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転生王子は何をする?  作者: 血迷ったトモ
第2章 学園編
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第145話 またやらかしました

更新遅れてすみません!この頃、目眩とか酷かったんですが(主に寝不足が原因)、どうにか持ち直してきたので、ちょっとずつ書いてきます。

あれから色々と話した後、ホルスには色々と理由をつけて帰ってもらったトリスは、|表情を引き攣らせながらも(・・・・・・・・・・・・)、グレゴールと向き合って話し始める。


「はぁ〜。今日は助かったよ。」


相も変わらず不遜な態度のトリスだが、実際に親子レベルの長い付き合いなので、気を遣う方がよっぽど失礼なのだ。


「いえ、問題無いです。美味しい話も聞かせていただきましたし、実際に私の家族と言っても差し支えない位には、付き合いもある訳ですし。」


「まぁ、確かに。俺の小さい時から世話になってるからな〜。」


「えぇ、そうね。あんなに小さかった子が、今じゃこんなに大きくなって…。」


ラウラが、トリスを|背後から抱きしめながら(・・・・・・・・・・・)言う。


「ラウラさん、この歳にもなってこの体勢、めっちゃ恥ずいんですけど?」


ちょっと頬を赤く染めるトリスは、後ろに居るラウラに対して、遠回しに抗議する。

何を隠そう現在トリスは、ラウラの膝の上に座り、後ろから抱き締められている状況なのだ。


「え?止めなくちゃなの?トリスちゃん、私の事嫌いになったの?」


「うぐ…。」


潤んだ目で見つめられ、たじろいでしまうトリスは、随分と彼女に毒されているようであった。


「い、いや、問題無いよ。」


「問題…無い?」


「いえ、とっても嬉しいです!あはは…。」


トリスは窶れた顔で、ラウラに全体重を預けるように寄りかかる。『もうどうにでもなれ』という、彼の諦めが見て取れる光景だ。

母は強しとは、この事かと思うトリスであった。


「しかしまぁ、トリスから『育ての親のフリをしてくれ!』と頼まれた時は、何事かと思いましたよ。」


「いや、悪かったと思ってるよ。結構リスキーな事言ってるし。」


『あの』レンバッハ家の時期当主に対し、誰が喜んで他人の身分を偽るものかという事は、重々承知の上でトリスは依頼したのだ。それは一重に、お互いが信用し合ってるからこそ出来る頼みであった。


「まぁでも俺が、トリスタン・ラ・トゥールってのは、暫くは知られたくないんだよな。今はまだ(・・・・)そんな時期じゃない。もっと相応しい時があるって、俺の勘が言ってる。」


「勘、ですか。」


「うん、勘。この第3王子って肩書きは、伏せておく事で、何時かジョーカー的な切り札になるってね。」


「なるほど。確かにそうかも知れませんね。…しかし、宜しいので?」


「え?」


しみじみとトリスの言い分に納得していたグレゴールが、唐突にニヤニヤとしだした。

その変化に着いていけずにいると、ラウラからの抱擁が弱くなってきたのを感じるトリス。

その事を不思議に思い、後ろと両隣に座る三兄妹を見やると、唖然とした表情で固まっていた。


「と、トリスちゃんが…」


「「と、トリス兄様が…」」


「と、トリス兄さんが, …」


「「「「第3王子〜!?」」」」


そして唐突に叫び出す4人。


「え、あれ?言ってなかったっけ?」


『まさか』と思い、顔を引き攣らせながら、トリスは問う。

すると4人は、ウンウンと、全力で頷いてみせる。


「えっと、まぁ、そういう訳だけど、これからも、よろしく。ラウラさん、ルー、ベル、ベア。俺はこれからも、皆とは仲良くしたいと思ってるから。」


トリスのミスにより、また更に正体を知る者が増えてしまったが、本人としては良い機会だったのか、今まで通りの口調で話しかける。


「「「「トリスちゃん ((兄様)) (兄さん)…。」」」」


「さ、さて、それじゃあそろそろお暇するわ。ホルスがボッチで寂しがるからな。」


湿っぽい空気になってしまい、何とも居た堪れなくなったトリスは、ラウラから離れて、帰り支度を始める。


「えぇ〜、もう帰っちゃう〜?」


「いや、ラウラさんが1番子供かよ。…夏休み中、友達と一緒に顔出すから、そんな顔をしないでよ。」


「むぅ〜、分かったわ。ただし最後に!」


「ん?」


ぶぅぶぅ文句を垂れていたラウラが急に大きな声を出したため、トリスは少し目を見開く。

トリスが驚いていると、ラウラの口から、とんでも発言が飛び出す。


「私に、トリスちゃんの彼女さんを紹介して!」


「え!?」


ーな、何でラウラさんは、俺に彼女が出来た事を!?ー


心の中では叫ぶが、声にはならない。


「「「「え?」」」」


一方、三兄妹と空気になりかけていたグレゴールも驚いたようだ。こちらは、『え?居るの?』といったものだろう。


「な、な、なん…。」


「何でって?」


驚きすぎて口が回らないトリスの代わりに、彼の言いたいことをラウラが代弁する。

ここは素直に頷くトリスに、ラウラはニンマリと良い笑顔を浮かべて、その答えを言う。


「それはね…母親の勘よ!」


「えぇ…。」


こうしてあっさりと、マルティナの存在がバレたトリスは、グレゴールとルーからは『おめでとう』と祝福され、双子からは相手についての詳しい情報を教えてくれと追及され、ラウラには今度連れてくる事を確約させられてしまうのだった。

漸くトリスが解放された頃には、彼はすっかり窶れて疲れきった表情であった。

次回の『転生王子は何をする?』は…何にしましょう。どれを持ってこようか、ちょっと悩み中です。Twitterで要望のあった、例のアレを書きますか…。

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