第15話 地獄の合宿1 オークども
俺は新人冒険者、宮田誠!父の知り合いで師匠の永瀬陽菜と八王子ダンジョンに行って、師匠流の指導方法を受けていた。
発狂するという訓練をしていた俺は、背後から近づくオークの群れに気づかなかった。
俺はオークの群れと対峙していたら......
騙されたということにようやく気づいた!
ふう、こんな茶番はどうでもいい。現状を一旦確認しよう。前にオーク2体、後ろに3体、左に1体、右に2体。計10体か。
……うん、余裕で無理だな。
いくら根性論でもEランクは単独でオーク10体を倒せない。出来るとしてもせいぜい1体だ。
流石にマズいので歩いてきた位置位置を逆算して師匠の居場所を見つける。が……木にハンモックをぶら下げ、ゴロゴロしながらこっちを見ている。
ダメだ、師匠に頼るのはやめよう。なんか癪だ。
もう絶対手を出させない。俺一人でコイツらを倒す。
とはいえ、さっき言った通り10体丸々なんて倒せない。どうあがいても無理だ。だから───
───全部一対一で戦ってやる。
周囲のオークがある程度離れていることを確認してから、
「フラッシュ!!」
直接目に閃光を叩き込み、視界が奪われてパニックになっているその隙に頸動脈を刺す。いや……オークの頸動脈ってどこだ?まあいいや、多分あっている。構造がある程度似ているって聞いたことあるしな。
俺の目の前にいた2体を倒し終わるや否や、
「ウォォォォォォォ!」
仲間のオークが死んだと悟った途端、別のオークが吠える。すぐに、奥から15体ぐらい増援が雪崩れ込んできた。
その中の一体は一際大きく、そして剣を持っている。棍棒じゃない。剣だ。すなわち、食らった瞬間に病院か直接火葬場か、そのレベルの攻撃だ。
どうする……?先に回りの雑魚を倒すか、それとも司令塔を倒すか?
一瞬も迷わない。
俺は───後者を選ぶ。世界最強になるなら、コイツぐらい瞬殺できないと、ね。
「先にお前だ、オークジェネラ───」
グサッ、グガッ、ドンッ
身体が痛みと浮遊感を感じた束の間、気づいたら空が視界いっぱいに広がっている。そしてその後気づく。
痛い。左脚を打った。が、幸運なことに足ごと消えたわけじゃない。斬られてたら合宿云々の前に人生云々の問題になる。
ただ───動けない。左足に少しでも力を入れた瞬間、傷口が悲鳴を上げ、言葉にできない辛さが下半身を襲う。
これじゃどうしようもない。逃げる戦法が取れないのはかなり不味い。なので、俺は手を切り傷に当てる。少し力を込めて、
「ショックタッt、グアァァァァ!!!!」
ショックタッチ。触れた瞬間に電流を流せる魔法。四大学冒険者杯用に用意してたけど使えなかった魔法の一つだ。
腕から手を通り電撃は足の神経、筋肉、血液までもを振動させる。
これで少し緩和された。というか多分神経を少し焼き切ったかもしれない。が、ある程度動けるようになった。
俺は立ち上がる。
とりあえず作戦変更だ。狙いはモブ。……え?世界最強への道は、って?
後回し後回し!!人生かかってるからなーこれに。プライド守ってこんなんで死んだら元も子もない。
立ち上がって戦う姿勢を見せた俺に、オークは襲ってくるが、
パチィン!ピシュッ!パチィン!ピシュッ!ピシュッ!パチィン!ピシュッ!ピシュッ!ピシュッ!パチィン!
スパークとライトボルトの使い分けで警戒させて距離を取らせる。ついでにどさくさ紛れに撃った必殺技レベルのサンダーショットで2体を麻痺させる。
なぜ、ついでなのかって?それはね───
ウォォォ、ウォォォォォォォ!!!!
