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スタートライン その5

《七月 二十日 PM0:25》

――というわけなんだ」

「はあ……」

 エナ達が何をしようとしているのを砂山に説明すると砂山は気のない返事をした。

 結局エナ達が砂山を連れてきたのは体育館だった。

「で、どう? 入ってみない?」

 そんな様子を全く気にせずデュオが砂山にたたみかける。

 砂山はそんなデュオの勢いに少したじろいだがすぐに元の調子に戻った。

「申し訳ないですけどお断りします。面白そうではありますけど僕は目立ちたくないんです。それに僕じゃなくてももっといい人がたくさんいるでしょう?」

「いや、私達は他ならぬ君の力を貸して欲しいのさー」

 その一言で砂山は少したじろぎ迷うそぶりを見せた。

 が、すぐ後に表情を変える。

「誘うなら別の人を誘ってください!」

「あ、待って」

 多少うつむき気味のまま、砂山は体育館から走り去って行った。



《七月 二十日 PM0:30》

 もう一度、一年C組の教室に戻ってみても砂山はいなかった。エナ達は教室に残っていた生徒の一人に長谷川の居場所を聞く。

 その答えは、

「ああ、それならさっき三棟の裏に行くところを見たよ」

 とのことだった。

「喧嘩かな? 見た目と裏腹になかなかアクティブな人だね」

「デュオにとって校舎裏で連想されるものは喧嘩なんだね……」

 エナはその言葉に悲しげに答える。

 エナとデュオは一年C組で得た情報で三棟裏へと歩んでいる途中である。

「まあとにかく早く行こうよ」

 デュオはごまかすように言い、歩みを速くする。

 そうこうしているうちに三棟についた。

 裏にまわってみると――

「あれは喧嘩というよりは……ナンパ?」

 長谷川はカツアゲをしていたであろう今時、珍しいスケ番っぽい生徒達と、されていたであろう気の弱そうな少女の間に入って……ナンパしていた。

「と、いうよりスケ番ってまだいたんだね」

「私もスケ番が残っているなんて知らなかった。絶滅危惧種だね」

 デュオとエナの会話も関係なく長谷川達の状況は荒っぽい雰囲気が急激に薄れていく。

「君、かわいいね。夏休みに入ったら、映画館でもどう?」

「誰だてめえ! 邪魔だから消えろ」

 長谷川が気の弱そうな生徒に笑顔を振りまいているとカツアゲの邪魔をされたスケ番たちは怒り出した。

「あ、もちろん俺のおごりだよ」

「無視かてめぇ!」

「まあまあ、落ち着いて。かわいい子がいたらナンパする。これって当然のことだろ」

「変なこと言ってねえでとっとと消えろ! じゃねえとしばらく病院で暮らすことになるぞ!」

「分かった、分かった。つまりあんたはこう言いたいんだな。映画館には自分達も連れて行け、と」

「はあぁぁぁ!?」

 長谷川を中心にかみ合わない会話が続いて行く。

「ちっ、なんだこいつ」

 スケ番たちは相手にしていられないと言わんばかりにその場を去って行った。

「……ねえエナ、彼はああやって一応カツアゲを止めようとしたのかなー?」

「……」

 その疑問にはすぐに答えが出た。

 スケ番たちが去ってしばらくすると長谷川はくるりと少女の方を振り向いた。

 そして長谷川はおびえている少女に笑顔を向けて一言、

「それで夏休みのことなんだけど――」

 最近、アクセス数を見ることができることに気付きました。

 感想や総合評価などがいつまでたっても0のままなので、もしかしたら僕の小説は誰にも読まれてすらいないんじゃないかと思っていたところでこれに気付きました。

 決して多いとはいえない数ですが見てくれている人がいるということがとてもうれしかったです。

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