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使い古した世界 HEAVEN  作者: やましたゆずる
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第3章 北に向かって走る

澪は会議を終えると皆の前に立って全員の顔を見渡し一人一人と握手を交わして別れを惜しんだ。「皆さん。ご苦労さまでした。近いうちに皆さんの県にもお邪魔いたします。」澪はそう言うと直立不動で敬礼をし部屋を後にした。「長官、これから、どちらへ!」北川市長が澪の目を見た。「広島県、島根県、鳥取県、岡山県と北上する。」澪は北川市長の目を見つめた。「お身体に気をつけて、て、また会える日を楽しみにしております。」市長は澪の目を見て優しく微笑んだ。「北川市長も同じくお身体には気をつけて!ご公務にはげんでください。防御壁お願い致します。国に予算つけるよう話ておきます。」澪は北川市長の目を見てニヤリ微笑んでグータッチを交わした。「宜しくお願い致します。」北川市長はニコリ笑った。「失礼いたします。」小林が市長に頭を下げて車に乗った。澪は北川市長に敬礼をし助手席に乗った。「小林君、疲れたら新幹線で行ってもいいからね。遠慮なく言ってね。」澪は小林の横顔を見た。「お気遣いありがとうございます。その時は言いますので宜しくお願い致します。」小林は澪の横顔をチラリ見た。「気をつけていきましょう!小林君広島県庁舎へゴー!」澪は小林の横顔を見た。「ポケモンGOみないに言わないでくださいよ。ワハハハ!」小林は笑いながら澪の横顔を見た。「ピカピカチュー!ワハハハ!うちの子供が好きなんだ!ピカチュウ!」澪もピカチュウのモノマネで返して二人は大爆笑した。広島県庁舎に着くと石丸知事とヤクザみたいな猟友会一同のお出迎えを受けた。澪は車を降りると全員に直立不動の敬礼をして「ご苦労さまです。ありがとうございます。」言葉を発した。「宮崎長官。お待ちしておりました。猟友会の事務所でお茶でもどうぞ!」斎藤猟友会会長が澪の目を見て優しく微笑んだ。「どうぞ!秘書さんもご一緒に!」会長は二人の顔を見て手招きをした。猟友会の応接室に通され澪と小林は腰を降ろした所に電話がなった。赤いパトランプが廻った。熊が目撃されたのだった。「会長!安芸高田市甲田町浅塚に1メートルのツキノワグマが出たそうです。猟友会の出動要請あり。怪我人なし!」事務の女性が会長の顔を見てハッキリ言った。「私も行きます。」澪はライフルを肩にかけた。「宮崎長官はこちらでゆっくりしていただいて結構です。私どもでなんとかなります。」斎藤会長は澪の目を見た。「嫌、そうはいきません!私も連れて行ってください。」澪は会長の目を睨んだ。「わかりました。私どもの後をついて来てください。」会長他5人はハイエースに乗り込んだ。2人は軽トラに乗り込んだ。小林と澪は公用車の黒のアルファードに乗り込んだ。だいぶ走ると現場にはパトカー2台と警官4人が町民と何か言っているのが見えた。斎藤会長が車を降りて警官の側へ「ご苦労さまです。熊はどっちへ逃げたのでしょうか?」会長が警官の一人に聞いた。猟友会のメンバーが犬を2頭山に放した。犬は勢いよく斜面を駆け上がり見えなくなった。その後を猟友会のメンバー3人が追いかけた。澪も遅れて走り出した。しばらくすると犬が激しく鳴きはじめた。「ワン!ワン!うお~!」全員近寄ると約1メートルのツキノワグマが目の前に立っていた。今回の視察は熊遭遇100%だった。「宮崎長官、殺りますか?」斎藤会長が澪の耳元で囁いた。「いいんですか?殺ります!」澪は斎藤会長の目を見てニヤリ微笑んだ。澪はライフルを準備して弾倉をカチっとはめ込んだ。スコープを覗くと熊は立っていたので心臓を狙いやすかった。トリガーを引くと「パーン!」と乾いた音がして熊は後へドサっと倒れた。倒れた熊の顔を覗き込み。胸からグロッグG19を取り出し、眉間に1発撃ち込んだ。澪は熊の前で手を合わせた。「お前に恨みはないが熊だから殺された。ごめん。」ブツブツ呟いた。猟友会のメンバーはそれを見て聞いて重たい気持ちになって、全員で死んだ熊を軽トラの荷台に乗せた。「長官、その小径ライフルでお見事でした。一発でした。聞いていた通りの腕前でした。長官のオリンピックも感動いたしましたけど実際の射撃も良いものですね。」斎藤会長が澪の目を見て微笑んだ。「そうですか?ありがとうございます。ここには後どれくらいの個体が生息していますか?」澪は会長の目を見つめた。「50頭は下りません。」斎藤会長は澪の目を見つめた。「そんなに?多いですね。毎日目撃情報が絶えないでしょう?」澪は会長の顔を見て優しく微笑んだ。