14.武器とLv上げに設計書
仕事で疲れて書く事ができません。ストック放出中です。
ドメニコさん(狩人)の助手になって早くも3日が経った。
助手として行った事は荷台の引き手と解体と罠設置である。
解体もかなり慣れ、無駄なく出来るようになってきていると思う。
今日の罠設置も終わり獲物を持って街に戻りそのままドメニコさん宅で
ご飯をご馳走になる事がここ3日の流れになっている。
ドメニコさんの奥さんのアルマさんが作るシチューが絶品なのだ。
重い麦パンにもよく合い浸して食べるのがお勧めだ。
食べた後は自由にできるので今日はイネス鍛冶屋に注文していたバットを取りに行く。
店に入るといつものようにカウンタでだらけてるイネスはおらず
奥の鍛冶場で鍛治道具の手入れをしているようだ。
「こんちわー。イネスー?注文した鈍器出来たー?」
「おー、いい所に来たぞー。ついさっき出来たばかりだぞー。」
イネスからバットを受け取る。形は注文した通りになっているがちとバランスが悪い気がする。
そのことをイネスに話し調整をしてもらう。重心を先の方に調整してもらいとても振りやすいバットが完成する。完成した後はグリップに革を巻きつけ滑り止めにした。
「ありがとなー。イネス。いい感じだぞ!」と言いつつ頭を撫でる。
「当然だな!」と腕を組んで胸を張る。
腕を組んだ事による寄せて上げてで歳に似合わない重量感が見て取れる。
そして今回もまた「気安くあたしを撫でるなー。」とΣ(゜∀゜;)ハッとしてから叫んでいた。
「素材かお金が溜まったらまたお世話になりにくるから1人前になっててくれよー。」
「あたしはすでに1人前だぞー。」>ヽ(`Д´)ノ
こんな感じでプンスカしてた。
やはり、からかうと可愛いです。
この街の周りは草原で魔物はほとんどいない。
小動物はそこそこにいて大きな動物や魔獣は北の森の方に多い。
魔物に分類される強いきゃつらは荒野に入ると沢山いる。
この3日はドメニコさんに付き添って2回の解体作業を手伝っただけなのでつよさでのEx(経験値)が入ってないので異世界に来て初めてLv上げなるものをしようと思ったのだ。
『そういや角うさぎさんは魔獣に分類されるって言ってたな。あやせたんも魔獣だったみたいだし。小さい魔獣と小動物は見分けがつきにくいよな。』
狩りの時は北の森へ罠を仕掛けに行くので今日は南東方面にある小池へ行ってみる。
小池と言っているが北の湖に比べて小さいので小池と呼んでいるが実際は対岸まで100m近くある意外と大きい小池である。北の森に比べれば小さいが森もあり現在は魔獣は確認されていない。小池には砂浜があり中型動物がたまに出没するのであまり人は近づかない。
おいらは小池目指して進む。30分ぐらいで小池が見えてくるから割と近いのだ。
小池について早速、Lv上げのために獲物を探して周辺を見渡す。
小池の近くでは獲物になりそうなのが見当たらない。
ちょっと森のほうに行って見ると
小池からさほど離れていないところに不自然に積まれたような岩があった。
岩はコの字型に配置されていて近づくと岩の前に深さで150cmぐらいの半径3mほどの池があった。池の先、コの字の岩の間の地面からファンタジー定番のスライムが沸いていた。
そう沸いていたのだ。地面にできた穴からスライムがにゅるーんと出てきてはすぽんと
軽快な音と共に生まれぷるぷるした後に動いては池に落ちてそのまま溶けるを繰り返している。
おいらはその池に近寄りスライムが溶けた池が危なくないか調べるために臭いを嗅いでから手を入れてみる。
『臭いは無しで、ピリピリとかもしない。味は・・・無し。これはただの湧き水だな。』
スライムはゲームのように顔も無ければゲル状の物でもなくただのゼラチンの塊のようなものだった。違いは地面から沸いてる事と膜のような物に包まれていてその中に小指の先ぐらいの核っぽいものがあることだった。
