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スクラレア

ちょっと書きたくなりました(自白)



私は生まれたときから奴隷だった、はじめから喋れたから不気味だと思われて

喋れないようにされちゃった、今まで貴族から何度も買われたけど全員死んでいった

そんなとき私の噂を聞きながらも私を飼いたいって言ってる人がいた、正直驚いた

優しい人かなって思ったけど、実際は全然違った


『おら!!もっと泣け!クソ奴隷ども!』


『っ!』


しばらくはこんな生活が続いた、けどそんなある日、フェンリルさんが来た


フェンリルさんは森で暮らしていたら、うっかり捉えられっちゃったらしいけど私は知ってる


フェンリルは弱い人がいると本気を出せないんだって、多分それで捕まえられたんだろうな


フェンリルさんは私達をかばってくれた、それでも何人か死んじゃった


みんな奴隷は亜人で生命力も強かったのにほとんど死んじゃった、つらかった


誘拐をしろって言って来たこともある、フェンリルさんが言うには「次元魔術」って言う魔術を持ってる子がいたらしい、その子は使ったあと衰弱死したってフェンリルさんが言ってた


....いつまでこんな生活が続くんだろうってなんども思った、私は吸血鬼だったから衰弱死することはなかったけど...死んだ子の血を飲むのは辛かった


他のみんなは限界だったいつ出れるかもわからない食料もない病気になった子もいた


そんなときに助けてくれる人がいた、その日はいつもと違った、いつも通り誰かを誘拐しろって言われた子が「次元魔術」を使ったあと死んだ、その後に上の方から何回か轟音が聞こえてきたすぐにやんだけど


その後に、いつも私達の見張りをしている機械の人が階段の方へ走っていった、その後また轟音が聞こえてきたけど二回だけだった


みんな不安そうに何があったのかなって身を寄せ合ってたけどしばらくしたら男の人か女の人かわからない声が聞こえてきた


『人間の醜さがうむ光景か』


いつも来る人とは違ったかなりボロボロだった、この人も奴隷なのかなって思ったけどすぐ違うってわかった、その人はフェンリルさんと少し話した後に


『そ、ならさっさと出るぞ、俺もこんな胸糞悪いところに極力いたくない』


このとき言葉の意味がわかるのは私も入れて数人しかいなかったけどみんな驚いてた

だって木刀で檻が割れたからフェンリルさんがなぜか怒ってたけどみんな驚いてた

その後いつの間にかきれいな部屋にいたそこにはいつも私達をいじめてくる人たちが私達みたいに拘束されていた、そしてドアから逃げようとしていたけどお兄さんが


『なーに逃げようとしてんだこのバカどもが』


脅してた、そしたらいじめてくる人達が気絶した正直驚いた

世の中にはこんなに強くてかっこいい人がいるんだって、私達を助けてくれる人がいるんだって

本当に嬉しかった、しかもお兄さんは私達のために食料までくれたりょうりって言うらしいけど

とても美味しかった、作ってくれた人が嬉しそうにしててなんでだろうって思った

フェンリルさんもよく食べていたけどお兄さんは私達を送ってすぐ出ていってしまった

お腹が減ってるって言ってたのに


だからみんなでいくつかのりょうりをまとめてお兄さんが帰ってくるまでまった

お兄さんは嬉しそうに受け取ってくれた嬉しかった

帰ってきたときお兄さんは知らない人たちを連れてきた、全く知らない人たちで怖かった特にエルフのお姉さんが、お兄さんに怒鳴ってたから仲悪いのかなってみんな思ってたけど違った、面倒なことになるらしくてそれが私には申し訳なかった


