第4話 魔法使い=準貴族?
「ふぅー。改めて、感謝申し上げます。イフリュートさん、ありがとうございました」
現在、イフリュートは王宮の謁見の間にいる。
イフリュートが助けた馬車は、なんと王家の馬車だった。
ペガサスの描かれていた高貴な者が乗りそうな馬車だった。
イフリュートは王家であると聞いた時は、それはそれは驚いた。
馬車の窓は、キレイな純白のレースのカーテンがされており、外から中は見えない感じだった。
解毒魔法『キュルー』を使い、馬車に乗っていたお姫様とその女性護衛騎士の4名を治した。
「いえ、こちらこそ馬車に乗せていただきありがとうございます」
イフリュートはお姫様たちを助けた後、馬車に乗せてもらいレイニー王国まできた。
「ふぅー。それで、イフリュートさんにお礼をお渡ししたいのですがご希望のものはありますか?」
お姫様は、すこし幼さから大人に近づいているような顔立ち、日本人と違い、きれいな高い鼻でイフリュートと同じスカイブルーの瞳。
イフリュートと同じ目線の身長ですらりとした体型であるが出るところは出ていて、おっぱいはラピィには劣るが比べても小さくはない。
むしろ大きい。巨乳と言うべきだろう。
髪の色は、水色で髪型はゆるふわな感じだ。
背もたれが大きく腕かけが大き目な高級感あふれるイスに座っているルーシィお姫様。
「学園に通いたいのですが、紹介状とかって書いてもらえますか?自分、貴族とかではないのですが……」
できたら、試験必要なしが良いな。この異世界の歴史とか知らない。
そもそも、文字が読めない。日本語とは違うみたいだし。
あー、僕、数学苦手だからそういう方面も試験科目じゃないのが好ましいなー。
とイフリュートは思った。
ラピィの書き置きの紙は、イフリュートの為に日本語で書いてくれていたのか?特別な髪だったのだろう、1回読むと『シュワ―』っと炭酸の泡のように消えた。
貴族ではないと学べないとか言われそうだからあらかじめ、平民である旨を伝えておくことにした揺すのイフリュート。
「えっ!?紹介状については了解いたしました。可能です。それで、イフリュートさんは貴族ではないと言うのは本当でしょうか?」
「はい、貴族ではないです」
日本では過去に華族制度とかあったみたいだけど今は廃止されている。
だから、平民という表現が正しいだろうと思ったイフリュートは貴族では無い旨を伝えた。
「準貴族とかではなく、平民なのですか?」
「はい、平民です」
「あっ、森の中で住んでいたと言っていましたね」
この異世界に来て1日弱森の中に住んでいた、イフリュートは嘘はついていない。
「はい」
「なら、貴族への申請について知らないのも無理はありませんね」
貴族への申請どういうことだろうか?とイフリュートはどういうこと??といった顔をした。
「魔法を使える者を準貴族として国が迎える制度です。今では、どの国でも取りいれている制度ですね。魔法を使えない者は平民です。魔法を使える者は、魔法を使えないものよりも圧倒的に少ないです。準貴族は一身専属の爵位と言えます。ほぼ100%の確率で、魔法使いの者と交わって生まれた者は魔法使いになれます。両親の得意とする魔法を子も得意とすることが多いですね。レイニー王国は、水魔法の使い手が多いです」
イフリュートが、どういうことだろう?という顔をしていたからだろう。
ルーシィー姫が言葉を発した。
「あの、爵位の説明をしてもらってもよろしいですか?」
「それは、わたしが説明しよう」
ルーシィー姫の隣に立っていた女性騎士のアリシアが説明をするようだ。
アリシアは、紅色の髪色で髪型はストレートロング。
瞳の色は茶色で、きりっとした顔立ちをしている。
胸は多少のふくらみしかないようだ。
身長はイフリュートよりも5cmほど高そうだ。
アリシアが説明してくれた内容をまとめると。
【爵位】
貴族は爵位を持っている
爵位を持っていない者を平民と言う。
大きく分けると平民と貴族(王族)
貴族爵位は上から順に、王爵、大公爵、公爵、侯爵、伯爵、子爵、男爵(女性の場合は女爵)
準貴族爵位として、準男爵(女性の場合は準女爵)、そしてそれと同列で騎士爵(魔法を使えない者でも国に貢献した者がなれる準爵位)
戦での勝利など、比較的大きな功績を残した者が爵位を受けることができる。
基本的に爵位は、王家が授けるが公爵以上の者は、子爵位以下の爵位を独断で授けることが可能。
しかし、その際は後日、王家に理由と提示と共に、許可を経なければならない。
名誉貴族いわゆる名誉爵位として挙げられるのが男性の場合の準男爵・女性の場合の準女爵。
普通の爵位は、世襲で次ぐことが多い。
男女問わず子孫が継承権を持つ。
貴族はメイドや執事を雇っている。
裕福な平民であれば、執事やメイドを雇うことが可能な為、執事やメイドがいるから、あの人は貴族であると判断するのは軽率。
貴族の収入源は、領地の税金や、貴族所有の畑でとれる作物や、事業での収入。
ルーシィー姫16歳のその姫付きの女性騎士としてのアリシア18歳は、若いながらも国に貢献して騎士爵を得ているようだ。
魔法が使えない為、平民上がりということになる。
「それでは、イフリュートさん。またお会いできるのを楽しみにしていますね」
少なくはないらしいお金と子爵としての証明書をもらったイフリュートは王城を出た。
城の玄関までルーシィー姫が送ってくれた。
本来、イフリュートは準男爵になる予定だったが、2階級UPの子爵家当主として爵位を受け賜わった。
ルーシィー姫を助けたことと、準爵位のアリシアたちを助けたというのがその理由。
子爵家当主として領地ももらえることになった。
その領地については、イフリュートが通うことになるフリューミア学園から馬車で1時間の距離にある場所。
イフリュートが、領地経営をしたことがないだろうということで、もともとアスリア子爵の治める領地を分割して小さめの領地を管理することになった。
アスリア子爵には代わりに、もっとお金になる領地を代わりに与えることにしたようだ。
ルーシィー姫が護衛を少なくして、王城から出ていた理由は行き先が遠くない距離であったこと。
そして、財務大臣をしていた者に節約をと言われて、護衛を減らしていたため。
強いモンスター(この世界に野生のモンスターはほとんどいない)は出なかったが、一緒に護衛をしていた、財務大臣の息のかかった男性騎士によっていのちを狙われたお姫様。
騎士は準貴族である為、後ろ盾がない者が多い。純粋貴族たちはコマのように扱いやすい。
男性騎士がうっかり、財務大臣の名前を言ったことで発覚した。
財務大臣を陥れるために、男性騎士が口を滑らした振りを考慮したが、財務大臣の部屋の中を家宅捜索をしたところ、ルーシィー姫暗殺を匂わせる紙を発見。
財務大臣の家宅捜索をするにあたり、アスリア子爵が言葉巧みにうまく立ち回ったみたいで、アスリア子爵は爵位が1つ上がり伯爵になったみたいだ。
娘が、フリューミア学園にいるようで、娘によろしくとイフリュートは言われた。
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