初心者投資家の失敗談(銀行勧誘編)第3話
初投稿作品です。
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購入手続きそのものは思ったよりも簡単だった。水野の案内に従って、必要な書類に署名し、投資金額を振り込んだ。
しかし、その瞬間から俺の心の中には、興奮と同時に、投資した金額がゼロになるかもしれないという不安がつきまとった。
滞りなく、手続きは完了し、俺は帰路についた。
その日を境に俺の日常生活は根本から変わった。
全ての貯金を投じた投資信託への期待は大きく、毎朝目覚めると市場の動向を確認することが新たなルーティーンとなった。
スマホのアプリで投資信託の金額を見るのが日課となり、朝食を食べる時、通勤の電車の中、さらには仕事の休憩時間も、常に市場の動きに一喜一憂するようになった。
日々、市場の動向を注視するうちに、投資の世界がいかに複雑で予測不可能かを痛感した。
株価は世界中の無数の要因によって左右される。
地政学的な動き、経済指標の発表、さらには自然災害まで、全てが市場に影響を与えた。
俺はそれらの情報に振り回され、時には夜も眠れないことがあった。
最初の数ヶ月は市場が好調で、俺の投資も順調に価値を増していった。
好調な時期は自信に満ち溢れて、すべてが上手くいくような錯覚に陥った。
しかし、市場はいつも好調なわけではない。
ある時期から市場は下落し始め、俺の投資したファンドの価値も減少し始めた。
不安と焦りに駆られ、仕事も手につかないほどであった。
特に夜は悪夢にうなされることもあり、投資した金額を全て失うかもしれないという恐怖が頭をよぎった。
しかし、その一方で、市場が再び好転することへの望みを捨てることはできず、複雑な心境で日々を過ごした。この変動の激しさに、俺の心理状態も大きく左右されていた。
投資による精神的な負担は予想以上に大きかった。
しかし、この後の出来事が最悪な状況へ俺を陥れることになるとは・・・
大和 翔太
年 齢:30代前半
趣 味:筋トレ・ランニング
仕 事:ITエンジニア
投資歴:完全なる初心者
家 族:独身
その他:主人公
大学時代は電気工学を専攻
真面目で勉強家で論理的な思考の持ち主。
優秀が故に一人で突っ走る事もしばしば。
良くも悪くも人間味があり、お金に関する漠然とした不安を解消するために奮闘する。
佐藤 浩司
年 齢:30代前半
趣 味:各種投資・読書
仕 事:法人向けの営業
投資歴:就職直後から貯金を投資に回しており、かれこれ10年ほど
家 族:妻、息子1人の3人家族
その他:主人公の大学時代の友人
大学時代は経済学を専攻
主人公を投資の世界に引き込んだ張本人