第12章 四姉妹露天風呂でくつろぐ
全員車に乗ると社長がスマホを取り出し何処かへ電話をはじめた。「もしもし、女将か?今、新潟駅を出る。1時間くらいで着く。菊の間のお客様は有名人だった。失礼のないよう、皆に伝えてくれないか!誰だと思う、行ってからのお楽しみだな。腰さぁぬかすどお〜?」社長は興奮を隠しきれなかった。「風鈴屋って風鈴の音が綺麗なんですか?後、浴衣のレンタルとか、素敵ですね。ホームページで確認しました。お料理も見事で楽しみです。エメラルドグリーンの露天風呂なんて素敵すぎてこっちも楽しみです。」純連が下調べしてきていた。「さようでございます。湯治場として有名です。ごゆっくりなされてください。良いところですよ。手前味噌で申しわけありません。」社長が言った。「社長さん。熊はどうですか?月岡あたりは?」澪が尋ねた。「今年はもう目撃が多かったです。人への被害はありません。猟友会の方々が毎日ように見回ってくれているおかげです。長官有り難う御座いました。熊との戦いは毎年春から秋までです。最近では冬も出ますね。」社長が言った。「ご迷惑おかけします。人数に限りがありますから。勘弁してください。私、長官辞めたんです。次は、もう着任しています。新しいとても綺麗な女性の長官ですよ。宜しくお願い致します。」澪が言った。「ありゃあ!女性の方ですか?」社長はそう言うと車を走らせた。しばらくすると旅館に着いた。玄関前には従業員が並んでいた。男性3人が荷物を取り出して運んでくれた。従業員一同一列にならんで深々と頭を下げて「いらっしゃいませ!」三人の顔を見るなりザワザワはじまった。「宮崎PCJ長官や沢井CIA長官、山南日本国家中央情報局長官。なんで当旅館にいるの?なんかあるのかな?月岡で失礼のないように接待しないとやばいぞ!」陰口が囁かれていた。「私、聞いた事あるんだけど四姉妹らしいよ。4人居るから姉妹なんだ。それが正解って事でたんなる湯治ね。お疲れでしょうから?」ザワザワしていた。「これから一週間滞在します、宜しくお願い致します。私の事、知っているでしょう?熊の長官の宮崎です。」澪は従業員一同の顔を見て優しく微笑んだ。「そして、お姉ちゃんのCIA長官沢井あかり、それに日本国家中央情報局長官の山南小春。そして、小林純連、全員姉です。宜しくお願い致します。」澪が言うと4人は頭を下げた。「こんな所ではなんですから館内へどうぞ!女将の渡美咲です。しっかりお世話させていただきます。なんなりとお申し付け下さい。」女将は笑顔で4人を見た。「皆さん、お客様をご案内して!」女将が号令をかけると一斉に動き出して4人を館内に案内していった。4人は施設を案内された。露天風呂は素敵だった。4人は部屋に入って浴衣に着替えて館内を散策した。一通り館内を見てまわって4人は露天風呂に入った。エメラルドグリーンのお湯ですこぶる気持ちが良かった。眺望もすばらしくのぼせるまで湯を堪能した。部屋に帰ると日本酒がずらりテーブルの上に置かれていた。おつまみも豊富にあった。4人は違う色の浴衣を着ていた。あかりは赤い浴衣、小春は緑の浴衣、澪は青の浴衣、純連は紫の浴衣だった。社長が「美女は何着ても似合います。」なんてお世辞を言うと「記念撮影をさせてください。」言い出して。そのまま、お酒はお預けで玄関前に立って記念撮影をした。後日、フロントの奥にそれが飾られる事となる。撮影が終わるとそそくさと部屋に帰って手酌酒で久保田、舞鶴、八海山、真野鶴などの有名どころを飲んだ。4人とも酒は強かった。久保田を空けると八海山に挑んだ。「昼食の準備が出来ました。食堂へどうぞ!」中居が呼びに来たが4人はすでにぐでんぐでんだった。昼食はキャンセルしたがビュッフェだったので社長が気を利かせ部屋にはこんでくれた。