しばらく話してたら私達の話になった...このまま行くと私達はまた奴隷になるみたい

嫌だった、せっかく出れたのにまた逆戻りだ、けどお兄さんが私達を引き取ってくれるって言ってたけど

エルフのお姉さんから何人か引き取っても余るって言ってけど小さな女の人とフェンリルさんが

引き取ってくれるから問題ないって言ってた、でも私はなぜか納得いかなかった


多分私はこの人についていきたいんだ

始めて私達を助けてくれようとしてくれた人

初めて私達に普通に接してくれた人

だからついていきたいんだ

私は必死に頭の中や身振り手振りでついていきたいことを示した

そしたらフェンリルさんが話しかけてきた


『なんだお主ついていきたいのか?』


『は、はい!このお兄さんについていきたいです!』


『ではなぜ言葉で伝えない、お主は賢いから喋れるであろう』


『あう、わ、私呪いで喋れないんです』


『む、確かに本当のようだな、どれ儂が伝えてやろう』


『あ、ありがとうございます』


『うむ、お主はお主のしたいようにこれからするといい』


『は、はい!』


嬉しかった、助けてくれた人の役に立てることが、今まで嫌っていた自分自身が

役に立てることが

私はそこからお兄さんについてきた男の人に解呪のスキルをかけてもらって喋れるようになった


『えっとさっき俺に何を伝えたかったのかな?』


『あ、えっと、あの....』


すぐに返事ができない私に腹がたった、なんで私は伝えたいこともはっきり言えないんだろうって

そんな私にお兄さんは


『誰も怒らないからゆっくり喋りな』


そんな優しい言葉をかけてくれた、なんでこのひとはこんなにも優しくしてくれるんだろう

とっても嬉しかった、だからこそしっかりと答えなきゃいけない


『あ、えっとはい、その、私も、連れて行って、ください』


しまった、また間が何回も空いちゃった、いつも空回りしてしまう


『連れて行くって、俺が君を?』


『あう、はい、迷惑じゃなければ』


馬鹿だ迷惑に決まってる、この人は自由な人だそんな人が私の面倒を見るなんて迷惑に決まってる

そんな私の心とは裏腹にお兄さんは


『ほんとにいいの危ないかもしれないよ俺についてくるの』


『わ、わかってます、わたしも迷惑にならないように、しますから』


『迷惑とかは俺に対しては気にしなくてもいいけど、まあ一緒に来たいなら来てもいいよ』


お兄さんはそんな嬉しい言葉をかけてくれた、本当に嬉しかった

お礼を言わなきゃと思ってお礼をいった直後....お兄さんが倒れた

周りの人達は驚いてた、エルフのお姉さんや小さな女の人も急いでお兄さんに駆け寄ってきた

お姉さんたちが言ってたのは「魔力欠乏症」って言ってた、よくある話らしい

しかもお兄さんは骨が折れた状態でずっと動いてたらしくその無理が祟ったらしい

私達のためにそんなと思ったけどお兄さんだから無理したんだろうなって思った

私はお兄さんを連れて行くエルフのお姉さんたちについて行った、他の子はフェンリルさんと小さな女の人と留守番だった


『今から本気で走るけど、あなたは私の背中に乗ってなさい』


『わ、わかりました!』


『はい、乗りましたね、行きますよセート!』


『いやこいつそれなりに重いんで、そんなすぐにおいつけな、て、はや!?』


そんなセートさんをおいてエルフのお姉さんはすごい速度で走ってた

多分ギルドってところにつくまで10秒もかかってない、私達がいたところは遠くに見えるのに


『大丈夫ですか?振り落とされませんでしたか?』


『だ、大丈夫です、すごく早いですね』


『あなたも成長すればこれぐらい出るようになりますよ』


流石にこんな速度は怖くて無理だ


『ぜえ..ぜえ....早すぎますよギルマス』


『あなたが遅すぎるだけですよセート』


ごめんなさいお姉さん私もお姉さんが早すぎるだけだと思います

そうして私はお兄さんを背負ったセートさんについて行って医務室というところに来た


『あ、あのセートさん、お兄さんは、どうなりますか?』


『ん?ああお兄さんってこいつのことか、ま、しばらくしたら起きるよ3日4日ぐらいかな』


『そ、そうなんですね、よかった〜』


『ところで嬢ちゃんどうする?ここに残るかアレイスが契約してる宿に行くか?』


『お、お兄さんが起きるまでここにいます!』


『そうか、そんじゃあ俺はギルマスに言っておくよ』


『あ、あの!セートさん』


『どうした?』


『呪い、解いてくれて、ありがとうございます!』


『なーに気にすんな後でギルドの職員が来るかもだけどビビらなくていいからな優しい奴らだ』


『は、はい!』


そういってセートさんは出ていった

私はセートさんの言葉に対して内心とても驚いていた、だって外の人がこんなに優しいなんて思わなかったから

あの檻に入ったままだったらきっと気づかなかっただろう、改めてお兄さんにお礼を言わなくては

私も少し眠たかったのか、それとも安心したのかすぐに眠ってしまった


私が起きたのは朝だった

起きると部屋に誰かが入ってきた、女の人だった

その人は手にご飯を持っていた


『あ、えっと、こんにちは』


『なんだ、もう起きてたのね、おはよう』


物腰柔らかい人だった


