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こっそりと世界の覇権を狙う  作者: ホワイト
第一章 ~シェーフィムにて~
3/6

第二話 ~街を散策、もとい構造を把握しよう~

とりあえず正銅貨99枚と正銀貨9枚は収納魔法(アイテムボックス)に収納した。

悪目立ちしないようにもとから収納魔法(アイテムボックス)に入っていたバックに入れるふりをして手に持っている正銅貨と正銀貨をしまっている。


◇◆◇◆◇


城壁を越えると中世ヨーロッパよりちょっと古いくらいの街並みだ。

門は二か所あったらしく今入ったほうの門は住宅が多いいわゆる住民用の門みたいな感じだ。

もう一方は観光客用といったところだろうか。

そちらのほうに工業品、もとい日用品から名産品を売っているようだ。


街を散策して分かったが、整備はあまりされていない。

基本的な大規模都市のそれとは相反していた。

道はガタガタであまり整備されておらずまっすぐではない。


それにスラム街もあるようだった。

一歩立ち入ればそれは法の適用外、といったところであろう。

ちなみ街の中心近くには大きな館があった。

ここの領主の館なんだろう。


にしても発展度合いが遅すぎる。

この調子だと魔法に頼った生活で科学や化学含めた物理法則などのこの世の理を理解できるものはいないであろう。


とにかく今回はこの街を偵察しに来たといったところなのだ。

うろちょろしている暇はない。


◇◆◇◆◇


▽ある店前▽


「おい、ひどくないか?!この店の品質はゼロなのか?!」


「申し訳ございません!魔物の出現でよい品を作ろうとはしているのですが何分材料がなくて……」


「言い訳するな!どうせ安いものを高値で買わせるつもりなのであろう?!」


「だからそんなことはありませんよ………」


「あぁ?!こんな店つぶしてやろうか?」


「申し訳ございませんでした!代金を半分お返しさせていただきますのでお許しを……」


「……仕方ねぇな、俺様はいいやつなんだ!この程度で済んでよかったな!」




防具店前で争っているようだった。

魔物、といったか。

この世界では魔物がはびこっているということだろう。

無駄に外に出たくないのだろう。

命は大切だ。

そこまでして外に出るような意味はないのだろう。

もし仮に外に出るとしたら商品の運搬やその護衛程度だろう。

そのくらい外は危険だということだ。

赤い角の狼だって例外ではないのだろう。


そういえば魔物の種類はあるのだろうが赤い角の狼はどういった種族なのだろう。


(さっき倒した赤い角の狼に名前はあったのか?)

≪“レッドホーンウルフ”です。≫


レッドホーンウルフか。

そのままだな。

魔物や獣などの種類の解読や解明は進んでいないのだろうか。

この世界には未知の土地や未知の魔物、未知の植物などといった知られていないものもあるのであろう。

もっとも文明レベルが低すぎて話にならないと思うが。


とにかくいろいろとこの世界は大変なのだろう。

だが……

兎にも角にもまずは拠点が必要だ。

宿屋を探そう。


その辺を探せばあるかと思ったがなかったので通りを変えて探してみたところ、宿場町があった。

適当な宿に泊まってもいいのだが盗みにあったりバカ高いぼったくりの宿には泊まりたくないのでしっかり吟味して選ぶ。


「いらっしゃいませ~!宿泊のお客様ですね?」


「ああ、数日ここに泊まりたい。」


「かしこまりました、当宿では朝夕のご飯がついています!一泊正銅貨75枚です!」


「ふむ。じゃあとりあえず一泊頼む。」


そういいながら手元のバック、と見せかけて収納魔法(アイテムボックス)から正銅貨75枚を取り出す。


「これで頼む。」


「かしこまりました!それでは今日の夕食と明日の朝食が付きます。お部屋は二階で階段を上がって二個目の右の部屋です!ごゆっくりどうぞ~」


「ああ、ありがとう。」


一応部屋に向かう。


部屋はちゃんときれいだ。トイレは1階にある。

もちろん風呂は庶民の宿にあるはずなどなく日本人の夢は潰えた。


とまぁ一通り終わったところで“導く者”のスキルが話しかけてきた。


≪報告があります。条件の一つ、街を回るを完了しました。≫

(なんだそれは。)

≪このスキルが消滅するための条件です。この条件をすべて完了すると“フィリネア・グラスター”に支援は必要ないことになり、このスキルは消滅します。≫

(え、いなくなるのか?)

≪その通りです。≫

(ところでフィリネア・グラスターってなんだ?)

≪あなたの名前です。転生した際に名前などの個人情報に準ずる記憶は書き換えられました。ちなみに前世で生活していた感覚がないと感じられるのはこの書き換えが行われたからです。≫

(そう、なのか。消滅は悲しいな。)

≪いいえ。そんなことはありません。加護が必要ないと判断されることには十分に強くなっていることでしょう。所詮は神に与えられしスキルなのです。それは仕方ないのです。≫

(そうか。ならば俺は君のことを忘れない。そう約束しよう。いつか君が消えても俺の人生が終わるまで。いや、その先までずっと。)

≪……ありがたき幸せ。消えるまで私は“フィリネア・グラスター”。グラスター様の補佐をさせていただきます。≫

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