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異世界だからって何でもかんでも思い通りに行くわけじゃないからな!


(さて、どうしたものか。)


僕は、大草原の中スライムとゴブリンの群れに囲まれていた。


(この状況まずいよな。いや、かなりまずいよなあ!?ていうか、さっき死んだばっかりの僕が、異世界にきてさらに死んだらどうなるんだ?というか、僕は転生したくないと言ったはずなのだが??それに、あの鬼怖女神何の前情報もなしにここに連れてきて、スキルとか魔法とか武器とかなしかよ!)


「ちょっと、ちょっと待ってくれ、ださい!一旦落ち着いて僕の話を聞いてくださりませんか??」


僕の交渉も虚しく、モンスター達は一歩また一歩とこちらに寄ってくる。


(って、モンスターに交渉しても無駄だよな、てか言葉通じないよな普通。)


「くっそ、き、聞こえておられますか!絶世の美女のアフロデ、なんだっけ…。あーもう、絶世の美女のアフロ様!!あの聞こえてたら助けてくれませんか!?」


僕の命懸けの大声に周囲のモンスター達は警戒し、一歩後退した。

しかし、女神からの応答はなく、危険がないと知ったモンスター達は再びこちらに寄ってくる。


(おいおいおい、くっそこうなったら)


「おいクソ女神!!!絶対聞こえてんだろ!てか聞こえないんだとしたらとんだちんけな女神様だこった!だってそうだろ、さっき車に引かれた時はその凄まじい能力で時止めたくせに、今俺の声が届かないんだとしたら聞いてないフリか遠くから声を聞くような能力持ってないってことだもんなあ!あー所詮雑魚女神なのかよ!」


僕は柄にもなく俺という言葉を使ってしまっていた。


(それもそうだ、こんな危険な状況なのだから仕方がない。ってそんなこと考えてる場合ではない!)


「おいこら誰がクソ雑魚ナメクジだって?」


僕の後ろから声が聞こえたのは、女神を挑発してすぐのことだった。


「ヒィッ!ってあれ、周りのモンスター太刀の動きが止まってる…。」


「そりゃそうよ、あなたの世界でも女神崇拝だのなんだので神様を拝めてるでしょ?でも誰もその神様の存在を見たことはない。それはね、私たちが地に降りるとこうやって時が止まるから、普通は誰もみることができないからなの。ただ、そうやって止まる時の中でもあなたみたいな神が選んだ人間だけがイレギュラーで動けるの。そうやって私たち神が選んだ人間だけに姿を表してるから、今になっても宗教っていうか神様を崇める文化が残ってるわけ。」


「なるほど通りで見えない神様の存在を崇めてるわけか。」

「で、誰がクソ雑魚ナメクジだって?」


僕はナメクジとまでは言っていないはずだ。


「いや、そのことについてはあの本当にすみません。何も分からない状態で急にこんな所に連れてこられたので気が動転してしまっただけです。どうかご慈悲を…。」


女神はゴミを見るかのような目でまた僕を見ていた。


「まぁいいわ、異世界に転生させたのは私だしね。確かに説明しなかったのは悪かったけど、前の転生者は何も説明せずともギフトを使いこなしてたからつい説明を忘れたいわ。」


(前の転生者?僕あなたにも転生者がいたのか。でも重要なのはそのギフトってやつか。)


「あのそのギフトっていうのはなんなんですか?」


「ギフトっていうのは、転生者にだけ女神から与えられる能力のことなのよ。」


(…あぁ、やはりコテコテの転生展開か。てことはその能力がチート級だったりしてきっと最強になったりするんだろうな。)


「なんでそんな少しご満悦な表情してるのよ。」

「あぁ、失礼しました。で、僕に与えられたそのギフトって言うのは?」


どうやら表情に僕の嬉々とした気持ちが出てしまっていたらしい。


期待するのもしょうがない。だって、何もなかった人生にこんなワクワクするような展開が舞い降りてきたのだから!


僕に与えられる能力はなんなんだろか。火でもでるのだろうか?いや、女神が時を止めてるんだ、時を止められるとかか?

僕は期待していた。この時までは。


「因みに神の能力はアクセラレーションね。」

「ア!!!!アクセラレーションですと!?一体どんな能力なのだ!!!?」

「早い」

「なにが、ですか?」

「早いってこと」

「え、だから何がですか?」


「いや、だからとにかく早いのよ。」


(…。いやだから何がだ!!!!終わった。女神の説明能力が壊滅的すぎる。え、どうやって戦えというのだ。ってか早いってのは一体何がなんだ????)


「まぁとにかく早くできるのよ。あ、やばい今日この後マツエクの予定あったんだった、じゃ!」


「ってあ!待ってください、その早くできるって何をなんですか??え?どうやって使うんですか???」


と僕が聞き返そうとしたときには、すでに女神はいなくなっていた。


「あれ、女神がいなくなったということは…。」


案の定僕の周りのモンスターが僕めがけて襲ってきた。


「うおおぉおおおお!とりあえず死ぬ気で逃げるしかねえぇええええ!!!!」


僕は全力ダッシュでモンスターの隙間に向かい走り出した。

そもそも運動は全く得意ではない。つまり普通なら逃げ切れないだろう。

ただ、その時の僕は違った。異様に足が早い気がした。


(え…。速いって…足のこと???こんな能力で異世界を生き抜けというのか?逃げる以外どんな使い方があるって言うんだよ!だから異世界転生なんてしたくないんだよぉおおお!!!!)

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