「中居から4人とも酔っぱらって部屋から出られないと聞いたのでご料理お持ちいたしました。」社長が言うとあかりが社長に抱きついて、あらぬ姿を見せつけた。あかりの酒臭息と耳元から出ている良い匂いに社長はデレデレになっていた。「社長、有り難う。一杯やっていかない?」あかりは社長を例の手で誘惑した。「すいません。それはご遠慮いたします。」社長はあかりの目を見てキッパリ断った。「料理をさかなに飲んで下さい。失礼します。」社長は皆の顔を見て一礼すると部屋を出て行った。社長はあかりの顔を思い出し、イケないイケないと呟いて廊下を歩いていると前から女将が来て「あなた、何、ニヤニヤしながら歩いているのよ!変な人。」女将は不思議そうな顔をして社長の顔を覗いた。社長は無言でやり過ごした。この日は酒を飲んで飲んで飲みまくった。皆、ろれつがまわらないくらいに酔っぱらって温泉は一度きりしか入らなかった。夕食を取ると爆睡した。次の日は中居に朝食で起こされるまで皆、大の字でねていた。浴衣は開け他人に見せられない状態であった。4人は洗顔し、ヘアメイクを純連にしてもらい、浴衣でビュッフェ会場へと向かった。皆、周りの人が二度見するくらいの量を皿に取っていた。流石に緑茶とお水にした。あかりはお水を口にしてビックリした。「澪、新潟の水ってこんなに美味しいの?あなた、幸せだわ?私なんて水は飲めないし、顔は洗えない、歯磨きは出来ない。ペットボトルのミネラルウォーターを使うのよ。シャワーも2〜3日に1回ね。だから、体臭がやばい事になる!」あかりは澪の顔を見てニヤリ微笑んだ。「澪、今回はチャチャっとやって帰りましょう!私もこれが最後の仕事にするから、ウエストウッド大統領には許可貰ったから必ず撲滅すると言って、だから失敗出来ないの。澪となら成功しそうだから、小春と純連がいればもっと楽だろうけど。今回ばかりは澪に貧乏くじ引いてもらっちゃた。澪、ごめんね。お姉ちゃん、向こうで人作り失敗しちゃったから皆に裏切られた。」あかりはパンを食べながら皆の顔を見て笑った。「私は姉妹と家族には恵まれたけどその他は駄目ね。」あかりは水をグイグイ飲んだ。「ああ、美味い!」あかりは笑顔で皆を見た、「今度、日本に帰ってこれたら藤原首相の下で政治家になるわよ。自信ないけど。アハハ!」あかりは皆の顔を見て大声で笑い出した。「お姉ちゃん作戦は?澪が聞いた。「ここじゃ話せない?怖くてスパイがいるかわからない?あの人かもあの中居さんかも?」あかりは周りを見渡し言った。あかりは立ち上がってコーヒーをもう一杯とりに行った。あかりはコーヒーを飲んで「ご馳走様でした、」合掌した。純連も「ご馳走様でした。」合掌した。続い小春、澪も「ご馳走様でした。」合掌して食事を終えた。入口に社長が立っていた。「有り難う御座いました。食事はいかがでしたか?本日の予定はどのような?酒蔵、町巡りに連れて行きますよ。ご希望とあれば?」社長は皆の顔を見て笑顔で言った。「酒はもう良いや。誰も居ない海岸で日本海をぼんやり眺めたい。連れてってくれますか?」あかりは社長の顔を見てニヤリ笑った。「お安い御用です。昼食後でよろしいですか?」社長はあかりの顔を見て笑顔で言った。「はい!宜しくお願い致します。社長さんじゃなくて結構ですよ。忙しいでしょうから?」あかりはニコリ笑った。「今の所大丈夫です。私がお供いたします。」社長はニコリ微笑んだ。「お風呂入れますが?これからの時間、」あかりが聞いた。「ご自由にどうぞ!」社長はあかりの顔を見て笑顔で言った。部屋に帰るとタオルをとって皆で露天風呂へ向かった。「お姉ちゃん。海岸って何?」小春があかりに聞いた。「あれか?小春と澪に大事な話があるからさあ!誰も居ない所でしか言えない。」