第4話 翌朝、食べれるものを探す
第4話 翌朝、食べれるものを探す
……まぶしい。
まぶしすぎる。
太陽、もうちょっと静かに登場してくれないかな……。
「……うぅん……まぶしい……あれ、夢……じゃなかったぁぁ……!」
跳ね起きた瞬間、背中がバキバキになっていた。
地面って……寝る場所じゃないね……。
でも、寝れた私、ある意味すごいと思う。
顔を触ると、葉っぱと土がくっついてる。
「……野生化、進行中……」
寝癖も全方向フリーダム。誰にも見られてなくてよかった。
(いや、すでに見られて恥ずかしいとかいうレベルじゃない気がするけど!)
お腹が……ぐぅぅぅぅ。
うん、はい、朝から元気な胃袋さん。
体は生きてる証拠、いいことだよね(たぶん)。
「よし、今日のミッション。食料を、確保せよっ!」
森の中をきょろきょろ見回す。
昨日は虫と葉っぱと爆発しか出会ってないけど……今日はたぶん、もっとマシな日!
……のはず!
しばらく歩くと、小鳥の声が聞こえた。
「あ、鳥! 鳥がいるってことは、何か食べてるってことだよね!?
鳥の食べてるもの=安全理論、発動!」
木の枝を見上げる。
そこそこの大きさの赤い実がいくつかなっているのを発見した。
「よし……あれだ……ターゲット発見!」
枝に手を伸ばす……が、届かない。
ぴょん、ぴょん。……届かない。
「身長ぅぅぅ! 12歳ボディの限界ぃぃ!」
近くの石に乗って、もう一度挑戦。
もうちょっとで届きそう。ぐらっ……!
「わっ、まっ、待ってーーー!」
ドサッ。
石ごと転倒。
「いててて……っ! あ、でも……あった!」
転んだ拍子に実が落ちてきた。
ラッキー! 天の恵み!(物理)
掌に乗せて観察してみる。
つやつやの赤、でもちょっとドス黒い部分もある。
……いや、待て。見た目に騙されるなリリア。
ファンタジー世界の食べ物は信用してはいけない。
くんくん……。
「うん、いい匂い……っぽい。
いや、毒でもいいから一口ぐらい……?」
パクッ。
──すっぱぁぁぁぁぁ!?!?!?!?!?
「う、うそっ!? 酸っぱっ!? 酸味で目が覚めるレベルっ!!」
思わずその場でジタバタ。
「これ、食レポしたら『目が覚めるフルーツ(物理)』だよ絶対!」
涙目で口を押さえながら、残りを地面に戻す。
「……ごめん、あなたを早まって食べて……。」
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次のターゲット、落ち葉の間に転がってる茶色い実。
どんぐりっぽい。
「どんぐり……前も見たけど……やっぱり食べれるのかな……」
硬い。歯が勝てない。
「ちょっ、これもはや武器じゃん!? ナッツというより弾丸レベル!!」
木に当ててみる。カンッ。
「ほらぁ、これ絶対投擲用だよ……!」
……でも、空腹のリリア、真剣に考える。
「……もしこれを焼いたら、食べれるとか……?」
うーん。火。
火かぁ……。
昨日、勝手に爆発魔法が出たけど……あれ再現できるのかな?
両手を合わせて、目を閉じて。
「炎よ、出て……! ちょっとでいいから……」
……しーん。
「……はい、出ない。ですよね。」
気を抜いた瞬間、くしゃみが出る。
「へっくしゅん!」
ボフッ!!
地面が焦げた。
「ぎゃあああああ!? やっぱ出たぁ!? 違うタイミングで出たぁ!!」
慌てて手で土をかけて鎮火。
(ほんと、どのスイッチで出るのこの魔法!?)
でも、焦げ跡見て、少し笑ってしまう。
「……うん。火、出せたんだよね。偶然でも。」
ちょっとだけ嬉しい。
この世界で、生きる手段を、少しずつ見つけてる気がする。
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しばらく歩くと、さらさらと水音がした。
「……川の音……?」
草をかき分けると、小川が流れていた。
朝の光が水面に反射して、きらきら眩しい。
「わぁ……きれい……!」
しゃがんで手を入れる。
「つめたっ! でも……気持ちいい!」
手ですくって飲んでみる。
「ん……美味しい! 生水なのに……なんか柔らかい!」
ちょっと元気が戻ってくる。
顔を洗い、髪を手ぐしで整えて、空を見上げた。
「……ごはんはまだだけど、水あるなら生きてける、よね」
ぽつりと呟いて、太陽に向かって微笑む。
「お腹すいたけど、生きてる。えらい。
……うん、リリア、今日も生存目標達成!」
風が優しく吹いて、葉っぱがさらさら揺れた。
それだけで、なんだか少しだけ勇気が出た。
夢か現実か分からなくても、
とりあえず今日を生きる。
それがリリアの、サバイバル2日目だった。




