スティルギン王国
二日で国境を越え、スティルギン王国領へと入り、そこからまた一週間ほどで王国首都レーゼテルスへと到着した。そして、到着早々にリューネ姫はエルを王城へと連れ、エルの心の準備する間もなくパーン王と謁見することとなった。
「リューネよ、お主の連れているその男は何者じゃ?」
「父上、この者の名はエル。タルクス王国生まれでクラフトスキルを所持している者です。わたくしが自らスカウトした逸材でございます。」
「ほう、逸材とな。どのような事が出来るのじゃ?ただのクラフトスキル所持者ではあるまいに。」
「それは、まだ内緒でございます。しかしながら、父上のお眼鏡にもかなう人材でございます。」
そう告げるとリューネはエルを連れ謁見の間を後にした。
「それでは、エル。あなたに準備金として金貨200枚を差し上げますわ。住む場所は、王城いある一室をあなたに与える事と致しますわ。そして、あなたの身の回りの世話をする者としてメイドを2名つけさせていただきます。また、王城から外出する際はわたくしの許可を取るようにお願いいたします。あなたのクラフトスキルによってもたらすものについては、その都度検討した上対価を与える事いたします。こちらから、依頼する場合もございますので、了承してくださいね。」
エルは、その旨を了承し与えられた部屋へと移動するのであった。部屋に入り、エルは思案に耽る事となる。
『まずは、どんなスキルを作ってみようかな?そう言えば、個人のスキルスロット数が確認できるアイテムとか作成出来れば、きっと便利だよな、姫さまに相談してみようかな。』
エルは、メイドの一人に姫様に取次ぎをお願いする事に。
早速、姫さまに相談するとそのスキルを作成するに当たり、どのように確認するかという問題が持ち上がったのである。スキルを作成したとしても確認できるのはスキル作成者のエルのみであり信用する人間がどれほどいるかという問題とエルがそのスキルを覚えるにあたってスキルスロットが残ってるかという問題にあったのだった。
そこでエルは特別製の板を使用し、そこにスキルスロットを表示するようにしたらどうかと提案してみた。その板は、迷宮産であり今まで発見されていなかったアーティファクトいう事にしようという話で纏まった。
鑑定の結果の表示は、階級を白磁・緑翠・青銅・赤鉄・白銀・黄金・虹の7種類。
◇鑑定ボードの詳細◇
表示の結果としては、階級-〇(△)といった感じで表示されるようにした。
〇は、現在覚えているスキル数。△は、上限数
エルの作成したスキルスロットの確認できる板をスキルボードと名付けられ、王城用・教会用・ギルド用が準備出来るまでは秘密裏に事が進められたのである。
そのスキルボードの価値には値がつけられないため、鑑定金額の4割がエル・3割が国・残りをギルドと協会が分配する事に決まった。