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うちの猫はしゃべりたがっている〜その後〜

作者: かずぺあ
掲載日:2024/11/18

うちには猫がいる。

妹が知り合いのおばちゃんからもらってきた猫だ。

うちに来たときはとても小さな子猫だった。


それから15年経ち、今ではお腹の皮膚がたるんで地面につきそうになっている、おばあちゃん猫だ。


15年の間に妹は結婚し、もうこの家にはいない。


やっとのことで就職をした弟は、一人暮らしを始めた。


最初はあまり関心が無い素振りをみせていた母は、今では猫を溺愛している。


定年退職をした父の膝の上に乗って眠りにつく猫。




俺は誰もいないところで猫に語りかける。




もうしゃべってもいいんだぞ?




今さらお前がしゃべっても家族は驚かないぞ?




妹に、結婚おめでとうって。




弟に、就職おめでとうって。




父に、定年お疲れさまって。




母に、いつも、ありがとうって。




全部お前がしゃべっていいんだぞ?




俺が言えなかったことを。




「それは君からいいなよ」



うちの猫はしゃべりたがっている。





うちには猫がいた。

20年間、無口でふてぶてしい態度の猫だった。



俺は誰もいないところで猫に語りかける。最後の最後まで。



そろそろほんとにしゃべっていいんだぞ?



俺とお前だけの秘密にしてやるから


妹と子供たちにも


弟とお嫁さんにも


毎日心配そうに見守っている父と母にも



誰にも言わないから



俺がちゃんと伝えるから、あの頃とはもう違うから


だから…最後に



「君はもう大丈夫」



うちの猫はしゃべりたがっている







俺は泣きじゃくっている



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