第13話 |潜入任務(スニーキングミッション)開始!
何とか毎日投稿を継続出来ました…。
トリスは、アリアーヌに頼み込んでから9日間しばきにしばかれる、という事もなく軽く目的達成のための手段を体得してしまい、逆にアリアーヌに教えを請われたほどである。
そんなトリスは、とうとうパーティー会場に潜入しようとしている。
「さて、先ずは『気配隠蔽』!からの『消臭』!これで完璧かな?師匠からは、絶対に悪用するなと念押しされたけど…。」
それもそのはずであり、先ずトリスが最初に使ったのは闇属性の中級魔法である。一般的には暗殺者などが好んで使い、本来は短時間自身の気配と魔力を隠す効果があるが、気を付けていればすぐに見破ることが出来る。しかしトリスが使えば効果は解かない限り数日は消えず、尚且つどんな生物であろうと魔力と気配の探知は不可能である。
次に使ったのは無属性の初級魔法である。これは『気配隠蔽』の弱点である、体臭を弱める効果がある。勿論トリス効果により幾分か強化されており、嗅覚に優れた狼や犬系の獣人であろうとも一切気が付くことは無いであろう。
「あ!そうだ。これも使わないと。」
そう言いながら時空属性の上級魔法の『収納』の効果で魔法で作り出した異空間にしまっていた、アリアーヌから貰った魔力隠蔽の指輪を右手に着ける。これは、指輪の使用者の魔力と魔法使用の際の魔力を隠す効果がある。
「よし、それじゃあ行くか!」
完全に他者から感知されなくなったトリスは、非常に浮かれた様子でパーティーの行われている王城の大広間へと向かうのだった。
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パーティー会場に着いたは良いが、扉が閉まっており、その前には番兵が立っていたため、どうするかと思ったトリスだが、丁度招待客の貴族と思しき太ったオッサンが従者を4人も引き連れてやって来たので、それに乗じて中に入ることに成功した。
中は豪華絢爛という言葉しか言い表す言葉が見つからない程豪奢であり、テーブルに乗っている料理は見るだけで食欲が刺激される物ばかりであった。前世を含め、初めて見るそんな光景にトリスは感動しつつもバレないように軽く料理を摘みながら会場内を移動する。勿論常時鑑定眼を使用しながらだ。
本来鑑定眼は、あまりの情報量に人が大勢居る場所では処理しきれず、酷い頭痛が起こるのだが、トリスの『魔眼を統べる者』のスキル効果により、レベル10で使えるため情報の取捨選択が出来るようになっているのだ。そのためトリスは名前とスキル、そして称号のみが見えるようにしている。
-とはいえ、ちょっと人の量が多すぎるかな?こっちの世界に来てから『人がまるで〇ミのようだ〜』と叫びたくなったのは、これが初めてだな〜。-
心の中でグチグチと文句を言いつつも、目的の人物を探し続ける。すると目的の人物では無いが、トリスの夢を叶えるための近道とも言える少年を発見した。
-こ、これは!この子は凄い人材だ!-
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名前:ホルスト・ラ・レンバッハ
種族:人間族
年齢:5歳
Lv:4
スキル:剣術Lv:2 槍術Lv:1 拳闘術Lv:2 火魔法Lv:3
雷魔法Lv:2 光魔法Lv:4 無魔法Lv:1
称号:侯爵家次期当主 【勇者】 天然ジゴロ 鈍感
怪盗(女性限定) 【ハーレム製造機(予定)】
精霊に愛されし者 《神に目をつけられた者》
※【】内は条件を満たさない限り、市民証や通常の鑑定眼では見えないようになってるよ!《》内はトリス君のためには付けたものだから、君にしか見えないようにしてあるよ。勿論この注釈も君専用だ!感謝したまえ!
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-久々にあいつの注釈見てちょっとイラつくけど、これだけは言っとく!グッジョブだ!-
思わぬ人材を発見したトリスは最高潮に興奮しているようだ。今にも踊り出しそうな雰囲気で少年をじっと見つめる。
-よし、この子にはメニューの地図でマーカー付けとこう。クックック…。逃がしはしないぞ〜。-
この瞬間、ホルスト少年の運命は決まってしまったのかもしれない。何せ生物最強の創造神の加護を持った男に目をつけられたのだ。
この時ホルスト少年は、謎の悪寒に襲われたそうな。
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