにし、

簡単に作ったテーブルを固定した。



このテーブルは一種のドアノブ代わりでテーブルを倒すことによって地下室入り口の扉が開く。

実のところこの地下室は倉庫に見せたダミーで倉庫の角に隠し扉を作って本命の地下道に続いている。



この地下道入り口もこの仕掛けのためにかなり作り変える。


まずは入り口の土を金属にして、地下道入り口の中からかんぬきを掛けれるようにした。

閂といっても潜水艦とかで使う密閉できる閂でハンドルを回すだけなので簡単に掛けれる。

小さい子供でも掛けれる優しい閂です。


さらに今までになんとなく便利だなって思ってた魔方陣を使い外からはおいらの魔力に反応して

閂が外れるように仕掛けを作ったのでセキュリティーは万全です!



それからおいらは街に戻り宿を引き払い角うさぎちゃんはお宿に預かってもらい

寝具などを新たな生活に必要なものを買い揃え新居にお引越しをした。




それからは色々なことをしました。

我が領土を囲う柵を土を被せ固める事で補強し高さも10メートルに届くぐらいに高くし

易々と侵入されないようにした。誰が侵入するかは分からないが・・・



そして我が領土内で畑を作りました。川から水を引き、かなり大規模な畑ができた。



そしてさらに住人も増えました。増えたというか街から浚ってきましたw

犯罪じゃないんですよ?浚ってきたけど犯罪にならない人間を浚ったんです。



それは・・・



スラムの子供です。スラムの子供たちは市民権と言うか身分証がないから

存在しないも同然なので浚っても見つからなければどうと言う事はない!



実際のところスラムでは人が消えても捜索もされないし訴え出たとしても握り潰されるだけ。

そんな感じなので浚い放題、入れ食い状態です。うまうまです。

まぁ、スラムにいるよりはまともな生活が出来てるとおいら思うのです。



増えた住人には開墾と畑の管理とおいらが狩ってきた獲物の解体と加工と料理と洗濯と掃除をやってもらってます。ぶっちゃけちゃうとおいらの身の回り事を全部お任せしてますw


子供以外にもスラムで子供達の面倒をみて、一緒に暮らしていたお姉さんもいます。


おいらが浚った子供にお姉さんの面倒を見ていた子供が居たらしく街でおいらの事を嗅ぎ付けて

我が領土まで取り返しに乗り込んできたのでお姉さんに説明して上げたらお姉さんグループと

同じ構成で別のお姉さんグループが住人になりました。




そんな訳で現在おいらは狩り以外は全部お任せなので時間に余裕があります。

余裕ができたのでぐだぐだ食っちゃ寝してます。さいこーです。

数年振りのニート生活です。あぁ、これでゲームや漫画あればなおさいこーなのに・・・



-この世界には娯楽がほんとないな。一部のやつらが富を独占し平民はその日食べるだけでせいいっぱい。

そりゃあ、生活に余裕がなけりゃ趣味とか時間に余裕も持てないし。

あーっ、なんか考えだしたらこの世界は理不尽だ。魔法があってもどうにもならないよっ!




そんな事を考えながら自分の部屋で悶えていたら人が近づいてくる気配がする・・・気がする。


「ねぇ、ちょっといいかしら?」


ほらっやっぱり人がきた。おいら、すごい。気配察知できた。ふふん。

足音してたし普通気が付くよな。あははは。



「ねぇ、ちょっといいかしら?」


「はーい。なんでごぜいましょう?」


「どうしたの?変なしゃべり方して・・・まあ、いいわ。聞きたいことがあるのよ。」


「こんな口調で喋りたい気分だったんですお。で聞きたいこととは何でしょ?」



このお姉さんはさっきお話しした乗り込んできた方のおねえさん。名をエリンという。

見た目は茶髪がチョイ長めで目も茶色不細工ではないが美人でもないいたって普通のおねえさんである。



「ここって街から結構離れてるでしょ?私たちはそんなに行く事なかったんだけど

またにはね、神殿にお祈りに行ってたの。それでまたちょっとお祈りしたいんだ。

それで聞きたいのはお祈り出来る場所作る予定ある?街は遠いからさ。」



「なるほど。やっぱりお祈りできる場所あった方がいいか。小さくてもいいなら作りましょう。」


「作ってくれるの?ありがとう。みんなにも言っておくね。じゃあ、畑に戻ります。」



おいらは手をぴらぴら振りながらお姉さんを見送った後お祈り場所を作るべく部屋を出た。

そして3日掛けてお祈り場所を作った。みんなの食堂に・・・


「こりゃ、意外といい出来だ。」


作ったのは高さ50cmほどのミニチュア神殿で台座に置いてそこでお祈りをする用にした。

簡単に言えば神棚の神殿バージョンでこれがなかなか評判が悪い!



頼んできたエリンお姉さんは街にある神殿を小さくした建物を建てると思っていたらしい。

期待外れで評判が悪かった。だけどおいらは言ってやったのさ。


「神様はどこにでもいるんですよ。道端の石にも森の木にも建物の壁にもいるんです。

心から神様に祈れば例えどんな場所で祈っても神様には届くんです。」


ってねっ!



そしたらお姉さん感動して涙を流しながらおいらの胸に飛び込んできて


「感動しました。ステキ!抱いてっ!」


って熱い視線を向けてくるどころか眉間にシワ寄せて思案顔。


たっぷり考えた後祈ってきますと行ってしまいましたとさ。



おいらはもちろん自分の部屋で袖を涙で濡らしながら寝ました。








日の光が顔に当たり眩しさに顔をしかめながら朝の陽気に目を瞑ったまままどろんでいると

周りが騒がしい事に気が付いた。いつもなら聞き取れないぐらいのおしゃべりが聞こえるぐらいなのに

その日はやけにはっきりと会話内容まで聞こえてくるほどだった。



目を開けると見えたのは白い天井と蛍光灯。

そしてベットの横で用箋ばさみに挟んだ何かに記入している看護士さん。


「あっ目が覚めましたー?もうすぐ朝ごはんが配膳されますからねー。」


そう言うと書き終わった用箋ばさみを持って看護士さんは部屋を出ていった。




なんだか長い夢を見ていた気がする。広い草原に家を建てて毎日掛けずり回って

食べれる山菜や獲物を仕留めたりして最悪な労働環境だった気がするよ。

目が覚める寸前に誰かと話してたら、あぁこれって夢だなって思った目が覚めた。




変な夢だったと思いながらも顔を洗うために起きようとしたら起きれなかった。

手に力が入らずすっぽ抜けて体の向きが変わった時に見てしまった。見えてしまった。



「なんで?なんで?なんで?うわぁああああああああああああああああああああああああああ」



おいらは叫んでしまった。理性が聞かず子供の様に叫んでしまった。

叫ぶのが止まらない。止められない。そうしてるうちに看護士さんが部屋に走りこんできた。

それを見たおいらは意識が遠のき始めた。遠のく意識の中で見聞きしたのは

鏡に写るしわくちゃになった自分の顔と看護士さんのおじいちゃん落ち着いての言葉だった。



そしておいらは・・・・わしは・・・目を覚ます事はなかった・・・。


これで完結です。終わり方については書き始め当初通りです。

夢落ちって見る側にしたらなんだよってなるけど作る側にしたら優秀な終わり方だなって認識できました。

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