「はい。熊だけではありません。猪や鹿もおるますので猟友会でやっているジビエ料理店は繁盛しております。そこの上がりは、市民が襲われた時の治療代とか壊された納屋の修理とか銃弾にも使われております。」斎藤会長は澪の顔を見てニヤリ笑った。「そうでしか?ジビエ料理ね。秋田県では業者に引き取ってもらつてますが?」澪は斎藤会長の顔を見た。「宮崎長官が就任していただいたおかげでマタギだけで食えるようになりましたから、予算も付けていただいて、この迷彩服やブーツも以前よりもすんだん良くなりました。労災も使えますし!本当にありがたいです。藤原首相にも感謝ですね。」斎藤会長は澪の顔を見てニコニコしていた。「皆さんの命をかけていたたいている仕事への感謝です。」澪は斎藤会長の浅黒い顔を見て敬礼をした。5人で熊の遺体を軽トラの荷台に載せると軽トラが沈んだ。その時、「宮崎!この悪魔がまた熊を殺しやがって!」動物保護団体の中川麻子達が山を上がって来て抗議して来た。「あんたら熊が出たらどうすんだ!誰がたすける?駄目だよ勝手に来ては!私達も助けないからな!早く山を下りた、下りた。」澪は鬼の形相で中川麻子の顔を睨んだ。すると犬がまた吠え始めた。「あんたら危ないから山を下りて!」すると動物保護団体の5人の後に約1メートルの熊が立っていた。猟友会と澪は動物保護団体の人達に向けてライフルの銃口を向けた。「貴方達、私達を撃つつもりなの?」中川麻子が猟友会メンバーと澪に向けて言葉を投げつけた。「ホラ!後を見て」澪が言うと中川麻子達が後を振り返った。5人に熊は飛びかかろうとしていた。澪は右側に回りこんだ。「皆さん、動かないで!撃って良いのなら撃つぞ!」澪は中川麻子の目を見た。「はい!助けて下さい。」中川麻子は小さな声で言った。「パーン!」トリガーが引かれた。熊は大の字に倒れた。澪は胸からグロッグG19を取り出し熊の眉間に「パーン!」と撃ち込んで留めをさした。過去に留めをささなくて命を落とした者が居た。手負いの熊は恐ろしい。「皆さん。熊は死にました。安心して下さい。」澪は中川麻子の目を見た。倒れた熊の前にひざまずき手を合わせて「あなたには罪はありません。すべて人間が悪いのですから、速やかにお眠りください。天国で仲間と会えますように!」澪はまた、口をモゴモゴさせてお祈りした。それを見て聞いていた中川麻子が「あなたは、この仕事向いてないわ!辞めなさい。いつもそうやって拝んでいたのね。感心したわ。」中川麻子は澪の目を見てニヤリ微笑んだ。「中川さん。今度から山には入らないと約束していただけますか?」澪は中川麻子の目を見つめた。「はい!わかりました。でもこの活動は辞めないわよ。」中川は澪の目を見つめた。「好きにしなさい。私はとめないから!あなた達の金のでどころは把握済だから。でも悪魔姉妹はやめてくんない?私の悪口は言って良いけどお姉ちゃん達は関係ないから!」澪は中川麻子の目を見てニヤリ笑った。「おねさん達の方が悪質よ。外国人を殺しまくってるじゃない!もう、何百万人と死んでるんだよね。あんたら姉妹は狂っているよ。何かの祟だね。わかってる!宮崎澪長官!」中川麻子は言いたい事言って山を下りて行った。澪は図星を言われグーの音もでなかった。澪の脳裏に殺した人の顔がフラッシュバックした。澪はこの時、全国視察が終わったら辞表を出す事を考えていた。「宮崎長官、この後会食しませんか?」斎藤会長が澪の顔を見てニコニコしながら見た。「遠慮します。スケジュールが立て込んでいますので!」澪は斎藤会長の顔を笑顔で見た。「それでは、行って見ます。お手数おかけいたしました。斎藤会長、お元気でお過ごしください。島根県へ行きます。ありがとうございました!」澪は斎藤会長とグータッチをし、笑顔で別れた。「小林君出して!」澪は小林の横顔を見た。会長をはじめ、猟友会メンバーが敬礼で二人を見送った。澪は車の中で敬礼をし、全員の顔を見た。「広島支部には女性のマタギが一人いたね。小林君。話はしなかったけど。今、全国に女性のマタギは10名でしたっけ?小林君。彼女20代くらいだったな?」澪は小林に尋ねた。「はい。10名です。彼女は安達紗友里さん。23歳で一番若い方です。後女性のマタギは福島県2名と秋田県5名と北海道2名です。皆さん、活躍されているみたいですよ。長官に憧れてこの世界に入られたとかで!」小林は澪の横顔を見た。「あまり、お勧めしないんだがな!この仕事?人間おかしくなる?まわりはジジイしかいないだろう!不倫とかあるのかな?まあ、秋田県ではないなぁ確かに!」澪は小林の横顔をニヤリ微笑んで見た。

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