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転生王子は何をする?  作者: 血迷ったトモ
第2章 学園編
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第143話 御両親に挨拶を…?(3)

ギリギリのギリでしたが、3日連続で投稿完了です。しかし世の中には、4年間毎日投稿のYouTuberさんとか、毎日2本投稿で260日間連続を達成する人とかいらっしゃるので、まだまだ自分は未熟であると思い知らされるばかりでございます。

「さてさて、話が落ち着いたところで、ゆっくりと茶でも飲もうか。」


そう言ってトリスは、自らで用意した紅茶に口をつける。


「そうだね。」


「うん、頂こう。」


それに倣い、2人も紅茶を飲み始める。だが、それを見るトリスの視線が実怪しい。


「「…ッ!?」」


2人は、お茶を口に含んだ瞬間、途端に青ざめた表情になり、涙目になって、口元を抑え始めた。


「プッ!2人揃って引っかかったな!」


「「〜〜!!」」


「何言ってるか分かんないよ〜。わははは!」


トリスが紅茶と偽って2人に出したのは、なんとセンブリ茶である。つい最近になって、エコール近郊で、センブリの群生地を発見したので、試しに煎じて飲んでみたところ、異世界でも相変わらずの威力を発揮したので、こうしてお披露目をしたのだ。


「と、トリス!一体何を飲ませたの!?」


「こ、この不味さ!まさか、毒ですか!?」


トリスに、飲み込むように手振りで示された2人は、何とか口の中を空にするが、それでも尚舌に残る味に、四苦八苦しているようだ。


「いやいや。毒なんか盛るわけ無いじゃん。それに本気でやるなら、味がしない、遅効性の致死毒を盛るし。」


「「あ〜…。」」


トリスの言葉に、完全に納得した様子である。


「でだ。これ、結構良い商売になりそうだぞ?」


「何ですって!?不味さでいえば、人生の中でもピカイチのこれがですか!?」


「え…。」


トリスが商売の事を持ち出した瞬間、先程までホルスと仲良く悶えていたグレゴールは、目を輝かせてトリスの話に食いつく。

その変貌ぶりに、ホルスは苦味も忘れて驚いてしまう。


「おう。これはセンブリ茶っていう名前のお茶で、センブリっていう植物を乾燥させて、熱湯に浸して出来上がり。効能としては、胃腸の調子を整える、育毛、ダイエット、美肌、etc…、って感じ。」


「実証は?」


「俺がこの間渡した、生薬の解説本の中の、センブリのページと、付近に住んでいた村民それ自体が証拠になってる。その村では、小さい頃から習慣で飲むらしくて、非常に健康的な者ばかりだったな。ほい、これがその村の位置。」


「ありがとうございます。後日その村に、調査隊を派遣します。」


「えぇ…。」


トントン拍子で話が進んでいくのを目の当たりにしたホルスは、もはや言葉が無い。


「…ってな感じよ。俺の、変わった、驚かされるような、そんな考えを親父に提案して、親父の伝手と財力を利用して、儲けるって感じだな。」


先程、散々言われていたのを根に持っていたトリスは、ニヤリと意地悪く笑いながら、ポカンとしているホルスに解説する。どうやら彼は、自分の普段している事を、簡単に説明するために、態々、商売のタネを持ってきたようだ。


「…なるほど。最近のカレンベルク商会の謎のアイデアマンは、トリスだったって訳か。いや〜、納得したよ。」


「ま、まぁね。てか納得って…。」


異世界の知識をそのまま移植してる形なので、ホルスの屈託ない笑顔での賞賛に、若干の罪悪感を感じるトリス。

そんな中、いきなりドアがノックされる。


『グレゴール様。お客人がいらっしゃいました。お通ししても構わないでしょうか?』


外から扉越しに、アメリアの声が聞こえてくる。


「来客…ですか。」


「別に構わないから、通してやんなよ。」


「はい、大丈夫です。」


突然の報告に、グレゴールはチラッとトリスとホルスに視線を向けるも、遠慮は要らんと一蹴される。


「分かりました。アメリアさん、この部屋に通して下さい。」


『はい、畏まりました。』


アメリアに返事をすると、彼女はスタスタと足音をたてて、扉の前から離れていく。


「よし、じゃあ、席を変わっとくか。」


「だね。グレゴールさん側に、僕達が座るって事で良いですか?」


「えぇ、それでお願いします。まさか、立たせておく訳にもいきませんからね。」


思わぬ来客にも関わらず、特に慌てることもなく対応する3人。


ーしかし、こんな時間に客人?思い当たる者は…あ、なるほど。彼女達ですか。ー


客人が誰であるか検討がついたグレゴールは、トリスに対して哀れみを込めた口調で告げる。


「トリス、頑張って下さい。何があろうとも、私は貴方の味方ですからね。」


「え?急にどうしたん?客人に心当たりでもあんの?…おい、まさか、あの人達に、俺がここに来る事言ってないよな?」


「さ、さぁ?どうでしたっけ?ちょっと記憶に無いですねぇ。」


「あ?とぼけるのも『トリスちゃ〜ん!!!!!!』うげぇ…。」


グレゴールの口調から、誰が来るかを察したトリスは、顔を引き攣らせながらも、追求しようとするが、それは廊下から響く、女性の声によって完全に掻き消されてしまう。

その声を聞き、誰が来るのかを完全に理解したトリス。非常にゲンナリとした表情で溜息をついているが、その口角は少し上がっていた。

今回のお話は、『御両親に』挨拶をですので…。

次回、トリスの天敵登場です。まぁ、天敵は天敵でも、トリスに一切危害を加えないばかりか、寧ろ大切にしてくれてる人何ですけどね。

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