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colorful 〜rainbow stories〜 encore  作者: 宮来 らいと
第4部 笹野ユリ編

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第1章 樺色のマイクカバー(笹野ユリ編)後編

 演奏が終わると、3人はとても驚いていた。


 三蜂レンカ

「す…………すごい。」


 柚木アイラ

「さすがは…………特技で言うことですね。」


 笹野ユリ

「とても素敵ね。心が少しドキドキしてるわ。」


 真瀬莉緒

「へへ…………ありがとうございます。」


 ??

「何をしている?」


 音楽室の扉の方向を向くと、茶色いネクタイをした男子生徒がいた。


 真瀬莉緒

「あなたは…………?」


 ??

「何を企てている? まさか…………貴様ら!」


 ??

「中神! 言いがかりはよせ!」


 今度は先生らしき人が音楽室に入って来た。


 ??

「し、しかし…………!」


 ??

「少し疲れているんだろう。家に帰って休め!」


 ??

「わ、わかりました…………。」


 男子生徒は音楽室から出て行った。


 ??

「すまない…………。彼はああなったら暴走するたちでだ…………。」


 真瀬莉緒

「いえ、大丈夫です。…………あの先生ですか?」


 日比谷直輝

「自己紹介が遅れたな。日比谷直輝(ひびたに なおき)だ。君のお姉さんの担任かつ、生徒会の顧問をしている。」


 真瀬莉緒

「日比谷先生が僕の姉さんの…………?」


 日比谷直輝

「ああ。」


 笹野ユリ

「同じ学校の先生と生徒でしたが…………まさか生徒会の顧問になっているなんて…………。」


 日比谷直輝

「ああ。あの男は反対しているがな。」


 三蜂レンカ

「あの男…………?」


 日比谷直輝

「ああ、これは失礼した。関係のない話だったな。」


 柚木アイラ

「それで…………先ほどの男の子は…………?」


 日比谷直輝

中神シンジ(なかがみ しんじ)。私の教え子かつ、生徒会の書記をやっているのだがな…………。石頭で融通が利かない。」


 真瀬莉緒

「石頭…………。」


 日比谷直輝

「姉弟揃って、運が悪いのか…………真瀬、明日から頑張ってほしい。」


 真瀬莉緒

「えっ…………ああ、はい。頑張ります。」


 日比谷直輝

「ああ、頑張りたまえ。では、今日は家に帰りなさい。寮生活は明日からだ。」


 真瀬莉緒

「はい。では…………失礼します。」


 僕たちは日比谷先生に礼をして、それぞれの家に帰ることにした。



 真瀬志奈・真瀬莉緒の自宅



 真瀬莉緒

「ただいま…………。」


 真瀬志奈

「あ、おかえり。先に帰っていたわよ。」


 真瀬莉緒

「姉さんもお疲れ様。」


 真瀬志奈

「そうそう。私、生徒会からオファーがあって、生徒会に入ることになったのよ。」


 真瀬莉緒

「生徒会に…………? まあ、いいや。頑張ってね。」


 真瀬志奈

「ええ!」


 こうして僕たちは自宅での最後の1日を過ごした。一旦ではあるが。


 翌日…………。



 六郭星学園寮



 真瀬莉緒

「ここが僕の部屋か…………。」


 パンフレットによると、部屋は広くリビングとベッドルームが2部屋あり、両方防音になっているらしいのでベッドルームからもう一つのベッドルームからは何も聞こえない。この部屋に2人1組というのがこの寮のルールらしい。


 真瀬莉緒

「僕の部屋のパートナーは誰かな?」


 ドアの開く音がする。僕はドアの方向を振り向くと、そこには見覚えしかない人物がいた。


 ??

