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黒い竜と白い竜  作者: タカチ
第2章
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そうだプールへいこう



期末試験が終わると夏休みだ。



俺たち(俺、クロ、ハルカ、湯沢)は今、輝ける太陽のもと水を滴らせ惜しげもなく四肢をさらしている!!



特に破廉恥な意味はなくプールに居るだけだ。



湯沢とハルカは明日地元に帰省するということで、思いで作りをしようとハルカが急きょ企画し、プールに来ることになった。


クロが水着を持っていなかったので、ハルカとクロは昨日一緒に水着を買いに行ったようだ。どんな水着を買ったのか聞いたが、明日のお楽しみと言って逃げられてしまった。





「あちー」

「なんだ、やる気ねーな!せっかく女子が誘ってくれたというのに!!」



俺の横ではしゃいでいるのが言わずもがなな湯沢だ。こいつは本当にテンションが高い。



「水着なんて合法的に下着姿見ているもんじゃねーか。クロやハルカの水着姿が見れるんだぜ?他の男子に自慢できるじゃねーか」



「あいつらが黙っていたら俺も激しく同意しよう。とーくから眺めるくらいで俺は丁度いい」

「ああ……、確かに黙っていれば言うことなしだ……」


はしゃいだり落ち込んだり忙しい奴だな。




「ごめーん、待った?」

「更衣室が混雑していてな」


ハルカとクロがやってきた。

うう・・・・・・。悔しいでも胸元見ちゃう。

二人揃って慎ましやかに谷間を見せよってからに!けしからん、実にけしからん!!


ハルカは白地にオレンジ色の大柄な花がプリントされている水着で、ビキニタイプになっている。パンツ?はフリルが多めにあしらわれてセクシー系よりも可愛い系な水着となっていた。


案の定というかクロは黒色のビキニタイプのセクシー系な水着を着ていた。

ラインも際どく、長い腰巻?の様なもので下半身の大半は隠されていたが、ちらっと見える薄い肌色が目に!背骨に!脳に!悪影響を与えていた。


「クロちゃん似合っているでしょ。昨日3時間もいろんな店行って探したんだからね!」


3時間……。ついて来いって言われなくて良かった……。


「おー!!二人ともすげー似合ってる。俺感動して涙出そうだわ」


湯沢キモい。鼻の下を何とかしろ。の意味を込めて思いっきり肘鉄をくらわせてやった。


「いいと思うよ」


俺は見慣れない姿の二人を直視できず横を向きながらほめた。

我ながら照れ隠しが下手なのはわかった。きっとからかわれるであろうことも。


「ふふふ。ありがとう」



クロは少し頬を染めて微笑んでいるではないか。

ちょっと、こんな場面で素直になられるのは困ります。



時と場合を選んで!

ゆでダコのようになった俺は湯沢に蹴りを入れプールに叩き落とし、俺自身もプールに飛び込んだ。

そこから湯沢の反撃が入り水中プロレスもどきをすることになった。



これで赤みがとれてくれればいいんだけど。


因みにクロたちが来る前にシャワーと準備体操はしていたので心配ご無用だ。





「うへー……、高取のせいで耳に水が入ったじゃねーかよ」


水中プロレスは開始5分で終わり、俺と湯沢は女子二人を探すことになった。


「うるへー。さっさと探せー、俺はのどが渇いたんだ」



今日は女性二人がお弁当と飲み物を持参してくれているのだ!!

やったね神様仏様女神様!



広いから探すのも大変と思っていたが案外すぐに見つける事が出来た。

簡単な方法としては男がデレデレ鼻の下を伸ばしながら見つめている先に行けばよいのだ。



ほんと見ているだけなら害ないわ。


パラソルの下に居るクロとハルカに声をかけた。

「喉渇いたー、クロ飲み物くれー」


「ちょっと待って、今日焼け止め塗っているから」


(うわーお)

(ええ眺めですなー高取さん)

(ほんまですなー湯沢さん)



なるほど、これは鼻の下を伸ばしていたのもうなずける。

そこには、寝そべって背中をクロに向けたハルカと、白い液体を手やハルカの背仮に直接かけているクロがいたのだ。


ここは俺たちが他の男の視線から彼女らを守らないといけないな!!

俺と湯沢は女子たちを男どもの視線から守るべく、障害になるように座った。



「雄輝と湯沢かー二人で先にプールに入っちゃうとか酷くない?」

ハルカは少々ご立腹のようで、少々目つきが鋭くなっている。


「すまん、湯沢が我慢出来なくってな」

「そうそう、て俺のせいかよ!!」

「まあ、なんでもいいわ。はい、お茶」


日焼け止めを塗ったハルカとクロから俺たちはお茶を渡されて一息つくことが出来た。



4人である程度泳いだり、ボールで遊んだりしているとハルカとクロから誘わる。


「私たち一緒に乗って貰いたいものがあるんだけどいいよね?」

「雄輝ももちろん一緒に来てくれるよな?」

下から見上げるように見つめられ、甘えた声を二人揃ってかけてきやがのだ。



俺は疲れたから休むと言ったのだが、クロからの精神攻撃を受け行くとこになってしまう。あれは卑怯だ。




「そーれ!」

係のおねーさんが二人乗りの浮き輪を押してくれ、俺たちは水しぶきをあげて下に突き落とされるように滑りだした。


プールと言ったらウォータースライダーだろう!


本来ならきっと楽しいはずなのに俺と湯沢の空気は重い。


「普通男女ペアだよな……」

「言うな、悲しくなるぞ」


そう、悲しい事に俺たちは男同士で乗っている。


「てっきりハルカかクロと乗れると思っていたのに!!」

「あいつらの誘いに乗ったのが馬鹿だったぜ……」


カップルではないので当然と言えば当然だったのだがこのダメージは大きい。


「おい、もうちょっと前に行ってくれ。肌が当たって気持ち悪い」


「俺、これ以上行ったら落ちるから、湯沢が後ろに下がってくれ」


そして、滑り落ちる浮き輪からの突き落としゲームが始まったのだった。


お弁当は見た目がぐちゃっとしていたが味は問題なかった。盛りつけも慣れてくれば問題なくなるだろう。




夕方になり、影が伸びる世界で俺たちはしばしの別れを告げる。


「じゃあーね、お土産期待しててねー」

「じゃーな、俺には期待すんなよー」


「じゃーな」

「気をつけて」



俺とクロはハルカと湯沢にそれぞれ声をかけて岐路についた。






とりあえずあげー

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