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第1話 『異世界1日目』 ランプの妖精との出会い



 さわやかで、ほど良いあたたかさの春の風。

 中学校に咲いている桜並木に咲く桜が風に流され舞っている。


 それが、イフリュートが日本で最後に覚えている景色である。


 

「えっと、ここはどこ?僕は、新名にいなイフリュート。14歳中学2年生、身長は160cm、ハーフではなくクォーターで、髪の色は金髪をすこし薄くしたバニラ色に近い感じ、瞳の色はスカイブルー。両親と妹と弟の5人家族」



 ちゃんと覚えている。


 イフリュートは、いつの間にか、森の中の小部屋にいた。

 小部屋のベッドの上で目が覚め、とりあえず、自分が自分であることの確認を自身で行い、その後、玄関まで歩き扉を開け外をみた。

 左に少し進むと川と滝があり、右は木、あふれんばかりの木。

 

 ひとまず、川や滝、しげる木を確認した後、目が覚めた小部屋に戻った。

 滝は、マイナスイオンとでもいうのだろうか?気持ちがよくなる感じがした。

 心が温まるような感覚だった。


 


 小部屋のある木でできた小さめの家は、落ち着きのある茶色の壁、窓にかかった白色のカーテン、木でできたテーブルにイス、クローゼット等のアンティーク調の家具。

 テーブルクロスの引かれたテーブルの上には、ポツンとランプが置いてある。


 

「ほこりが被っているみたいだし、キレイに拭いておこうかな」


 イフリュートは、左ポケットから、ハンカチを取り出した。

 マイペースなイフリュートは、自身の置かれた奇妙な状態に奇声を上げたりといった、特別慌てふためく対応をするわけでもないようだ。


『きゅっきゅっきゅ』


 ハンカチでやさしく、汚れを取っていく。


「おー、光沢のあるランプだったんだね」


 磨いていくたびにきれいな金色の姿が顔を出していく。


 もしかして、ゴールド?まさかね?とイフリュートは思った。


『もくもくもく』


「えっ!?」


 ランプから、白色のモクモクが出てきた。


 イフリュートの顔に煙がまとわりつく。


「くっ、くるしい……くるしくない?」


「んっ?なんだろう?」


 白色の煙から、人の形が徐々に姿を現していく。

 ピンク色の短いスカートを身に着け、白色のマントを着た女の子。

 両手首に高価そうな金色のブレスレットをつけている。


 イフリュートと同い年、もしくは2つくらい上か下くらいの年齢の薄いピンク色の髪の女の子。

 瞳の色はオレンジ色。

 身長は145cmくらい。


 僕の1つ下の妹は、春の身体測定で2cm伸びた150cmだと言っていたから、

 それよりも小さい様子の女の子は150cmはないだろうとイフリュートは思った。

 

 女の子は、女性と例えるよりも女の子というほうがしっくりくる幼さの残る顔立ち。

 しかし、胸はかなり大きいみたいだ。


 白色のブラウスが胸の大きさを強調している。

 自己主張の強いおっぱいみたいだ。

 暴れる乳というべきだろうか。 


「ラピィ・ジンニティア、あなたの道しるべに明かりを灯すためにきたわよ」



「えっと、こんにちは。新名にいなイフリュートです」



「あなたがわたしの初めてのご主人様ね。よろしく」


 ご主人様?


「あの……すみません。よく分からないのですが」


 急な自己紹介に対して、返答したが、意味が分かっていない様子のイフリュート。


「あなた、ランプを3回こすったでしょ?それで、わたしがでてきたの。そして、あなたの進む未来が良くなるように願いを叶えるのがわたしの使命」


 少し高圧的な女の子。ラピィは右手を腰に当てて説明をしてくれた。


 白色のモクモクから現れた女の子。

 何かの演出かなと一瞬思ったけど、女の子ラピィが宙に浮いているのを見るに、映画の撮影などの演出ではなさそうだとイフリュートは思った。


「えっと、ラピィちゃんはどのような存在なのでしょうか?」


 イフリュートは宙に浮かぶ女の子ラピィを見上げながら質問する。

 ミニスカートなのに、見えそうで見えない。

 白いモクモクが邪魔をする。

 しろもく、良い仕事をなさる。

 イフリュートは、少しモンモンとした。



「ラピィちゃん……まぁいいわ。ラピィちゃんで。わたしは、ランプの妖精よ。魔人界に住んでいるわ」


「まじんかい。まじかい?なんちゃって」


 イフリュートは少しふざけてみた。


「バカにしてるの?」


 ラピィはそういうと、右手にポッと丸い火の玉を顕現させた。

 周囲の温度が上がった気がした。


「ごめんなさい。バカにしてないです。ラピィちゃんは妖精ってこと?」


 自分の効き間違いではないか?とイフリュートは再度聞いた。


「バカにしていないならいいわ。発言には気を付けるのね。わたしは、妖精よ」


「妖精なんだね。確かにかわいいし、ぴったりな表現だね」


「かっ、かわいい?ふん、褒めても、何も出ないわよ?願いごとを叶えることはするけどね」


 両頬に両手を持ってきて、嬉しそうにもじもじするラピィ。

 高圧的で苦手なタイプかと思ったけど、良い子そうだとイフリュートは思った。

 願いごとを叶えることはするけどね、とのお言葉。その言葉が今の現状で一番大事だ。

 

「えっと、僕がご主人様で、ラピィちゃんはランプの妖精だね、これからよろしくね」


 ラピィに握手を求める。


新名にいなイフリュート様に、永遠永久に愛し仕えることを誓います」


 地面に片膝をつき、イフリュートの手を優しく自身の方に持ってきてキスをするラピィ。


「ありがとう、よろしくね」


 あたたかなな優しい白色の光が2人を包んだ。


お読みいただきありがとございます。

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