上級生の頼み
「なんか、疲れたー」
須藤にからかわれたり、湯沢に絡まれたり、俺に寄ってくる奴らはめんどくさそうな奴ばっかりだ。
「はははー、類は友を呼ぶって知っているな?」
めんどくさい奴筆頭のクロさんが何やらしたり顔で言ってくる。俺も俺のためにクロを付き合わせているので反論できない。
「ううー、うるさいなー。さっさと家に帰るぞ!」
人間突っ込まれたくないときは逃げるのが一番いいのである。
そそくさと校門を通り過ぎようと足を速めた。丁度その時一人の男子生徒に話しかけられた。
「おい、お前」
自分に声をかけられたとは認識しにくかったが、目の前に立ちふさがった男子生徒が言ったのである。
間違いなく俺たちに用事があるはずだ。
「えーと、なんか用ですか?」
早く帰りたかったが、一応立ち塞がれているので無難に声をかけておく。
にしてもこの男、声をかけられるまで気付かなかった。
影が薄いわけではないようだ。
なにしろ、金髪、緑目のイケメン白人さんだ。ここの生徒であることは制服が物語っている。それも着なれていそうだから、2年か3年の留学生か?
にしては日本語もペラペラそうだし……。
「お前らに付き合ってもらいたい所がある」
これはアレか不良が顔を貸せってのと同じ意味を持っている言葉かな?
体育館裏とか行きたくないんですが……。
困ってクロを見つめているとここは任せろと言うように目合わせをしてきた。
乱暴は良くないよ?俺、クロの事信じているからな!
「いいよ」
ええー。理由も聞かないんですかー!ちょっと受け身すぎません!?
「いやいや、ちょっと理由とか聞こうよ!体育館裏とかほんと嫌だからね!」
「は?何言ってんだお前?体育館に用事でもあるのか?」
クロからは呆れられ、白人さんに怪訝な顔をされる。
「まあとにかく、乱暴とか一切しないから信じてついてきて欲しい」
今度は紳士的な態度で頭を下げてきた。
「はあ、良いですけど。遅くなったりしますか?」
俺の腹が減っている問題や、見たいTV等を考慮して聞いておく。
「そこまで遅くならないと思う。とりあえず、俺はアーサーという」
「はぁ、俺は高取雄輝で、こっちはクロです」
では付いてきてくれと言って、アーサーさんは歩きだした。
(クロ、アーサーさんはなんで俺たちに話しかけてきたんだと思う?)
(さあ、でも懐かしい気配がするからそれ関係だと思う)
(じゃあ、クロの知り合いってこと?)
(きっとね、それに違っていたとしても倒して帰ればいいんだよ。彼も相当の実力者だと思うけどまだまだ学生だからね)
クククと喉の奥で笑う。クロさんちょっと発言が黒いです。
アーサーさんはあれから何を聞いても、とりあえず着いたら話すと言って何にも話してくれなかった。
10分ほど歩いただろうか。俺の家と学校の間の様な所で、アーサーは目的地だと振り返った。
そこはどこの公園ですか?と聞きたくなるような立派な洋風庭園と、青い屋根と白い壁のでっかい家が建っていた。
「なにここ、日本?」
土地だけで言ったら俺の家の方が広いだろうが、家や庭の作り方から、俺の家とは比べられないほどの金がかかっていると容易に想像できた。
「ここは俺の家だ。お茶でも淹れるから中に入ってくれ」
アーサーさんはリアル王子様ですか?
なんか住む次元が違うんだなーとしみじみ感じさせられた。
家の中に上がる時は靴を脱ぐ形になっていたが、この家の本来の造りとすると土足のままなのではないだろうかと感じた。しかし、俺としては家の中は靴を脱いで歩いていたほうが落ち着くので文句はない。
クロは庭のバラが気になるのか、後ろをちらりら振り返っている。
「とりあえず、ここがリビングだ。直ぐにお茶を淹れてくるから楽にしていてくれ」
俺達の返事をきく前にアーサーさんはリビングをあとにしてしまう。
(やっぱり暖炉があったな)
「クロー、さっきからバラばっかり見て何してるんだ?」
ここにきても活けられているバラを眺めしきりにうなずいているクロに声をかけた。バラを見てニヤついている友達がいたら気持ち悪いだろ?
「ああー、ここのバラには低級の妖精が住み着いていてね、なかなか面白いことを言っていたので話をしていたの」
ほへー。低級妖精は美しい花や綺麗な地脈が流れる所に集まると言うあれか。
この低級妖精が力を付けると人に加護を与えるようになると言われている。
てことはここの家はかなり良い土地に建っているのか。
そうこうしているとティーポットのセットと茶菓子を持ったアーサーが現れた。
ちょっと短いかもしれませんが書いてみました。
まだ、バトル描写出来てないですね。退屈な話もいいとこです。
早いとこ何とかしましょう。