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第7話 『異世界3日目』 屋敷での初めての朝



『コンコン』


「どうぞー」


 ステュアート村に来て、次の日の朝。

 起きてベッドから出て、カーテンを開けて、窓から外の様子を見ていたイフリュート。

 部屋のドアを叩くノックの音がしてドアの方に振り向いて返事をした。


「おはようございます。紅茶のご用意ができております」

 

 今日も昨日と変わらずきちっとした佇まいでセバスが部屋に入ってきた。


「おはようございます。紅茶の準備、ありがとうございます。それにしても、のどかでいい村ですね」


 小鳥の心地よいさえずりでイフリュートは目を覚ました。

 

「それはよろしゅうございました」


「にわとりとかはいないのですか?」


「にわとりですか?にわとりでしたら、村のはずれにて飼っております。領主宅から1番離れた場所です」


 にわとりの朝の『コケコッコー』という声からの配慮であろう。

 にわとり、たまに深夜02時に鳴いていたりしていた。

 元気だなっと思って別に『うるさいなー』とかは思わなかったけど、人によってはうっとうしかったりするだろう。

 せっかく、寝ている赤ちゃんが起きたりすることもありそうだし。

 静まり返った夜なら特にね。

 とイフリュートは思った。




【朝のメニュー】


 焼き立てのパンにチーズとエッグそしてベーコンを乗せたもの。

 レタスとトマトのサラダ。

 塩味のスープ

 

 イフリュートは、サラダのドレッシングに、マヨネーズを提案した。

 この村で卵が取れるなら、衛生面的にも問題ないだろうと考えての発言である。

 混ぜる機械がないため、混ぜ混ぜが大変だと思った様子だったが、風魔法を得意とするメイドのセニアによって簡単に作られた。


 風魔法使いならだれでもできるのかイフリュートは聞いてみたところ、風の力の調整をしながらのため、風魔法をメインとしていないものでないと、飛び散ってしまうと言われた。


『貴族の食事なのに質素じゃない?』と、イフリュートと一緒に朝食をとっていたラピィが言った。 

 贅沢するつもりはないからというイフリュートの発言に、感心していた。

 ラピィは、ランプの妖精で、この異世界でイフリュートに力を与えた存在。

 セバスがいる前で、朝に昨日のお礼を伝えるためにランプを撫でていたら、白いモクモクを出して現れた。

 ラピィは、セバスにイフリュートの使い魔であることを告げた。

 ラピィが使い魔だと名乗った。

 人型の使い魔はかなり珍しいみたいだ。

 イフリュートは自分が、貴族になった経緯を伝え、森の中で生きていて常識に疎いことを説明し、人型の使い魔について詳しいことを聞いた。


 ゲームなんかに出てくる魔族と言う存在はいなくて魔族と人間との争いなどはないようだ。

 使い魔は、ご主人様の指示で、ご主人様の近くに顕現できる。

 使い魔は、出てきたくないときは顕現しないなど自由に生きているみたいだ。

 使い魔の世界とやらから、使い魔はくるらしい。

 ラピィ曰く魔人界に住んでいるモンスターが使い魔として召喚されるみたいだ。



 因みに、昨日のうちにセバスに食事についてイフリュートは伝えておいた。

『セバスさんたちが普段食べている物と遜色なくて良いですよ。もしも貴族としての威厳が必要であればそこらへんはセバスさんの手腕に任せます』と。

 基本的に、イフリュートの食べ物のほうが、他の使用人の方よりも大きかった。



 朝食後、イフリュートは屋敷を見て回った。

 まぁ、見て回ったと言っても、使用人の部屋にはプライベート空間ということで入らない。

 そのため、客間という名の来賓室と、今は使われていない物置小屋を見て回った。

 セバスの曽祖父が、珍しいものを集めるのが好きだったらしい。

 セバス曰くガラクタみたいだ。

 『処分しますか?』とイフリュートは聞かれたため、そのままでいいと伝えた。

 物には、気持ち(思念)が備わるとイフリュートは考えているようだ。

 セバスの曽祖父がせっかく集めた物だ、処分なんてできない。とイフリュートはセバスに言った。



 屋敷の中を見て回った後は、領内を歩き領民である村人に声を掛けた。

 イフリュートの村人への態度とハンカチというプレゼントにより、打ち解けたと思う。


 因みにラピィはイフリュートの部屋でお昼寝中。

 魔人族の力は完全に戻っていないみたい。

 今日の朝、現れてくれたのは、純粋にこの異世界に来るだけの力は元に戻ったからだと言う。

 時間が経過すれば魔人の力は、元に戻るみたいだ。

 

 


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