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黒い竜と白い竜  作者: タカチ
第2章
11/24

俺だって傷つくんだぜ

最近寒いですね、今こうしている時も指からどんどん熱が失われていきます。

入学式が終わり、各々指定された教室に向かう。一年の教室は別館の3階にあり、2年3年は新館の3階と2階にある。体育館から一番遠い棟にあるので意外と歩かされることになった。

道中皆顔馴染みが少ないせいか高校生にしては口数が少ない。それでも友達を作ろうと話題を振っている奴らや運よく知人と落ち合えて話している奴らもいて、その声が静けさの中から抽出されて聞こえてくる。



もちろん俺たちは会話をしている奴らに入っている。

だが俺の話相手は人間ではないが。



「ふぁー、やっと終わった。今日は午前で帰れるらしいぞー」

「ふむ、学校もずいぶん近代的になっているんだね、昔はこんなに頑丈そうな作りではなかったし、機械なんてほとんどなかったよ」


何やら年代を疑われる事を言っているのがクロだ。


「あーこのSLAとか?」


うんうん、とクロは二度うなずき同意した。


SLAはSchool Life Assist の略で学校生活を円滑に送るための携帯端末だ。今まで紙媒体で配られていたプリントや出席の確認、変則的な時間割のデータ受信など様々な機能がある。

大きさとしてはA4用紙ぐらいの大きさで厚さは1~2センチと言ったところか。


とても便利なものだが、意外と大きいためカバンからの出し入れがしにくいなどという声もある。

因みにクロには配布されていないので俺のを羨ましそうに見ているのである。

(クロにも使わせる機会があるだろうから、後で使い方を教えなければいけないなぁ)




「あー、そろそろ教室だ。なんか緊張するー」


俺はドキドキしている心臓をなだめるように胸に手を当てる。


「大丈夫だ!雄輝がいじめられても私が守ってやるし、話し相手にもなってやる!」


クロは腰に手を当てて自信満々に言い放った。


「いやいや!!俺が心配してるのそこじゃないし、友達出来るかと思って心配してんの!つか、なんでいじめられる前提なんだよ」


「ほら、雄輝まだ身長低いし、なんか弱そうだしさー、一番最初に取って食われそうな感じじゃん?」


ものすっげー理不尽な事を言われている気がするぞ!コンプレックスに直撃だー。


「低くねーし、約170センチだし、だいたいクロより高いんだから別にいいだろ」


「アハハ、約って自分で言っている。ウフフフ」


あー、やっぱりこいつムカつく!絶対いつか見返してやるゥゥ……。




教室に入るとクラスメイトであろう学生が半数近く集まっていた。大体の者が近くの人と談笑したり、SLAを眺めたりしている。

黒板を見ると席順が書かれておりクロと俺は真ん中の列の一番後ろという高ポジションをゲットしていた。

欲を言えば窓際の後ろが良かったが、仕方がない。



俺たちが座っているあたりにはまだ、他の生徒は来ておらす必然的に会話はクロだけに限られてしまい他愛もない話をしていた。そこへようやく手前の席に座るものが現われた。


(男なら話しやすかったのに……)


目の前に座ったのは黒髪をボブにした健康的な肌色をした女の子だった。じろじろ見ては悪いがザッ標準体型!というような背丈をしている。しかし、横顔はそんじょそこらの一般ピーポーより整っていたと思う。きっと正面からみたら惚れるぜ俺!!



そして、後ろから話しかけるのは勇気がいることが判明した。

そう、どう振り向いて貰えばいいのかわからないのだ。後ろからいきなりこんにちは、と言ってもまず自分に話しかけられていると認識してもらえない。そして、名前もわからないから呼べない。さらに、いきなりつついたりするのはもっとたちが悪い。女好きとか思われたくないし!!



どうしよう……。



彼女の背中を睨みながらどうしようかグダグダ考えてしまう。もうここはあきらめ……。

(ひっ!!)



予備動作なくいきなり彼女が後ろを振り向いてきた。


「こんにちは?」

「こ!こんにちは、はじめまして!!」


うわー、ちょーはずかしいんですけどー。

マジかわいいんですけどー。


「あははは、ちょっとなにそんなにきょどってんの?変な顔しないでー」



こいつもムカつく奴だー!!絶対惚れない。前言撤回!なんか笑い方引き笑いになってるし、つか変な顔っていうな!生れてからこれで生きてきた俺に謝れー!



心の声が通じたのか、彼女はようやく笑いがおさまてきた。


「アハハ、ごめんごめん、あいさつしようと思って振り返ったら変な顔してるし、あいさつも噛むしで面白くなっちゃった、へへへ……」



へへへ……、って反省していないな。その笑い涙を拭いてから謝罪してもらいたい。




「いきなり振り向かれて驚いたんだ、変な顔で悪かったな」

ため息交じりに本音をぶつける。


「アハハハ、だから怒んないでよー。私は須藤静(すとうしずか)よろしくね。」

ペコリとお辞儀をしてきた。

「俺は高取雄輝、よろしく」


もーだめ、やる気でない。

ちょっとクロさんフォローしてくださいよ。


「まじめな顔していると意外とカッコいいじゃん!」


「へへー、さいですねー。そーやって男を翻弄していくんですね、コノヤロー」


敵から塩が送られてきたぜ……、くそー。ちょっとほんとにクロさんニヤニヤしてないでなんとかして。


「そんなことないよ。本心本心。そっちの子は知り合い?」

笑いながら言われてもな。とほほ……。


「おう、あだ名はクロ、クロって呼んでやってくれ」


静はあだ名?と疑問を浮かべながらクロにも自己紹介を始めた。





髪長いねー、手入れとか大変じゃない?

すっごく色白だよね羨ましいー。


やはり女同士話が合うのか俺と話していた時よりも、クロも静も楽しそうだった。これがいわゆるガールズトークか。ちょっとくらい俺も会話に混ぜてほしいな。


私より綺麗な女の子初めて見たよ!

素直に尊敬するわ!


いや、なんかドロドロしてそうだからいいや……。須藤さん正直すぎて怖い……。もっとオブラートに包もうよ!





ふー、なんとか書けました。


しかし、細かい展開をどうするか全然決めていないのでかなりピンチです。




続けて書ける人ってすごいですね。

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