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ショートアロー!「エノラ・ゲイ撃墜指令」第2状況

第2話目です。運命に翻弄される高射特科隊員たち。各々がこの異常事態について模索を始める。



                  第2状況 ここは何処だ!?


 中隊長の下に集まった隊員たち。みな、狐に包まれたような目をしている。「こう言う時こそ落ちつかねば・・・」中隊長小田原はそう思い、整列した隊員たちを見回しながら「各自、自分の持ち場、装備等の状況を確認せよ」と指令した。各々が自分の担当の装備などを確認に散る。そして数分後、再び中隊長の下へ戻ってきた隊員たち。「各自、状況を報告せよ!」小田原がいうと、「小隊10名!事故無し現在員10名、装備の状況は各担当が報告!」小隊長の板橋が敬礼して言う。「射撃統制装置、人員、装備異常なし!」風祭が続く。「発射機、人員、装備異常なし!、弾薬はコンテナ積載中の誘導弾4基のみ!」「通信班、装備、人員異常なし!」通信班の大平がさらに続く。経験の浅いWACの宮ノ下は不安そうな顔をしている。「補給班、人員、物資異常なし!」野森が報告を終える。小田原は隊員達を見据えながら言う「我々は現在、異常な事態に遭遇している、現在地が何処か、いま、どういう状況に置かれているのか?解っているのはここが島のようで目の前に広がる海があるのみ。状況確認のため、私は偵察に向かう!」そう言い小隊長である板橋の方を向き、「板橋!小隊の指揮を執れ!」板橋は小田原に敬礼をする「了解!指揮を執ります!」小田原は板橋に向かい「各班員は天幕天張!指揮所開設、偽装を忘れるな!なお、個人携行火器は実弾装備にて携行。各誘導弾もいつでも発射できるよう装填しておけ、補給!弾薬の状況は?」小田原の方を見てそれに答える補給班長の野森。「5.56mm弾300発、携帯誘導弾5発です!」報告を聞き小田原は「よしっ!警戒を厳となせ!」と言い、隊員たちを見る。小田原は最悪の状況も考えた。「何がおこるか解らない、自衛装備は有った方が良い。」そして、個人携行火器である89式小銃には各人30発づつの5.56mm弾が支給された。小田原は中隊長車ドライバーの強羅を見て「強羅、いくぞ。」と言う。「了解!」強羅が中隊長車を取りに向かう。ほどなく中隊長車は出発した。「指揮所開設、車両は偽装を開始せよ!」小隊の指揮を任された板橋が言うと、それぞれが作業を開始した。発射機やトラックなどは茂みに移動しバラキューダ(擬装用の網)をかけ発見されにくくした。そして概ね作業が終わったが隊員達の不安は隠せない。まだ経験の浅い女性自衛官、宮ノ下は特に不安そうだ。その表情に気付く誘導弾射手の湯本。宮ノ下と目が合い、宮ノ下が話しかけた「湯本2曹・・・ここは何処なんですか?私たちは六ヶ所村の演習場へ向かってたんですよ・・・・」宮ノ下の問いに湯本は「今は、この状況を打破することだけを考えよう、そして出来る限り最大限にベストな方法を考えるんだ」と答えたが宮ノ下は依然不安そうだ。「無理もない、ベテランの俺でも正直ビビッてる。まだ新兵のような宮ノ下だ、まがりなりにも2曹の階級を付けてる俺がサポートしてやらんと・・」湯本は思った。



広島県広島市宇品、陸軍船舶部隊。通称「暁部隊」ここは珍しい陸軍の船舶部隊であり、大小の発動艇(上陸用舟艇)等を装備している。その兵舎で2人の兵士がヒソヒソと話している。「決行は今夜だ、大発を1隻盗み、瀬戸内海の無人島「御門島」へ行く、戦局をみれば解るがもうじき戦争も終わる、ほとぼりが冷めるまで、そこで生活する。御門島は山菜や果実等が豊富だ、食って行くには問題ない」そう言ったのは暁部隊上等兵の園下だ。「園下上等兵、いや先輩、無事、御門島へ着けると良いですね。」園上は緊張しつつ作り笑顔で園下を見る。「ああ、まず第一の難関は大発を奪って、基地を出ることだ・・・・」園下は大発の係留されている桟橋の方向を見据えた。


                    第3状況に続く





第3状況に続きます

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