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無垢な彼女  作者: 神船一
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プロローグ

 とある、名門学校始まって以来の秀才と言われたとある青年。彼に宿る自然能力≪ネイチャーアビリティ≫は世にも珍しい…。

 大国、センディオーヌ。この種族は紀元前500年に世界一の広さを誇る大陸、≪セントカントリー≫を支配した種族である。その際に大きな力を発揮したものがある。それはーー。純血のセンディオーヌ人のみが持つ特殊能力だ。その名も≪自然能力ネイチャーアビリティ≫。どこからが、純潔かといえば、3代以上前からセンディオーヌ人の血が混ざっていることだ。

 その種類は様々で腕力の強い≪ストロンガー≫、パンを焼くのがうまい≪ベーカー≫、銃を用いた狩りのうまい≪スナイパー≫、漁で魚を見つけ網で引き上げるのがうまい≪フィッシャー≫、暗殺術にたけた≪アサシン≫。等々の、日常的なものから普通なら絶対に使わないようなものまで数は様々だ。

 才能はわかりやすく他人から確認できるようになっている。たとえば両腕をよく使う≪ベーカー≫なら、両腕に蛇が巻き付いたような黒い刺青のようなものが現れる。≪アサシン≫のように全身を使う必要のある才能なら、体中に刺青が現れる。そう、その才能が必要とする体の部位が広いのなら黒い刺青が現れ、狭い場合はそこがすべて真っ黒に染まる。黒い刺青や色は生後3週間ほどで確認されるようになる。その黒い部分を人は『アビリティブラック』と呼ぶ。

 だが、その≪ネイチャーアビリティ≫は詳しい内容がわからなければ活用しようがない。≪ネイチャーアビリティ≫自体がどこから来たのかわからない代物である。ある時からセンディオーヌ人に宿るようになっていたのだ。

なので、人類の技術だけでその能力を明かすことは不可能に近かった。だが、能力の内容を調べる具体的な方法とは、ある時人類の前に現れた。

 大陸の端のほうにある小さな村の村長。彼はある時から何かに憑りつかれたかのように、生後3週間ほどの赤ん坊が入る位の大きさをした棺型の何かを作り始めた。彼は、その制作が終わり、『生後間もない子羊を棺に入れよ。さすれば汝の求めるもの現れるだろう』

という文章を書き記し、こと切れたという。その遺体とともに棺を発見したのは、村長の家に仕える侍女だった、彼女はとても金に困っていたのでその棺を中央都市(≪セントラルタウン≫)で売れば金になると考え、行商人に託した。そこから、何人もの人の手を伝いとある一点に

たどり着いた。そこはたくさんの新生児を一時保管する施設。保護施設(≪ニューストレージ≫)だった。そこの管理を担当していた教授はその棺を手に入れた瞬間。いや、手が触れた瞬間から使命を感じたという。急いでその棺を買い。保護施設へと持ち帰った。だが、周りの何も知らない職員に見つかれば、得体のしれないものに預かった新生児を入れるのはどうか。と言われるのが目に見えていた教授は、職員が帰る夜を辛抱強くまったそうだ。教授は近くにいた『アビリティブラック』が最近浮かび上がった新生児を手に取った。待ちに待った瞬間。新生児を棺に入れると、すぐにインクを垂らしたかのように棺の蓋に文字が浮かび上がった。

 その文章とは、『≪スナイパー≫ 銃を用いた職に就かすべし。』それだけだった。教授は他のアビリティブラックが浮かんだばかりの別の新生児を入れた。そうすると、今度は『≪ベーカー≫小麦を扱う職に就かすべし。』

確かに、その二人のアビリティブラックは手の付近に現れていた。教授は、そこでその棺の使い方で理解した。そして、これこそ人類が今まで求めていたものだ。そう確信した。


 その後一度も壊れることもなく、今でも使われ続けている棺。だが、今では当時と違い名前がしっかりとつけられている。『ジャッジメント』と。これが、『ジャッジメント』が人類の前に現れた瞬間だった。これから始まる物語は、稀に生まれる≪自然能力≫を複数持って生まれた一人の人物の話だ。


最難関学校にし、年齢に応じたすべての教育施設がそろい、設備も他のどんな国のどんな学校よりも優れている世界最高の学校『国立セント・ビクトリア学院』。編入が認められておらず、一番最初7歳の時に入学試験に合格するしかなく、1年ごとに成績の悪い生徒を下から5人を退学にするという制度。そのため、初めは100人だったものが最終的に卒業するときには10人になっている。

そんな過酷な学校で最初から最後まで成績学年トップから変わったことがなく、学園始まって以来の天才と呼ばれた一人の青年。エドワード・ティオス。

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