あかりは小春の問いに答えた。「そうか?わかった。私達は裏切らないから安心して。お姉ちゃん。」小春はあかりの横顔を見た。4人は脱衣場で裸になった。「相変わらず綺麗な景色だな?ここは。」あかりが多分大陸と比べたのだろうと思って「そうだよ、日本は私達が守る。ね。お姉ちゃん。」澪があかりの目を見つめた。「頼りにしてるぞ!澪。君なら出来る!絶対に帰って来よう。」あかりは澪の目を見つめた。「うん。わかった。」澪があかりの顔を見てニヤリ微笑んだ。「小春も純連にも来てもらいたいんだが?今回は2人でやる。少数精鋭だな。」あかりは小春と純連の顔を見た。「お姉ちゃん。アメリカのCIAに声かけていないの?そんなに使えないの?」小春はあかりの顔を見た。「そうだ!使えん!」あかりは決意のこもった表情を見せた。「誰が元中国人からワイロもらっているかわからんからな。だから、日本は大丈夫か昨日聞いたんだ!」あかりは小春の目を見つめた。「何回も言うようだけどアメリカ人って俺が俺がと言う世界じにい、だから、ジャブの女を蹴落として長官の椅子を狙っている奴ばかりなんだ。自分が先に手柄を立てたくてウズウズしている連中ばかりなんだ。やりづらいってありゃしない。最近、日本もそうなっちゃいないか心配したんだよ。小春。目を光らせてなさいよ。私みたいになってほしくないもの?私がけして、手をぬいてるわけじゃないのだけど集団でやるから奴らは変な意味で結束力があるんだ。だから手に負えない気付いた時はもう遅い。」あかりは微妙な顔で小春の顔を見た。「人種だね。日本国家中央情報局で起こったら一人ずつ射ち殺すわよ。見せしめに一人くらい出てくれないかな?皆の前で殺すのに!」小春そう言うと身体を洗い終えて露天風呂へ足から入って行った。「ああ!染みる。」声が漏れた。するとあかりが身体を洗い終えて露天風呂に足から入って「最高!」と叫んだ。そして、澪と純連が同時に足から入って「生き返る」澪が言った。「天国だな。」純連が言った。それから、11時まで露天風呂に使った、「私もそっちの世界にいればよかったかな?」ポツリ呟いた。「嫌。純連には今の仕事が合ってるよ、日本国家中央情報局はもう、20万人もの外国人殺しているから外国人から悪魔の組織だなんて言われてるんだから嫌になっちゃう。最近じゃ戦闘服はやめて、オフィスカジュアルで皆仕事してるからね。OLだよね。タイトスカートもオッケーだから。大体がパンツスーツだけど。流石にヒールは履かないわね。皆、ローヒールとかカッコいいスニーカーとか履いてるから逆に目立つよ。ワハハハ!」小春は一人で思い出し笑いをした。「話はかわるけどC国とかK国はなんであんなに汚いのかなあ?豚小屋と一緒かそれ以下だよ。分業制が悪いと言う人がいるけどそれにしても酷え!おじいちゃんおばあちゃんが言うけど日本の昭和も同じくらい汚かったって信じられなくて。東京は酷かったらしい。」あかりが皆の顔を見て言った。「モラルがないんじゃない?綺麗にしようとする意識が欠如しているとしか言えないわね。あかり姉さんもモラルにかけるかな?相席ブロックとかしたゃってさあ!」小春があかりの顔を見てニヤリ微笑んだ。「そうだよね。私もそう思うよ。トイレもそう。レストランも汚い。掃除なんてしてないわ黄ばみ具合からすると日本では店長さんがやっている所多いらしい。アルバイト任せじゃなくてね。私もラーメン屋は自分でしていたから。わかるわ!うちのフランチャイズにはトイレ掃除は率先して店長がやるとマニュアルに書いてあった。私が作ってないんだけどね。社員が作った物だから感心したわよ。」あかりは皆の顔を見た。そして、露天風呂を出て部屋に帰った。しばらくすると中居さんが昼食を知らせに来た。




