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第9話 領地の問題と魔獣対策

 侯爵家の令嬢ローゼリアの依頼を受け、俺は彼女の領地へと向かうことになった。馬車に揺られながら、俺は深い溜息をつく。


「はぁ……結局、こうなるのか……」


「そんなに気が重いのですか?」


 俺の隣に座るローゼリアが、くすりと微笑んだ。彼女は上品な仕草でティーカップを傾けている。貴族の旅というのは、馬車の中でも優雅なんだな、と妙に感心してしまう。


「いや、俺はただのんびり暮らしたいだけでしてね……。こうしてお貴族様の依頼を受けるのは、本意ではないんですよ」


「まあ、そうでしたの? でもあなた、今までも色々な問題を解決してこられたのでしょう?」


「……まあ、成り行きでな」


「それに、あなたが来てくださると、皆さんとても安心されるのですわ」


「期待されるのはありがたいけど、プレッシャーがすごいんですよ……」


 そんな話をしているうちに、馬車は侯爵領の城門前に到着した。待っていたのは、領主であるローゼリアの父、エドワルド侯爵だった。


「おお、そなたが“万能仕事人”とやらか!」


「は、はぁ……そんな大層な者ではありませんが……」


 侯爵は俺の肩をバンバンと叩き、満面の笑みを浮かべている。その勢いに押される形で城内へと案内された。


「さっそく説明しよう。領地内の森に、ここ最近になって凶暴な魔獣が現れるようになった。農民や商人が襲われ、被害が拡大しておるのだ」


「具体的には、どんな魔獣が?」


「それがな……目撃情報がまちまちでな。狼のような姿だとか、大きな影が動いていたとか……」


「はっきりした種類が分からないのは厄介ですね」


「うむ。そこで、そなたの知恵を借りたい。どうにかして、領地を守る策を講じてはくれぬか?」


「……分かりました。とりあえず、現地を見てみないことには何とも言えませんね」


 こうして、俺は侯爵家の兵士たちとともに、魔獣が出没するという森へ向かうことになった。


 森の中は静かだった。しかし、その静けさが逆に不気味に思える。


「足元に気をつけろ」


 俺たちは慎重に森を進んだ。そして、ある地点で何かが引きずられたような跡を発見した。


「これは……?」


「魔獣の仕業でしょうか?」


「可能性は高いな」


 跡を辿ると、そこには大きな爪痕が残っていた。それも、かなりの深さだ。


「かなりの大きさの魔獣ですね……」


「こんなのが領地をうろついていたら、そりゃあ商人も逃げ出しますよ」


 俺は周囲を見回しながら考えた。ここで重要なのは、どう対処するかだ。


「直接戦うのは避けたいですね」


「では、どうしますの?」


 ローゼリアが興味津々といった様子で俺を見つめている。


「罠を仕掛けましょう。俺が設計して、兵士たちに設置してもらいます」


「なるほど、それなら被害を抑えつつ、魔獣を捕らえられますわね!」


 俺はすぐさま罠の設計に取り掛かった。簡単な落とし穴と、魔獣の動きを封じる拘束具の二段構えだ。


「この罠をこの地点に……そしてここにも設置しましょう」


「これでうまくいくと良いのですが……」


 俺たちは慎重に準備を進めた。そして、翌日──


 罠の付近で、大きなうなり声が響いた。


「来たか……!」


 俺たちは慎重に様子をうかがった。果たして、罠は機能しているのか……!?

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