「…………? 貴様は…………?」


 真瀬莉緒

「あ、あなたは…………中神さん…………?」


 この人か…………この人は少し苦手だ。何か色々と言われそうだ。


 中神シンジ

「ふん…………貴様のことは、俺のパートナーの姉から聞いている。俺の邪魔をするなよ。」


 真瀬莉緒

「……………………はい。」


 僕は肩を落とし、自分の部屋へ入る。


 真瀬莉緒

「くそっ…………イライラする。」


 姉さんは中神さんのパートナーになったのか…………。互いに辛いな。


 気持ちを切り替えていくため、僕はメルマの動画でも見ることにした。


 綺羅星メルマ(きらぼし めるま)。ここ最近で登録者数が60万人を超えた、今1番勢いのある女性Vtuberだ。


 綺羅星メルマ

「星々のみんな〜! みんなのアース。綺羅星メルマで〜す!」


 いつものかけ声にいつもの挨拶。最近の心の拠り所だ。


 綺羅星メルマ……癒されるな……。


 メルマの動画をひと通り見終わると僕はすぐに寝床についた……。



 六郭星学園 Fクラス教室



 翌日…………。教室に入ると、笹野さんが先にいた。


 笹野ユリ

「ああ、莉緒くん、おはよう。」


 真瀬莉緒

「おはようございます。」


 挨拶を返すと、笹野さんがあることをお願いする。


 笹野ユリ

「お願いがあるんだけど…………。放送室の掃除…………手伝ってもらえないかしら?」


 真瀬莉緒

「放送室の掃除ですか? 構いませんけど…………。何かあったんですか?」


 笹野ユリ

「たいしたことではないんだけど…………。ちょっとね。」


 真瀬莉緒

「わかりました。では…………放課後。」


 笹野ユリ

「よろしくね。」




 六郭星学園 放送室



 放送室にやって来た僕たちは、清掃を始める。


 真瀬莉緒

「すごい綺麗ですけれど、どこを掃除しますか?」


 笹野ユリ

「そうね…………それじゃあ、ここのダンボール片付けてほしいわ。」


 真瀬莉緒

「わかりました。」


 僕はダンボールをたたみ、ビニールテープで縛ってまとめた。


 笹野ユリ

「ありがとう。手際が良いわね。」


 真瀬莉緒

「そう言われると嬉しいです。ありがとうございます。」


 笹野ユリ

「ふふ…………。それじゃあ、あとはここね。」


 笹野さんはマイクを指さして、箱に入っているマイクカバーを取り出し、マイクに取り付けた。


 マイクカバーは茶色い色だった。


 箱の中を見ていると、赤や青、緑や黄色と言ったと色とりどりのマイクカバーがあった。


 笹野ユリ

「そんなに、マイクカバーの色が気になるの?」


 真瀬莉緒

「あ、いや…………もしかして、お好きな色なんですか?」


 笹野ユリ

「茶色ね…………確かに好きな色ではあるわ。濁った色って印象だけど、落ち着いた色って私は思っているの。どんなに言われてもこの色だけは譲れないの。」


 真瀬莉緒

「素敵だと思います。その意見。僕はそう言う信念を持った人は嫌いじゃありません。」


 笹野ユリ

「そう…………ありがとう。お礼にもう1つのマイクカバーの色、選んで良いわよ。」


 真瀬莉緒

「そうですね…………迷いますね…………。」


 どうしようか…………せっかくなら似た色を選ぼうと思い、樺色のマイクカバーにした。


 笹野ユリ

「綺麗な色ね。似た色にしてくれたのね。」


 真瀬莉緒

「はい。オレンジとは違いますが、とても良い色です。」


 笹野ユリ

「うん…………それじゃあ、莉緒くん。寮に戻りましょう。」


 真瀬莉緒

「そうですね。……………………。」


 僕は笹野さんと一緒に作る曲のフレーズを少しばかり思いついていた。


 僕はそのことを笹野さんに話した。驚いてはいたが、すぐに楽譜に表してほしいとのことで、僕たちは急いで寮へ戻った。



 六郭星学園寮 莉緒・シンジの部屋



 寮に戻った僕は、急いで楽譜にフレーズを書いた。


 真瀬莉緒

「ふう…………できた。」


 中神シンジ

「何をしている?」


 中神さんに声をかけられた。


 真瀬莉緒

「…………生徒会に言われた、曲作りの楽譜です。なんなら演奏しましょうか?」


 中神シンジ

「ほう…………では、聞かせてもらおうか。」


 真瀬莉緒

「…………わかりました。」


 僕は、楽譜の書いたフレーズを演奏する。



 演奏が終わると、中神さんのリアクションは変わらなかった。ダメだったか…………?


 中神シンジ

「なかなかだった…………。次も頼む。」


 真瀬莉緒

「えっ…………!? あっ、はい…………。」


 素直に褒められるとは思わなかった。動揺するものの、僕は返事に答えた。


 真瀬莉緒

「では、これで…………失礼します。」


 中神シンジ

「ああ。」


 僕は自分のベッドルームに入る。


 真瀬莉緒

「あの人…………意外と悪い人ではないのかな…………?」


 不思議に思うまま、僕は眠りについた。

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