単騎では負けることを悟ったオークは寸分の狂いないタイミングで全員で突進してくる。
おそらくツノで押しつぶす気だ。それをされたらひとたまりもない。逃げるスペースもないだろう。だけどね……
俺は手を横に出して呼吸を整える。
「ダブルフラッシュ!!!!」
激しく眩い閃光を両手から出す。
オークから視界を奪った後、若干方向が変わったオーク同士の間にできた隙間から超高速で逃げる。
だが、全騎が目眩しされたわけじゃない。閃光が直接目に入らなかった俺の真正面や背後にいたオークはもちろん俺のことを追いかけようとする。
だが、オークらは俺を円形に囲んだんだ。既に最初にいた中心の近くまで迫っている。ということはつまり各個体同士の距離は狭い。いきなり急に動こうとしても周りの状況のわからないオーク達が突っ込んでくる。そして身動きが取れないままお互いの体にキバが突き刺さるほど超密着する。これを狙っていた!
「いくぜ!サンダーショット!!!」
先程どさくさで撃ったものとは違う。立ち上がった時から既に右手に魔力を込め続けていた。手から出た豪速球の電気の塊は今までにない威力とスピードで、手前にいる一体のオークにぶつかる。その瞬間、
ウガァァァァ!!!!!!
全てのオークが叫びながら倒れ込んでいく。それもそのはず。オークは人間と構造がかなり似ている。ということは体の大半が電気を通しやすい電解質で出来ている。さっき、そこまで強くない雷魔法で効いていたのはそういうことだ。
そして、このサンダーショットは俺の魔力の5割をも注ぎ込んだ。効かないわけがない。そしてここで全員倒せさえすればもう敵はいない。限界まで魔力を使っても問題は無いのだ。
「ざまぁ!!雑魚BROOOOO!!!」
ただ、俺は一つだけ勘違いをしていた。雷に当たったオークのみが倒れた、ということを。
オォォォ、ウォォォォ!!!
頭が理解するより早く、生存本能が作動し瞬時に振り向く。
「クソッ!!!!そうだ、忘れていた!!!!」
怒りと絶望が頭を駆け巡る。だが、一種の冷静さもやってくる。
「……そうだよな、来るよな」
仲間が全滅して黙っているわけがない。
そこには、俺を吹っ飛ばした張本人。
怒りで顔が歪み、剣を構えた、オークの司令官、“オークジェネラル”がいたのだ。
俺は2本の短剣を十字に構える
───ここからが本番だ。
そろそろ宮田が現時点で使える魔法を羅列します。
今回は雷魔法編!
<第一階梯> 常識。初歩。使えなかったら冒険者向いてないし、なんなら誇れるレベル。
・ライト 使えなきゃ無能どころの話じゃない。
ただ光るだけ。暗いところでしか使わないから当分使い道はない。
・スパーク 超初歩的。冒険者界ではもはや威嚇がメイン。
弱い放電。
<第二階梯> 実用的かつ難易度が低い。第二階梯までは初心者がまとめて覚える。
・フラッシュ これはかなりメジャー。雷魔法といえば、で上げられる定番の一つ。
閃光。目眩し用。
・ライトボルト
針みたいに細い雷弾。当たった表面に影響を及ぼす。
・ライトニング
ライトボルトとほぼ同じだが、速度を犠牲にして貫通力が上がっている。
だから内部まで攻撃が届く。
・ショックタッチ 触るの必須。
触れた場所から直接電気を流す。ただし、そのものと触れている必要がある。触れていなと効果は著しく落ちる。
主に近接格闘などで使われる。
<第三階梯> 幅が最も広い。ほぼ第二階梯の魔法もあれば圧倒的に強い魔法もある。全魔法の4割はここ。
・サンダーショット 宮田大好き。
手に収まるサイズの雷球を生成し、弾丸のように高速射出する。後ろに尾が残る。
20〜30mほどまで届き、中距離攻撃が可能。
また、威力の割にかかる時間は短いので連射向き。(だが、宮田は威力を重視するから連射できるほど必要時間は短くない)
こんな感じかな?
いつかその他の系統魔法全部紹介!!




