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転生王子は何をする?  作者: 血迷ったトモ
第2章 学園編
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第119話 呆気なく解決に進みますね…

何やらテンションがおかしかったのか、コント回になってしまいました…。下ネタ(?)注意ですね。

「だ、誰!?」


驚いて大声を出してしまったため、トートから誰何を受けてしまう。


「あは、あははは…。すみません。」


最初は笑って誤魔化そうとするが、ホルスからの視線がめちゃくちゃ痛かったので、観念して謝る。


「はぁ〜。もう、しょうがないな。ま、トートさんが完全に敵じゃないって判明したんだから、もう良いんじゃないかな?」


ホルスにも前科はあるため、あまり強く責めずに許したようだが、笑いながら言った後、『トートさんへのフォローは?』と視線でトリスに訴えかける。


「そ、そうっすね。じゃ、直接赴きますか!あ、トートさん!ちょっとお部屋にお邪魔しますね!」


そのため大声でトートに向かってそう叫んでから、隣の部屋を出て、トートの部屋にするりと2人して入り込む。

因みにフロレンティーナは、隣の部屋のソファに寝かせてある。


「え?え?ど、どちら様ですか?」


部屋に入ると、見るからに無害そうなゆるふわ系の女性、すなわちトートが目を白黒させていた。


「ちょっと色々とありましてね。フロレンティーナ様経由で貴女の事を知り、色々と調べた結果、貴女も色々と酷い目にあってたみたいなので助けに来ました。」


「え?フロレンティーナ様の状態を知っているのですか!?それに私が暗示する事を引き継いだ(・・・・・)事も!」


トートは非常に驚いた表情で、口を手で抑えて叫ぶ。


「引き継ぎ?まぁ、詳しい話は後にして、まずはこっちのホルスが解呪(ディスペル)を使いますから、じっとしてて下さい。」


「じゃあ、使いますね。『彼の者を解き放たん 解呪(ディスペル)』!」


トートの口からサラッと重要なキーワードが飛び出すが、話している内に強制(ギアス)が発動しても困るので、取り敢えず光属性上級魔法の解呪(ディスペル)をホルスに使ってもらう。

するとトートが神々しい光に包まれたかと思うと、次の瞬間にはドス黒い鎖がトートに巻き付くようにして現れ、そしてその鎖がポロポロと崩れ落ちていく。


「う、うそ…。光属性魔法のスキルレベルが、最低8は必要な筈なのに…。」


完全に鎖が消えると、トートは驚きのあまり呆然と呟いている。


「嘘じゃありませんよ。これで貴女は解き放たれた。狭い鳥籠からね。」


情報屋から教わっていた、最近のトートの趣味を絡め、ホルスはウィンクをしながら優しく語りかける。


-あ〜あ。こりゃ完全にやっちまったな。冗談で言ってみたものの、まさか本当に実行するとは。流石はホルスだな。-


情報屋でマスターとトリスで言っていたように、本当に敵である筈のトートを落としたホルスの手腕に、トリスは心の中で賞賛を送る。


「う…。」


トートは震えながら、顔を俯かせて何かを呟いた。


「う?」


「ホルス、抱き締めてやれ。それが正しい行動だろ?」


上手く聞き取れなかったホルスは聞き返すが、間髪入れずにトリスが助言をしてやる。


「え?何で?わ、分かったけどさ…。」


状況が分かっていないホルスであったが、取り敢えずトリスの言う通りにしようと腕を広げる。

と、その瞬間―


「うわぁぁぁん!!よ、ようやく解放出来るよ〜!!」


「ホワイ!?…ぐほぉ!?」


―何とトートが泣き出し、目の前に腕を広げていたホルスに向かって抱き着いてくる。

慌てて勢いを消そうと、叫びながら身を引こうとするが、消しきれずホルスの胸にトートの頭が強く打ち付けられ、ホルスから悲鳴に近い声が漏れる。


「よし、依然問題なし!」


「も、問題大ありだよ!」


トリスの他人事な発言に、ホルスは困り果てた顔で叫ぶ。


「なになに?泣いてる女の子を冷たく突き放すの?え〜、マジないわ〜。」


そんなホルスに、追い討ちをかけるようにトリスがニヤニヤしながら、軽蔑した表情を作って馬鹿にする。


「トリス〜!後でたっぷりと素手のタイマ…じゃなくて、訓練に付き合ってもらうからな〜!!」


そんなトリスに、ホルスは額に青筋を浮かべてお仕置きタイムについて宣言する。


「おぉ〜、怖いっすよ!そんな事よりも、今はホルス君の腕の中に居る子を、慰める方が先じゃない?」


トリスはニヤニヤとした顔を維持しながら、ド正論をぶちかます。


「ぐっ。確かにそうだけどさ…。僕だってトリスと同じように、女の子の扱いは慣れてないんだよぅ。」


するとホルスは、何時になく弱気な発言をする。


「はっ。」


「え!?思いっきり鼻で笑った!?」


本音を述べただけなのに、トリスに鼻で笑われたため、ホルスは目を見開いて驚く。


「ま、兎に角早く慰めてくれよな?でないと、フロレンティーナ様が自由になれないだろ?」


「う、うん。納得はしないけど、分かった。?トリス、どこに行くの?」


トリスの言う事は一応は正しいため、ホルスは頷く。するとトリスが部屋のドアに手をかけたため、ホルスは不思議に思って聞いてみる。


「ん?そんなの、勿論フロレンティーナ様をこっちに運んで来るためだろ?なんならわざと時間をかけて、トートさんと2人っきりの時間を増やしてやろうか?」


「何でさ!?」


「具体的には2時間ほど。」


「長いわ!!てか何で2時間!?」


「え?理由を言えって?やだなぁホルスさんは。そんな卑猥な事、女性の居るところで話せる訳ないじゃないですか〜。」


「卑猥な事!?僕に一体何をさせる気なの!?」


「え?卑猥な事?」 


事件も解決に近いという事もあり、気が楽になったため全力のコントをかますトリス。


「ふ、ふふふ…。」


ホルスの腕の中で、小さく笑い声が聞こえる。


「おやおや。そろそろ復活するかな?じゃ、ちょっと行ってくるわ。」


「なるべく早く戻ってきてね。」


新婚夫婦みたいな会話になったため、気恥しさを回避するために、トリスは全力でボケる。


「だが断る!隣の部屋の穴から覗いてるから、安心して本能の赴くままにやっちゃってください。」


「何をさ!?てか安心出来る要素皆無じゃん!」


そんな叫びを背後に、トリスは部屋を後にするのだった。

これから暑い日が続きそうですね。皆さんも、水分、電解質や糖分の補給等を忘れずに、お気をつけください。

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