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転生王子は何をする?  作者: 血迷ったトモ
第1章 幼年期
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第8話 トリス、手放す(意識を)

この二人の空間に第三者を入れようか入れまいが迷いましたが…。まぁ、読んでいただければすぐに分かります。

二人の間に静寂が流れる。魔導師団団長の執務室が、トリスの部屋と同じ様に絨毯が敷かれていて怪我は無かったのだが、兎に角二人は動かない。

その間、トリスは改めてアリアーヌの美しさに見蕩れていた。トリスは本による知識で、エルフは大変に長命であり、また20年ほどで大人に成長した後、数百年は見た目が変わらず、尚且つ美形が多いため、多くの種族から色んな意味で狙われることが多いと知っていた。しかしエルフを見るのは初めてで、且つ前世において女の子とほぼ関わり合いを持たずに過ごしてきたトリスはこういった美しさに慣れていない。

逆にアリアーヌは、最初は高々子供を押し倒してしまった程度で動揺する必要無いと考えたのだが、トリスは前世の記憶があり、精神年齢的には25歳程度であると思い出してしまった。そのため、『あれ?これってまずいんじゃ?』と思い始めてしまい、気恥ずかしさで思わず固まってしまっているのだ。

静寂が続く事十数秒後、執務室のドアが叩かれる。


『コンコン』


入って来たのは、トリスをこの部屋に案内してくれた騎士であった。


「失礼します。そろそろかと思い、トリスタン様をお迎えにあが…り、まし、た?」


あまりの驚愕に目を見開きながら言う。

入ってきてすぐには足下に居る二人には気づかなかったが、数秒後に気付いて語尾が疑問形になってしまったのだ。


「こ、これは違うのだ!事故だ!不幸な事故なんだ!」


アリアーヌは慌てて体を起こし、顔を真っ赤にしながら叫ぶが、それでは逆効果である。


「これは大変失礼しました、アリアーヌ様。しかし、百数十年生きていてなお結婚出来ないからといって、幼子に手を出すのは如何かと、私は思いますが…。」


と、騎士は哀れみとゴミを見る目が半々で混じった目線を向けながら言う。

アリアーヌはその言葉を全力で否定したいが、今は何を言っても逆効果であることは先程のやり取りで分かっているため、どうすれば良いのかと頭を掻き毟る。


「ど、どうすればいいのだ〜!?そうだ!トリス!私を弁護してくれないか?」


先程から全く言葉を発しないトリスに向けて言葉を放つ。


「…。」


「トリスタン様。無理をせず、アリアーヌ様に脅されている場合は後で私に言ってくださいね?」


「脅してなんかいない!本当に事故なんだ!」


「…。キュー…。」


「「え?」」


トリスはなんとアリアーヌのあまりの美しさに、女性に慣れていないのも相まって、顔を茹で蛸のように真っ赤にして目を回してしまったのだ。


「おい、トリス!大丈夫か!?」


「早くお部屋へとお運びしなければ!手伝って下さい!話はそれからです!」


ついさっきまで言い争っていたとは思えない程の連携プレーでトリスを運び出し、ベッドに寝かしてゆっくりと休ませてやることにしたのだった。

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