第3話 はじめての夜
第3話 はじめての夜
日が暮れてきた。
森がオレンジ色に染まって、影がのび~る。
食べられそうなものは見つかってなくてお腹が鳴る。
「や、やばい……夜ってこんなに迫ってくる感じなの……?
え、ホラーゲームだったっけ?わたしのジャンル……ファンタジーじゃなかったの……?」
ビビりながら落ち葉を踏みしめ、キョロキョロ。
(ていうか、まだ夢かもしれないし……?いやでも、こんなにお腹減る夢ってあるの?)
今日は、どこで寝れば安全だろう……?
えっと……まずは、ベッド……場所を探そう……!
大きい木の下とか漫画でよく見るし……
うん、ここでどうかな……。
ぼとっ
何か落ちてきた。
「ひゃっ!……葉っぱ?……え、でも次が枝とか虫だったら……やばくない?
いや、むしろ森のなかで虫パニックの夢とか始まるやつじゃない?!」
候補却下。
そこに見えるちょっと高い岩の上にしようかな。
ここなら動物とか来ない……はず……!
よじよじ……
よじ……ずるっ!
ゴロン
「のわあああああ!?
いっ……たぁぁぁぁ……おしり……おしりぇぇ……!
夢なら痛覚オフにしてほしいーー!」
候補却下。
……別の場所を探そう。あれはどうかな、倒木が数本重なって影になっている。
「ここ静かでよさそう……
……でも暗い……じめってる……あと何かの巣感がある……むり!却下ぁ!」
……別の場所を探そう。薄暗いなか、もう少し歩いて、ちょっとした草むらがあった。
「ふかふか……! 癒やし……! ベッドっぽい! これいける!!」
しゃらら……草をかき分けて横になるー。
ぶわぁっ!
小さな虫が大量に舞い始めた。
「ぎゃああああああああ!?!?
虫さんごめんなさいぃぃぃぃぃ!!でも無理ですぅぅぅ!!」
即全力ダッシュ。涙目。
はぁはぁはぁ。
リリア、涙目で地面に座る。
「……もう……地面でいいです……。」
選ばれたのは……普通の地面でした……。
小石を集めて枕に、まあるくなる。
「ふかふかじゃないけど……虫いない……はず……。
……うう、少し先の茂みでガサって言ってるけど聞こえないふり……」
そっと丸まって空を見上げる。
木々の隙間から、光の粒と星がちらちら瞬いていた。
現実味がありすぎて、夢には思えない。
……でも、どうしてこんなところにいるんだろ。
あの事故のあと、わたし……どうなったんだっけ……。
心が少しだけしんと静まる。
けれど、すぐに自分で自分を叱る。
「うん! 考えても仕方ない!寝れば元気!
明日はごはん探す!虫はもうイヤ!!」
今日はいろいろあってすぐに寝入っていた。
よだれぷくー。
リリアは繊細なのか大胆なのか――
地面で寝ることにした。




