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転生王子は何をする?  作者: 血迷ったトモ
第2章 学園編
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第61話 意外な再会

実に数十話ぶりの方が登場します。

「そういえば、ローゼマリーさんを見ないね。」


「あ〜、確かに。マリーならもう試験は終わらせちゃったんじゃない?」


事実、現在自身の屋敷で優雅に紅茶を楽しんでいるのだが、そんな事は知らない2人は辺りをキョロキョロと見回す。勿論発見には至らなかった。


「まぁ、それよりも次はもっと(・・・)てを抜いてくれよ?」


「僕が手加減しているという事が分かっている時点で、トリスの実力も大概だからね?」


「ほっとけ。」


他愛のない話をしつつ、魔法の実技試験場所に向かう。

魔法実技では正確さと威力を測定するために、的を狙うものと目標物を破壊するものがある。この2種を行って合計点が加算されるという仕組みだった。


「おや?君達で最後かな?」


魔法実技の試験官には、この明らかに『魔法使い』といった格好の女性が任じられているようだ。


「分からないですけど、多分そうだと思います。あ、でも武術の実技試験やっている人もまだ居るので、そちらから来るかもしれません。」


代表してトリスが答える。


「分かりました、ありがとうございます。あ、私は試験官のマルティナ・アルムガルトです。」


「あれ?アルムガルト?どっかで聞いたような…。」


トリスは額に手を当てて記憶を掘り起こそうと努力する。すると視界の端に設置していた地図に、自分の近くにマーカーが付いている人物が2人存在している事に気がついた。


-1人はホルスだし、もう1人は…マルティナさん?何故俺はマーカーを付けたんだ?…あ!俺が最初に街に出た時に男達に襲われていた、あのマルティナさんか!-


何とか記憶を掘り起こし、マルティナの事を完全に思い出す。


「ん?トリス知り合い?この方は、アルムガルト侯爵家のマルティナ様だよ?」


ホルスから要らない情報が提示され、トリスは慌てて全力で否定しようとするが、慌てすぎて棒読みとなってしまう。


「あー、いや、勘違いだったよー。うん。」


「え?トリス君?」


トリスの名前に反応し、マルティナが声を上げてしまう。

トリスは内心冷や汗ダラダラである。あの時は子供姿且つローブであったため、気付かれる心配は無いだろうが、幼い頃から異常な身体能力と魔法を使えたと知られるのは今後の学園生活で拙いのだ。


「私の他にトリスという名前の方がいらっしゃるのですか?いや、まぁトリスなんて名前はありふれているでしょうけど。」


「う〜ん、偽名かもしれないんだけどトリスって名乗ってたよ?昔王都で男達に襲われていたところを助けてもらったんだ〜。あ〜、格好良かったな〜。」


顔を紅潮させてクネクネとしているマルティナ。


「へ〜、そうだったんですか。確かにトリスは王都近く出身ですが、王都に住んでいる訳ではなかったはずですよ?」


「お、おう。そうですよ。」


ホルスの助け舟にここぞとばかりに飛び乗るトリス。


-よく覚えてるな!いや、普通危ないところを助けてもらえば覚えてるか!-


「そ、それよりも試験を始めましょう!」


表情に出ないように必死に取り繕い、試験を始めるように促すと、マルティナはクネクネを止めて真剣な顔つきになった。


「あ、そうでしたね。じゃあ試験番号を教えてください。」


試験番号の書かれた紙を提示し、採点表に書き終わってからマルティナの指示が出る。


「じゃあまずは魔法を的に当ててください。」


「2人とも一度にやっていいんですか?」


トリスがマルティナに質問すると、マルティナからは首肯が返ってきたので2人で的に向かう。

10メートル先に幾つかあるので、隣合って配置につく。


「よし、じゃあ」


「やりますか!」


トリスの『やりますか!』で両者共に魔力を高め、同時にキーワードを口にする。


「「『火の矢(ファイヤ・アロー)』!」」


矢を象った火は、2人して超高速で飛び的の中心を綺麗にくり抜いて貫通した。どうやら威力が高すぎて的の強度がもたなかったようだ。


「え…。す、凄いですね。的を壊す人なんて、滅多に居ないんですが。」


「「あはは…。」」


ちょっと引いた様子のマルティナに、苦笑いをする2人だった。


「じゃ、じゃあ次は威力測定です。壊せなくてもいい…いえ、こちらに被害の無いようにお願いします。」


笑顔で説明しようとしたマルティナだったが、途中で怯えた表情になって懇願してくる。

その様子にトリスは『心外だ』とくってかかる。


「ちょっ!今俺達のこと危険人物認定しませんでした!?そして普通の人にする説明を途中で止めましたよね!?」


「トリス、エキサイトし過ぎだよ。」


「す、すみません。お2人なら私の常識の斜め上を行くと思って、つい…。」


シュンとなってマルティナが謝ってくるのを見て、どうでもよくなったトリスは、溜息をついて謝罪を受け入れるのだった。

はい、マルティナさんでした。誰それ?という方は第16話辺りをお読みください。今後彼女はホルスの恋人候補にする予定は無いです。もう既に子供時代トリスに心を奪われてますので。因みに3女という事も相俟って行き遅れてます。

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