『これ、あなたの朝ごはんよ、ギルマスに持っていけって言われたの昼と夜にも持ってくるから』


『一日三食も、食べていいんですか!?』


『え』


『嬉しいです!ありがとうございます!ギルマスにも、後でお礼を言わなくては』


そう語っていたら唐突に抱きしめられた


『ふえ?え?ど、どうしたんですか!?私なにか、気に触ること、でもいいましたか?』


『いや、違うのよ、こんなに幼いのに相当苦労してきたんだろうなって』


『え?それって当たり前じゃないんですか?』


『いいえ、それは違うわ、普通の子供はいっぱい遊んで、勉強して、いっぱいご飯を食べて、成長するべきなのよ、これからは普通にそうやって過ごしていいからね』


『え、そんな、贅沢しても、いいんですか?』


『決して、贅沢なんかじゃないわよ、これからそれが当たり前になるんだから』


ほんとにいいのだろうか、生き残るためとはいえ、仲間の死体から血を吸うような最低な私が


『ほら、ご飯持ってきたから食べなさい、まだ胃が弱いかもしれないから胃に優しいものだけど、足りなかったら追加で持ってきてあげるわ』


『あ、ありがとう、ございます』


この人も優しい、エルフのお姉さんも優しい、セートさんも優しい、フェンリルさんも優しい、お兄さんも優しい、あの檻から出て優しい人ばかりだ、私はこれが夢でも醒めないでほしいと心から思った


『どう、美味しい?』


『は、はい!すっごく、美味しいです!』


『そう、それはよかった、私が作ったんだけどね、美味しくなかったらどうしようかと』


『お姉さんが、作ったんですか!?すごいですね』


『そう?結構みんなやってるわよあと私のことはレーゼって呼んで』


『わかりました!レーゼお姉さん』


『うっ!....ふ、ふうこれは致命傷になるわね』


『どうしましたか?レーゼお姉さん』


『いえ、気にしないでなんでもないから、それと私しばらくあなたの相手をするように言われてるから、嫌じゃなければ私とお話しましょう』


『いいんですか?嬉しいです!』


そこからしばらくレーゼお姉さんとお話をした、その中で一番驚いたのはお兄さんがとても強いことと

レーゼお姉さんがセートさんと結婚してるということでした

たしか結婚とは好きな人同士が更に仲良くなるためのものと聞いたことがあります

その後もレーゼお姉さんは2日間も私とお話してくれました


『そういえば、2日間もいてあなたの名前を聞いてなかったわね、名前なんというの?』


『名前....名前は私ないんです、お母さんも、奴隷だったらしくて、名付けをすることもできず』


『それは...辛いことを言わせたわね、ごめんなさい』


『い、いえ、気にしないでください』


『そう、ありがとう、けど名前ないのは不便よね、どうせならその子につけてもらえば?』


『い、いえ、そんな贅沢、言えません!』


『相変わらず謙虚ねぇ〜、ま、でもその子は夫の話を聞く限りじゃ、名前はつけてくれそうだけどね』


本当にいいのだろうか、でもレーゼお姉さんも言っていた「やってみることは大事」と

なら聞いてみてもいいのではないか

そう決心してからお兄さんが起きた、そこから色々あってお願いする場面を失っていたが

ギルマスとのお話が終わった後お願いしようと思ったけど、お兄さんが私に名前を聞いてきた


『ところでえーと君は名前がないみたいだけど』


最初はなんで名前がないのを知ってるんだろうって思ったけど待たせちゃいけないと思ってすぐに

理由を話した、理由を話した後アレイスさんは私に質問してきた


『お母さんは?』


私は答えに詰まった、この人には全部話さなきゃいけないのに私はどうしようと悩んだ

けどアレイスさんは


『言いたくないなら言わなくてもいいよ、話したくなったら話せばいいよ』


その言葉がとても嬉しかった何も話さない私を許してくれた、嫌いにならないでくれた

思わずお礼の言葉がでた


『はい!、ありがとうございます』


その御礼のあとアレイスさんは


『うんうん、とりあえず君の名前は俺が決めていいか?』


私がお願いしようとしてたことだ、この人はついていかせてくれるだけでなく

私に名前までくれるのか私は驚きつつもしっかりと返事をした

しばらくするとアレイスさんは口を開いた


『よーし決まったぜ今日から君の名前はスクラレアだ、よろしくなスクラレア』


『スクラレア、はいよろしくお願いします!アレイスさん』


嬉しかった私に名前をくれるなんて、私はもっとこの人の役に立ちたいと思った

その後私は思わず泣いてしまったけど、なんで泣いたのかわからずにいたら

アレイスさんが


『ははは!なーんだ知らないのかスクラレアは、それは嬉し泣きって言うんだよ』


『嬉し泣き?』


思わずオウム返しで聞いてしまった


『嬉しいときとかに涙が出てきたりするんだよ感情が出やすい子とかは珍しくないんじゃないか?』


『そうなんですね、それなら、嬉しいです』


本心からの言葉だった嬉しいという気持ちがずっと溢れてくるアレイスさんとこれから

ずっと一緒にいられることがたまらなく嬉しい

きっとこれから私の人生はとても楽しいものになるんだろうな

そう思わずにはいられなかった

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