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シンリンオオカミ5頭

気にいった作品が完結せずに終わる

足を噛んでいたオオカミが離れたと同時に尻尾を噛んでいたオオカミが飛びかかる。

カメレオン戦士はオオカミを裏拳でいなした。

しかし、その後すぐに美しいオオカミが背中に飛びかかる。


数的有利による波状攻撃の陣形。

他をいなせばまた別のオオカミが飛びかかる。


背中を噛まれるぐらいならまだ飛べるか。


カメレオン戦士は背中の損傷を考えた上で、木の上に飛ぶための予備動作を進めた。


しかし美しいオオカミが選んだのは噛むではなく突進。


よろめいて飛べなかったカメレオン戦士は、何度も続く波状攻撃をただいなし続けるしかなくなっていた。


獲物を追い続け、疲労させ、伏したところで”喰らう”

とても合理的なオオカミ伝統の長距離走的な狩り手法。



カメレオン戦士はオオカミの猛攻を受けながらも最初の目標を忘れていなかった。


小さなオオカミが後ろから飛びかかってきた所に回転を利用した渾身の拳を振り下ろす。

小さなオオカミはその場で地面に叩きつけられた。


血反吐を吐いている。

背骨は折れて皮の中で内臓を貫通している。

地面との衝撃で骨が粉々になっている。

素人目でも明らかな死。


もちろん感傷に浸る瞬間も無く、オオカミは前と後ろからほぼ同時に飛びかかる。

拳を振りかざすと器用に体をくねらせ避けて、振り下ろした方と反対のオオカミが噛みつく。


一瞬の判断で1頭ずつから2頭ずつの波状攻撃に変わっていた。


カメレオン戦士の振りかざした拳は数フレーム前で避けられる。

そしてまた次の2頭が飛びかかる。


100通りのシミュレーションで想定した最悪の最後、、、


”捕食される”


5頭のオオカミ。それも経験による知識を溜め込んだ精鋭達。

普通に考えて勝てるわけがない。


このままやられるぐらいなら、、、

後ろのオオカミに拳を振り下ろした。もちろん避けられる。

同時に前のオオカミが飛びかかることを確認し、お腹に力を込めた。


カチンッ、、!


カメレオン戦士が口から火球を飛ばして、目の前のオオカミを燃やした。


慌てて暴れているが、火はより勢いを増した。


それを見た美しいオオカミは瞬時に小さなオオカミの首を咥えて後ろに走り去る

別のオオカミはカメレオン戦士の尻尾を咥えて、そのまま走り去る。


“カメレオン戦士の尻尾とオオカミの体”


3頭で分けるなら今の飢えは十分にしのげる。

そして獲物は強かった。

迅速で合理的な判断としての撤退だった。


遠くに消えるまで木の上に登っていたカメレオン戦士は焼け焦げたオオカミの体を抱えて反対方向に歩いた。




2週間が経ち、3頭のオオカミは飢えを我慢できなくなっていた。


どこかに“肉”の匂いがする。


血眼になって匂い元を辿ると乾燥しているが良い匂いがする干肉が落ちていた。

我先にと言わんばかりに3頭で取り合いながら食べている。


数分すると1頭、また1頭、そして最後の1頭が倒れた。


森林の影からカメレオン戦士が歩いてくる。


あのまま続いていたら確実に負けていた。


『やはり頭は悪かったようだ。』


“オオカミの血抜きが始まった。”




リリリリリリ!!!!

コロシアムに大きなアラームが鳴り響く。

催眠ガスが森林コロシアム全体を覆い尽くした時、カメレオン戦士の意識は途絶えた。

勝利おめでとう!次も頑張って!

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