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黒い竜と白い竜  作者: タカチ
第1章 
8/24

2月14日 夕方

2月14日 夕方


疲れた。只ひたすらに疲れた。

女との買い物は疲れる。という知識は持っていたが実際に経験したのは初めだった。

母親もハルカも買い物は即断即決の人種のようで、買い物に付き合わされてもあんまり疲れない。

(たまに意見を求められるのはしょうがないと割り切っている)


宣告どおりに買い物に行ったのだが、クロは久しぶりの買い物ということで大はしゃぎをしだした。

連れて行ったのが大型ショッピングモールだったのも不味かったかもしれないが……。


まず入り口あたりにある黄色い店に興味を持ったようで、きらきらした目で見つめている。

あの建物はどう見ても買い物に関係ないぞ!



「あれは何?」

「あー、宝くじ売り場」

「宝くじ?」



なにそれ?とでも言うように首をかしげている。見た目は大人頭脳は子供!クロ、アホぽいからやめるんだ。お兄さんに見つめられているぞ。お願いだからナンパとかされないで。



「お金を払ってくじを買うところ。当たるとお金が貰える」


「やりたい!」


即答だ。

すがるような眼で見ても、買えないんだなそれが。



「おー、お姉さん。僕未成年だから買えないのだよ」

「私が買うから!!」



クロに引きずられ、宝くじ売り場の前に連れ出されてしまった。



「いろいろあるけどどんなくじが良いの?」

「ジャンボ?スクラッチ?ってよくわからないけど、結果がすぐに出るやつがいい!」



はいはい、スクラッチですねわかります。おばさん、そんなに微笑ましそうな目で見ないでください。

きっと兄弟と間違えられているんだろうな。



「スクラッチください」

「はい、200円になります。この中から選んでください」



おばさんは10枚位を扇状に広げ、クロが取りやすいようにしてくれた。

クロは、今までの短い付き合いの中で一番真剣な顔をしながらくじを選んでいる。

10秒ほど見つめ選んだのは右から3番目のスクラッチだった。


お金をはらい端に移動する。



「貰ったけどどうやったら結果がわかるの?」



俺は財布から十円を取り出しクロに見せる。



「このお金で銀色に光っているところを削ると結果がわかるの。そうそう当たるもんじゃないみたいだけどね」



当たってしまった。

スクラッチの当たり金額は一般的な宝くじと比べると低価格だが、そのぶん当たりやすいとされている。だがそれでも10万円を超える配当はそうそうでない。



「ふふふ……見てこれ!ハートのマークが一列揃ったわ!」

「マジで!?ハートってことは10万円だ!クロやったぞ!!」



クロはニタニタ人の悪い笑顔を浮かべ、こんなの朝飯前とでもいうように胸を張っている。

俺は俺で小賢しい事を考え付く。

母親から買い物の予算を貰っていたが、これで使わなくても済む!

(浮いたお金でゲームが買える!)


クロも嬉しい、俺も嬉しい。良い事だー。



そのあとはクロの配当で服を買い、母のお金で俺とクロが出来そうなゲームを選んだ。クロは意外にもゲームに興味を持ち、自分好みのキャラを作れるアクションゲームに興味を持ったようだ。あと、結構余っているお金があったのでクロに財布も買わせることにした。


帰りはクロがリニアに乗ってみたいという要望から、歩いても帰れる距離をリニアに乗って帰路に着く。


因みにリニアとは磁気浮上式の電車みたいな乗り物で、長距離高速用リニアと在来線リニアがある。ある程度整備されている街だとリニアが当たり前になってきており、速度、乗り心地の良さ、また静かに運航出来ることから電車は一気に影をひそめる事となった。

しかし、人口の少ない街、急斜面の多い山間部などは採算、安全性の面からリニアは使用されていない。

ある種のオタに言わせるとリニアには面白みがない、電車にはロマンがある!などと言う返事が返ってきて、電車もまだまだ現役である。






あとあと聞いた話だがクロはある程度の運命に干渉することが出来、運命に大きな影響がなければ宝くじを当てることなど造作もない事らしい。

ただし、その都合のいい能力は自分と契約者のみにしか発動しないのであまり知られた能力ではないようだ。


みんなが知っていたら家の桜に参拝客が絶えない事になっていただろう。


そして、買い物で疲れ果てていた俺にさらなる悲劇が襲いかかる。


「ちょっと!」


ビクン!!

思わず肩が跳ね上がる。この声は、そして、この言葉の意味は……!


「ひー、ハイ!!」

「一昨日家にいるからいなさい。って言っておいたでしょ!?なんで出かけているのかな!」


怒れるハルカさん登場!やべー。クロのせいでこっちの予定すっかり忘れていた!

ハルカのポニーテールは、猫が尻尾を膨らませているのを彷彿とさせるものがあった。頬も興奮して若干赤くなっている。あまり怖くないが、これ以上怒らせるのも得策ではないので素直に謝る事にする。


「ごめんなさい!!」


これが俗に言うスライディング土下座である。



データ移し間違えました。

火曜日以降に若干の修正を入れるかもしれません。


ちなみに、本文には全然関係のない文章なので、このまま読んでも問題はありません。

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