ファンタジー脳で考えてスライムと判断したのだがそれが池に落ちるとぷるぷるした後に溶けるように無くなるのである。それを見て昔やったとあるゲームを思い出した。
そのゲームは初期のゲームでプレイヤーも敵モンスターも川などの水に落ちるとダメージを受ける物で敵が出現しては水に落ち死ぬ。出現ポイントが障害物に囲まれ移動先は水場のみの初期配置になることもあった。そのゲームは敵がどんな風に死んでもプレイヤーの経験値になるので簡単Lv上げとして裏技扱いされていた。
それがまさに目の前で行われているのである。経験値は入らないけど。生まれたてのスライムは水に落ちるだけで死んでしまうほど弱いみたいでとても、のほほんとできる光景で癒された。
試しに池に落ちる前のスライムをバットで突付いてみると池に落ちる前に空気の抜けた風船のように萎んで消えてしまう。ドメニコさんと狩りをした時に魔獣や魔物は体内に魔石があると言っていたがスライムが消えた後には魔石らしきものは残らないので生まれたては違うらしい。
沸いて突付いて萎ませてを緩衝材のぷちぷちを潰すが如く時間を忘れぷちぷちしてたらいきなり聞いた事のあるような音が聞こえてきてΣ(゜Д゜;≡;゜д゜)ビックリした。
おいらの記憶が正しければレベルアップ音だったはずとつよさを見てみるとなんとLvが2になっているよ!確認作業をしてる間もぷちぷちを止める事はできなくてぷちぷちしてると経験値が1づつではあるが増えている。
Ex(経験値)は300を超えていたのでおそらくLv2に必要だったのが300だったみたいです。
というかLv2になるのに300が必要なのは多いのか少ないのか分からないなんて考えながらぷちぷちを続けていた。さすがに長時間やっていると、飽きてきたので他の獲物を探したが見つけてもこちらに気づくと皆逃げていくのである。野生動物は逃げて当然だしバットじゃ到底倒せない!
しょうがないのでスライムをぷちぷちする事にした。Lv上げをする為に危険を冒さず安全に稼げるスライムが意外と美味しいのではと思ったからである。決して捕まえられないから挫折したわけじゃないよ!そこは信じて欲しい。。。
そんなこんなで午前中はドメニコさんのお手伝いをして、午後は日が傾くまでずっとぷちぷちし続けて日が傾いたら街に戻る。そんな生活をドメニコさん怪我がなるまで繰り返していた。
ドメニコさんの怪我は1ヶ月ほどで完治しおいらはギルド依頼を完了した。
毎回捕まえた獲物の売値の1部が報酬になっていたので意外と稼ぎがある仕事だった。
ドメニコさんはかなり腕のいい狩人だったらしく怪我をしなければ弓も併用して
3倍以上稼げると言ってた。
「お金が無くなりそうになったらまた助手にしてくださいね。」
と言ってドメニコさんと別れた。ここ1ヶ月ぷちぷちスライム(おいら命名)をしていたお陰でLv11まで上がっている。Lv上げで分かった事はLv2に必要なExは300でLv3なら600、Lv4なら1200と必要Exが倍々であることだった。
計算してみよう。
最初は300。次は600。なのでLv11には300+600+1200・・・153600=306900である。
スライムを1匹倒すのに3秒ぐらいかかる。と言う事は920700秒で15345分で255.75時間で
10日と4時間である。1日平均8時間ぷちぷちスライムをしていたので約1ヶ月となる。
Lv12にするには307200匹をぷちぷちしないといけないので1日8時間で約1ヶ月かかる。
なのでこの近くに住み着いて1日中ぷちぷちできればいいんじゃないかと・・・
1日平均で14時間ぷちぷちすると・・・
むむむ、すぐに答えが出せない。というか暗算じゃできん!
ひーのふーのみーでちゅうちゅうたこかいな。。。おっと平均で10日ぐらい早くなるぞ!
