外出
エルは、ある日リューネ姫にクラフト専用の場所を王城内の空き地に建てる許可を頂くこととなり、その素材集めのための冒険を姫さまにお願いする事にした。
姫さまは、その素材集めのために冒険者ギルドに依頼を出し、Bランク冒険者のパーティを選出する事となった。
エルは、工房を作成するにあたり、木材や石材そして鉱山の探索を行おうと考え、そのためのスキルを作成する事とし、リューネ姫に許可を得るために相談を持ち掛けた。
「リューネ姫さま、今回冒険するに当たってアイテムボックススキル・自動回収スキルを作成しようと思うのですが、許可を頂いてよろしいでしょうか?」
リューネは、そのスキルの作成を許可するのであるがエルの詳しい考えを聞かないうちに許可を出す事となったのをのちに後悔する事となる。
エルは、自室に籠りスキルの設定を開始した。
『アイテムボックススキルの容量は小さいと困るので容量は自動的に拡張されような設定で作成しよう。自動回収機能は、触れることにより自動でアイテムボックスに収納され、自動的にアイテムボックスに入る設定にしよう。また、アイテムボックススキルにはボックス内のアイテムを僕の考えたような感じで作成される機能も追加しておこうかな。』
この考えによって、作成されたスキルが問題を起こす事となろうとはエルは考えていなかった。
Bランクパーティ【探索者の戯れ】が王城へ依頼した一週間後に訪れて来た。
このパーティは、6人編成であり、盾職のガンズ・斧使いフーデス・双剣士マリッカ・斥候ベイス・魔術師リラック・司教ハーネリアで構成されており、実力も王都では折り紙付きの有名人であった。
リューネは、エルを探索者の戯れに紹介し、護衛を依頼、成功報酬は金貨で18枚を約束し前金として金貨6枚を渡した。
エルは、冒険者たちに守られ王都そばにある迷わずの森へと案内し、その後にラルフレット鉱山に護衛しながら移動、日程として2週間程度を予定した行程で冒険を護衛を開始する事に。
リューネに見送られ、王城を後にし王都外へと外出し迷わずの森へと進む間に自己紹介を済ませる事となった。
3日ほど移動すると、迷わずの森へ到着し森の中へと踏み入れるモンスターや野生動物を斥候ベイスが警戒しながらやや中心に近い部分でエルは木材の伐採を開始した。伐採と言っても、エルが木に触り回収と唱えるだけでアイテムボックスに収納されて行く。その様子を見た冒険者たちは驚きの声を上げていた。
「「「何がおこってるんだ?エルが木に触っただけで一気になくなってくんだが(わ)((ぜ)・・・」」」
エルは、僕のスキルであり自動的に回収できるんですと答えたのだがやはりみんなの頭の中では?マークがいっぱいだった。
木材の伐採も終わり、エルが鉱山へお願いしますと話しかけ、納得も行かないながらもラルフレット鉱山へと向かうこととなる。
移動している間に野生動物やモンスターも出ては来ていたのだが、そこはさすがBランク冒険者である彼らにとっても問題のないものであった。
一行は、鉱山に到着し鉱石等の回収をエルは始めようとした。そこで、ちょっとした実験をエルは試す事とした。鉱山に触れ回収と唱えた・・・
一瞬で鉱山が目の前から消えてしまったのだった。
エルはぎょっとして、冒険者たちは腰を抜かせてしまったのだった。エルは、気持ちを落ち着けてアイテムボックス内を確認する事にしてみた。
そうすると衝撃の事実が・・・
信じられない量の鉱石や石そしてモンスター等が大量に入っていた。
驚愕の事実をリューネ姫に報告するために急いで王都へと帰還するのであった。