幼馴染との別れ
次の日以降、エルは落ち込んでいても仕方ないと割り切り、4人の為の装備を作ろうとクラフトスキルのレベル上げとステータス強化に努める事とした。
エルとしては、例え一緒に冒険する事が出来ないとしても幼馴染たちの安全を図ることで貢献できると考えた結果である。
その日から、エルは時間をかけて素材の選定やクラフトスキルの向上など努力を続け、幼馴染たちの為にその時点でエルが出来うる最高の装備を完成する事が出来たのであった。その性能は、初心者が装備するレベルの物ではなく、中級冒険者になってもしばらく使用できるほどの高性能の装備として仕上がったのであり、現時点エルの持ちうるの力すべてをつぎ込んだ至高品と言えるものであった。
装備の性能の押上もあり、4人の幼馴染は深き森のダンジョンを次々と攻略していく事となり、その名をあげていく事となる。エルの装備が優秀過ぎた為、幼馴染たちは自分たちの実力を過剰に過信する要因となってしまった。また、幼馴染たちの功績をギルドも評価する事となり王都のギルドにまで期待のルーキーとして名を轟かす事となる。ギルドもまた彼ら4人の功績を高く評価し、王都のギルドのメンバーとして推薦し、送り出す事となった。
その時には、すでに4人はエルに感謝する事を忘れ見下す態度を見せるようになっていて、
「俺たちは、王都へ行く。こんな小さな村で一生を過ごすつもりもない。エルは、寂しくここで暮らしていけ。」
と言うような捨て台詞を残し、4人は村を旅立った。
4人は王都へ行くと、王都のギルドに挨拶に行き転属の登録をした。周りの冒険者を見ると自分達よりキラキラとした新品のような装備をした先輩冒険者ばかりで自分たちの装備がみすぼらしく感じ、王都の武器防具店でその装備を売り、見た目が美しく見栄えの良い装備に変えていった。彼らの装備はいい金額(見た目にしては高額)で売れたのもあり喜んでいた。