そんなこんなでこの近くに住み着くことにした。決めたら即行動と言う事で街に戻り商人ギルドで不動産関係を扱う商会を紹介して貰うことにした。
紹介されたのはパトリス商会というボウゴンの街の不動産関係を1手に扱う商会だ。
主な仕事は土地と建物の管理と清掃や改築や建築などに加えそれらの材料と加工に大工や使用人の手配まで幅広く行っている。
「こんちわー。おじゃましまーす。」
「いらっしゃいませ。パトリス商会にようこそ。わたくし当商会長のパトリスです。」
「これはこれはご丁寧にどうも。冒険者してます。ひぽとと言います。よろしくです。」
商会はさほど大きくは無く事務員ぽい2人が奥で仕事をしているのが見えるぐらいのちっこい商会だ。会長さんは女性で長い金髪に青い目の西洋人ぽかった。因みにそれなりに美人で大層な双丘である。奥の事務員の2人も同じぐらいの美人で大層な双丘を持ってるよ!顔もなんとなく似ている。
挨拶を終え早速、お話をする。
「当商会には住む家をお探しにでしょうか?それとも店舗でしょうか?」
「あっ、いえ。家を探しに来たのでは無くてですね、土地や建築関係についてお聞きしたい事がありましてギルドに相談したら紹介して持ったのです。」
「なるほど。それではそれらに詳しい者を同席させますので少しお待ちください。姉さん、ちょっと来てー。姉さんの知識が必要よー。」
呼びかけに対して奥の右側で仕事をしていたおっとり系金髪青い目の如何にもおねえさんがこちらに来て微笑みを携えて挨拶をしてくれた。
「当商会長パトリスの姉でレーニ・イルメラ・モルトケと言います。宜しくお願いしますわ。わたしの事はレーニと呼んでくださいね。」
「ひぽとと言います。こちらこそよろしくお願いします。レーニ様。
貴族様とは知らずに失礼を・・・」
「レーニで結構ですわ。貴族であってもここは他国でしかもパトリスの元で働く従業員ですもの。敬語はいりませんわ。どうぞ、気楽にお話くださいませ。」
「そうですよ。ひぽとさん。姉さんはこの街の貴族街に住んではいますが貧乏貴族で爵位も士爵の1代貴族の嫁ですから畏まらなくて大丈夫ですよ。姉さんもこの性格ですから。」
「分かりました。レーニさんで。それとパトリスさんも敬語はやめてくださいね。普通の方が話しやすいです。」
「はい。じゃあ、私もこっちで喋りますね。ちなみに奥のもう1人は妹のカシアです。会長で接客担当の私、パトリス。と妹で設計担当のカシア、姉で交渉と仕入れ担当のレーニの3姉妹でパトリス商会です。宜しくね。」
「ではでは、本題を。街の外の、南東にある小池近くに家を建てて住む事は可能ですかね?」
「街の外にですか?この草原地帯は不干渉地域ですので住むのは問題は無いはずですわ。ただ神殿に目を付けられる事はあるかもしれません。他には街の外だと安全面で問題がありますわ。少ないと言っても魔物や魔獣、さらに野生動物、野犬や猪や熊などもいますし。」
「安全面を気にしなければ住んでも問題ないんですね。広大に使って所有権を主張しても大丈夫ですか?」
「問題はありませんわ。ただあまりに広く主張をして行商に迷惑をかけたりしますと良くない人たちに襲われたり、盗賊なんかにも目を付けられるかもしれませんわ。」
「そうですか。ありがとうございます。これだけ聞ければ安心です。早速あの辺りに住み着こうw」
「1つ聞いてもよろしいですか?なぜ街の外の小池の近くなんですの?」
「それは・・・言い方が悪いですけど会って間もないのでパトリス商会を信用できるか分からないのであまり伝えたくないんですが・・・」
「おっと、私の商会は信用第一でやってるんだよ。それに姉さんは人の真偽を見抜くスキル持ちで嘘をつくとスキルの力が弱まるから嘘は言わない。それにカシアは設計以外は興味なくて他人とは設計以外で喋らないから大丈夫。それに信用を裏切れば商会が加護を失って商売できなくなっちゃうから安心して欲しいです。」
そう言ってカードを2人は見せてくれた。たしかに商人ギルドの登録印が押されている。
登録印とは神様の加護ありを表す物で印がないとモグリと判断されて信用がなくなる。
たとえどんな実績があろうと印が消えれば同じ事だとパトリスは教えてくれた。
「分かりました。ここだけの話でお願いしますね。実は・・・」
スライムが沸いていて時間がかかるが安全にLv上げが出来る事を話した。
「それは冒険者ギルドに報告の義務があると思うんだけどどうなの?姉さん?」
「そうですわね。スライムは魔物ですから被害が出る前に報告と穴を塞がないといけないと思いますわ。ただ、今までスライムでの被害は皆無ですし、聞いた通りなら報告はしなくてもいいかもしれませんわ。」
「報告はしないでください。報告されてしまって塞がれてしまったらあそこに住み着く意味が無くなっちゃいますから。どうにかお願いします。」
