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夢の証言

作者: R

 小学生くらいからずっと、私は自分が生まれたときの光景をずっと夢で見ていると言い張っていた。友達は笑い、親は心配そうな目つきで私を見るのだった。

 高校生になって数日たったある日、私はちょっと違う夢を見た。多分夢の中の成長した「自分」であろうか、森の中を走っている。なんとも気持ちいい。平成生まれの自分にとって、小学生以降このような珍しい光景はあまり見たことがない。

 森を駆け抜け、外へ出た。私はそこで驚いた。

 見下ろした先に、一面の茶色の土地が広がっていた。今までの緑色が頭に焼き付いていた分、この茶色はいかにも不可解な感じを私に与えた。

 「自分」は息を荒げている。そして。

 何か一瞬叫んだ気がした。

 その言葉がどのようなものかは分からなかったが、私には何と言ったか聞こえた気がした。

 「ほら、早く起きなさい。」

 母さんが私を起こしてきた。

 今日の夢はなんかいつもと違ったな。私はそんなことを思った。いつもは自分が病院のベットに寝ていて、お父さんお母さんが覗き込んでくる、そんな夢なんだけど。

 私は立ち上がって飯を食べるためにリビングに行った。自分の席に座って、新聞を読んでるお父さんに、

 「ねぇ。僕が生まれた後でこの近くで山を削ったみたいなこと、あった?」

 するとお父さんは少しため息をついて、

 「嫌なこと思い出させてくれたねぇ。ああ、あったよ。お前がホントにちっちゃいころだったなぁ、あれは。山を削って、住宅地を作るって。俺がちっちゃいころから遊んでた山だったから、あの時はとおさん、年甲斐もなく抗議したなぁ・・・。」

 夢の中の自分が、叫ぶ声が聞こえた気がした。

 「速報です。ガイコクで自然保護活動グループが全員、射殺されました。そのグループの中には日本人も含まれているという情報もあり」

 私は思わず立ち上がり、台所にいる母さんの「どうしたの?」という声を聞き流して、走って二階へあがった。窓を開けて叫んだ。「自分」の分まで、精一杯。

 「バカヤロー!」

 たまにはなんか小論文的なものを書いてみようかなと。

 なんか理論くさくなっちゃった。悪いくせだ。

 ちょっと原稿用紙二枚オーバーしました。

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