ギリギリを攻める魔法少女
ひょっとこ書き出す一太郎
ときどき書き出す一太郎
だーい好きなのは誤変換指摘
たまにイラつく一太郎
「終わらないこのままじゃ納期に間に合わない!」
ディスプレイに映るデータに脂汗を垂らす男の余命は20時間を切ってい
た。
「最強の魔法少女をデザインしてください。30時間後にバトルロワイヤルを
開催して、見事に勝ち抜いたデザイナーを現世に帰還させます」
ざわつく会場の空気を質問が突き抜ける。
「現世に帰還できない魂はどうなんですか?」
「役立たずには死んでいただきます♡」
艶やかなリップで悪気なく語るデスゲームの主催者は、デザインに命を吹き
込める。魂の管理人だった。
「こらこら、暴れるような君たちは即没収です」
魂が抜けて息を吸うように吸入されていく。「ごちそうさま」と語りつつも
肉片が体内に生命を宿すなどと幻想を抱かぬよう。飲まれた意志は不可逆な消
失を示していた。
直視した未来から逃れるため。男達は最強の魔法少女を試作していた。
「マスター。わたしが最強だと信じてくれないのですか?」
「信じているさ助手くん。君には僕の3年分の余命を注いだんだ。ただ、この
戦いには登録制限がない。まだ見ぬ最強を研究するのだよ」
「マスター。わたしが考えた最強の魔法少女がわたしなんだから。もうそれで
よくない?」
ディスプレイへの視線を切らないマスターに後ろから抱きつく自称最強の魔
法少女は『可愛い』こそ至高をモットーに三段フリルのスカートをパニエで膨
らませ全体的に丸みを帯びた現代の洗練されたファッションからはかけ離れた
非合理的な間接デザインがなされていた。
「バトルロワイヤルで勝てる衣装でなければいけない」
男の理想で作られる初期配布キャラに安堵を抱かせる要素は皆無だった。
「ねぇねぇ、パンチラしようかな。すごいの履いてるんだから。すごいの」
模擬戦空間で触手の討伐スピードを競わせ武器の換装を施している後続の魔
法少女達を尻目にキュートな誘いを繰り広げる助手。
「さっきの模擬戦で敵前逃亡して泣きべそかいてた癖に……」
呆れて振り向いたマスターは魔法少女の誘惑に打ち抜かれていた。
「ほらね。わたしが最強なんだから」
雄の本能が求めるパーフェクトな膨らみ。繊維が織りなすしましまを婉曲さ
せる存在が無機質な数値に囚われていた男心を解放した。
「いや~ん」
淫靡な上四方固めを仕掛けて男の作業時間を削っていく。
「はぁ、はぁ、マスターの余命がこんなにも溢れてる♪」
内ももの付着物を拭いつつ。満足気な表情をする魔法少女は魅了の魔法使い
だった。
「あんなに必死になって魅了封じのドロワーズを履かせてたけど、ここに指を
添えると縦にヒダヒダが出来るんだよ。あ~あ。隠せないねぇ。ねえマスタ
ー」
バトルロワイヤルの時間は刻一刻と迫っている。助兵衛の手練れチャームの
魔力は留まることなく昇り続けるのだった。
「きゃーーー、かっわいい!」
デスゲームの規約改定に繋がったバランスクラッシャーの活躍は語るまでも
ない。
ギャグ。ギャグこそが世界を震え上がらせる。
テンプレートを使おうとしたら、テンプテーションを使ってしまった。何をいっているかわからないが、ナニが反応するかもわからない。
とりあえず、満足したとレスポンなさい。その優しさが魔法の言葉を紡ぎ出す。