「うーん。。。わかった。姉さん今回の事は報告はしない。それと言ってはなんだけど家を建てる時はうちの商会に依頼を出す事で手を打ちましょう。どう?」
「おいらは構いません。願ったりです。」
「はぁー。分かったわ。頑固なパトリスがそういうなら私も黙っていますわ。」
「ありがとうございます。では今、家の設計をお願いしちゃいましょう。設計だけでもお金掛かります?」
「設計だけなら今回はいいよ。実際に立てなくても違う時に使えるから損はないからね。カシア、ちょっと来てー。設計の依頼よー。」
今まで奥で黙々と仕事をしていたカシアちゃんが目を爛々としてこっちにきて椅子に座った。
手にはすでに設計用と思われる用紙が握られている。
「条件を聞こうじゃないか!」
見た感じ大人しそうだったが実際はかなりの元気っ娘のようだ。
せっかくなので大きく広くしてもらった。今回は設計だけではお金は掛からないので色々と条件を出していくと次々と簡易ながらも設計図がどんどん描かれていく。
調子に乗って時代劇で出てくる長屋や現代の平屋に田舎の萱葺き屋根の家や2階建ての家にアパートメントにマンションと武家屋敷に神社に日本の城などを伝えて書きまくってもらったがカシアはそれはそれは目を輝かせて書いていた。
なんでも珍しい建築で興奮していたらしいとパトリス談。
色々書いてもらったがさすがに日本っぽい家だと目を付けられそうだし、せっかくの異世界なのでこちらの世界の屋敷も書いてもらい、気に入った設計のものに手を加えていくことにした。
追加要素はまずは地下3層。B3は倉庫に。B2には普通の生活部屋を。B1には射撃場のような広い訓練場としてみた。地上も3階にしてもらい、1階は接客用の部屋や食堂に厨房などを置いた。2階は個室と2人部屋に家族部屋などを配置してみた。3階にはおいらの個室に調合部屋に書庫にあとは2人部屋と3人部屋で隙間を埋めた。
さらには庭に鍛冶場と畑と馬小屋に屋根つきの馬車の駐車場をつけて貰う。
設計にお金が掛からない事から思いつくままにどんどん足していく。お金が掛からないから。
大事なことなので2か(ry
できた設計図は簡易作成であったがかなり綺麗に書いてある。カシアはおいらの期待に応えて書き終えるとおいらがボツにした物を持って奥に戻り清書をし始めている。どうやら近い将来に現代式のアパートやマンションやら長屋などのカオス街並みになるかもしれない・・・
カシアに簡易ながらも書いてもらった『おいらのかんがえたさいこうのおうち』が完成した。
それをパトリスとレーニさんは商人と仕入れの目線で読んで行く。
「これはすごいですわね。建てる大きさによりますけど材料費だけで金貨30枚は行きそうですわ。それに家具やベットの生活用品もありますからさらに増えますわね。」
「それだけじゃないよ。こんな屋敷はそんじょそこらの貴族でも無理だね。それこそ王族が建てる城と同じぐらいなりそう。それに完成まで5年ぐらい掛かるよ。」
Σ(゜∀゜;)ナ、ナンダッテー!!
おいらの全財産はドメニコさんとの稼ぎで銀貨6枚とちょっとしかない。
とりあえず設計図の屋敷の寸法を伝えて実際の費用を見積もってもらう事にした。
壁に使う材料はこういうのがいいとかある設備を設置したいとかすべて伝えて見積もりを材料等の相場から出してもらう。
その結果は・・・最低で金貨125枚は掛かると言われてしまった。日本円にすると約12億5千万円。
( д) ゜ ゜
まさか『おいらのかんがえたさいこうのおうち』のお値段がこんなになるなんて・・・
夢のお値段は夢のようなお値段でした。ちゃんちゃん。
「そっかー。(・´ω`・)当分は無理だねー。お金貯めて出直してきます。その設計図は預かって置いてください。お金が溜まったらお願いしに来ますから。」
「頑張ってお金を貯めてくださいね。お待ちしていますわ。」
「期待しないでご利用待ってるよ。」
そんなやり取りを意気消沈しながらしてとぼとぼとと出て行く。そのまま重い足取りでイネス鍛冶屋に赴く。
材料がなければ作ればいいじゃないと昔の偉い人が言いました。
「こんちわー。イネスいるー?」
「おー。よく来たぞ。何か用か?」
「うーん。刃の掛けにくい伐採斧が欲しいんだけどもー。」
「伐採斧だったら今はこの魔法鉄製しかないぞー。銀貨2枚だぞー。」
「じゃあ、それちょうだい。はい、銀貨2枚。」
「まいどだぞー。また来たらいいぞー。」
手を振り斧を抱えたまま、お宿に戻り夕ご飯を食べてあやせたんを愛でてから寝た。
夢はお金が掛かると泣いた。
更新が遅れる事が多くなると思う。帰ってきてお風呂入って飯食べたらもう寝る1時間前で書けませんのでごめんなさい。




