表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/29

プロローグ

初投稿です。

憧れの職業、探偵ものです。

読みやすく書くつもりでいます。読みにくい感想でもいいのでいただけたら幸いです。

  ―― あと二年と決めた。うん、二年弱。


「それでいくら欲しいの?」

「えーどうしようかなぁ」

20代前半において女子高生とこんなやり取りを行うとは思わなかった。

「別にお金目的じゃないし、好きにしていいよ」

シチュによっては地上2cm浮き上がるほどのお言葉なのだが…

…うん、説明しようね。


コンっドン!!

どこで習った作法なのだろう、聞いたことのないノックのリズムに

「えっ?はい!!」

つい似たようなリズムで返してしまった。

カチャ。コツコツ。

ドアを開き事務所に入ってきた人間にかける言葉はいくつも持っていない。

「…ご依頼でしょうか?」

「違うわ」

コツコツの正体はローファーである。

そしてそのローファーはセーラー服にコーディネイトされている。

梅の丘高校。通称梅高。そこに通うこれまた通称うめっこ。

この辺りでは二番目くらいの進学校である。…今は知らないけどね。

「では今日は?」

こちらの問いにドアから二歩入った地点より「コツコツ」がさらに近づく。

近づきしなになにやらスクールバッグへと手をゴソゴソ。

「面接をおねがい」

という言葉とともに机に置かれた履歴書。

うん、なんとなくわかった。


僕、探偵だからね。


ホームページだろうか口コミだろうか?この娘はわが探偵事務所を知り、働きに来た。

横柄かつ簡単すぎる態度、言葉に本気さは微塵も感じられなく

「罰ゲームかい?」

モテない男子が言いそうな事を口走った二秒後

「私は本気でアルバイトをしに来ているの。面接をおねがい。面接を」

まぁアルバイトの時点で本気の人は元来少ないものだけどね。いいだろう。乗るさ。暇だし。

女性には強く言えないのが俺だしな。

よく見れば…訂正。よく見なくても振り返るレベルのかわいさを持ったこのボブヘアーの話に付き合うのも悪くない。

夕食までの軽い運動くらいの気持ちで

「じゃ、どうぞ」

と、応接用の茶色い革のソファに。テーブルを挟んで彼女と向き合うことにした。


これが最初の出会い。ノックのリズムとともに忘れはしない。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