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大坂の幻〜豊臣秀重伝〜  作者: ウツワ玉子
長浜編

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第85話 紀州遠征(後編)

感想、評価、ブックマーク登録、いいね!を頂きありがとうございます。


ユニークアクセス数55万を突破致しました。愛読して頂きありがとうございます。


誤字脱字のご指摘ありがとうございました。どうも堀秀政と堀秀治って間違えやすいんですよね・・・。

 天正五年(1577年)三月一日の早朝、羽柴勢は秀吉の指揮の下、弥勒寺山城よりだいぶ北の渡河地点に兵力を展開していた。事前に根来衆から渡河できる浅瀬があることを知っていたが、やはりというか川の向こうには砦が築かれていた。


「ひょっとして、渡河できる場所全てに砦があるのか?」


 河岸で対岸の砦を見ながら重秀がそう言うと、隣にいた竹中重治が、いかにも分かっていたような表情を顔に浮かべながら言う。


「まあ、当然でしょうな。ここは彼等の本拠地の目の前。渡河できそうな所に砦なり罠なりを仕掛けるのは当然でしょうな」


「しかもご丁寧に対岸の枯れ草はきれいに刈られているな。これでは隠れて上陸することもできない」


 重秀がいかにも面倒くさそうな表情をしながら言った。重治が対岸の砦を見ながら、おもむろに口を開いた。


「若君。ここで気をつけなければならないのは、地形というものは地元の者が一番詳しいということです。そして、隣村の者であっても知らない地形があるということです」


「・・・我等の知らない渡河地点があるということですか?」


「はい」


 重秀の答えにニッコリしながら言う重治。重秀が「なるほど」と呟くが、次第に焦りの表情を顔に浮かべた。慌てた様子で重治に言う。


「・・・と言うことは、向こうから反撃のための秘密の渡河地点があると言うことではないですか!」


「お、よく気が付かれましたな。そこに気付かれるとは、さすがです」


 重治がのほほんとした口調でそう言うものだから、重秀はさらに慌てた。


「そんな悠長なことを言っている場合ですか!すぐに父上に報せないと!」


「もう報せましたよ。すでに物見を出して警戒させてますよ」


 重治の言葉に重秀がホッと胸を撫で下ろした。そんな重秀に重治が声を掛ける。


「どうやら、渡河を始めたようでござるぞ」


 重秀が川の方へ視線を向けると、数騎の騎馬武者と、数人の足軽が川を渡り始めた。川を半分ほど渡ったところで渡った者達に異変が起きた。急に馬と足軽が前のめりで倒れだしたのだ。しかも一斉に。馬に乗っていた武者がバランスを崩して川に落馬すると同時に、砦から発砲音が聞こえた。


「罠だ!」


 重秀がそう言うと、周りにいた兵達に叫んだ。


「盾兵は大盾・・・じゃない、竹束を持って川に入り、敵の鉄砲を防げ!鉄砲兵は砦に向かって撃て!こちらに目を向けさせろ!残りは川の中の味方を助けろ!」


 そう叫びながら重秀は馬の腹に蹴りを入れようとした。その時、重治の今まで聞いたことのない怒号が重秀の耳を貫いた。


「出るな!お前も罠に嵌るぞ!」


 重秀の動きが止まった。そして、首だけが動いた。重秀の目が信じられない、という感じで重治を見つめていた。重治がいつもの口調で重秀を諭す。


「若君。大将たる者は、すぐに飛び出してはなりませぬ。敵はそれを狙って来るのです。大将が討ち取られたら、そこで戦は終了ですよ」


 重秀はそれに対して反発した。


「しかし、森勝蔵様(森長可のこと)を始め、将たる者は前線にて槍を奮っております。私も前線に行き、兵と共に戦いとうございます!」


 そんな事を言う重秀に対して、重治は穏やかな口調で諭す。


「その言や良し。しかしながら、罠があるのを分かって突っ込んでいけば、若君が罠に嵌った阿呆と成り下がります。しかも、若君の命で共に突っ込んだ者、若君を助けようと罠に突っ込む者もおりましょう。その者達が死ねば犬死となります。そうなれば、臣下を無駄に死なせた愚か者として若君の名は後世に伝わるでしょう」


「竹中様の言うとおりでございます」


 そう言ってきたのは、重治の隣りにいた騎馬武者―――尾藤知定(前の尾藤重直、のちの尾藤知宣)であった。知定が続けて言う。


「森様は何かと槍一本で突っ込んでいかれる方と思われがちでございますが、ああ見えてちゃんと突っ込むべき時を弁えておられる方にございます。今回のように敵の姿が確認できていない中で、突っ込んでいくほど愚かな方ではございませぬ」


「しかし、誰かが味方を助けないと・・・」


「確かにおっしゃるとおりでござる。しかし、それは若君の成すことではありませぬ。というか、若君が助けに入ったならば、若君を護るために多くの人員を割くことになりまする。その人員をもって味方の救援に回したほうがより効果的にございます」


 重治がそう言うと、知定も「竹中様の言うとおりでござる」と言って頷いていた。重治が話を続ける。


「それに、若君の命で、すでに兵たちは味方を助けておりますよ」


 そう言って重治が川の方を指した。確かに、兵達が重秀の指示度通りに川で倒れた者を助けていた。

 助けに入った者の中には、足を取られて転倒したり溺れたりする者もいて、そういった者達に向けて対岸の砦から鉄砲が容赦なく射掛けられていた。こちらからも鉄砲を射掛けるが、距離が遠いのか、あまり牽制にはなっていなかった。結局、少ないながらも戦死者を出すという結果となってしまったのだった。





 その日の正午頃、柴田勝家の陣営に秀吉等山手の軍勢の首脳陣やその側近が集まって軍議を開いていた。皆が皆、渋い表情を顔に浮かべていた。


「我等が知っている渡河できる場所は全て罠が仕掛けられていたか・・・」


 勝家がそう呻くと、堀秀政が続けて発言した。


「調べたら、川底に壺や樽が埋められてました。人が足を踏み入れると、体勢を崩して転倒します。そこを狙って砦から鉄砲を放つわけですな」


「こっちはそれだけではない。川底に漁に使う網や綱が張り巡らせておったわ。これで兵達が足を止められている間に・・・」


 秀吉がそう言うと、両手で鉄砲を持つポーズをとり、口で「パーン」と言いながら鉄砲を撃つジェスチャーを行なった。


「我が柴田勢もやられたわ。まさかあの様な手を使うとはな・・・。これでは上様に合わせる顔がないわ・・・」


 珍しく弱気な勝家の姿に皆が驚いた。しかし、勝家を弱気にさせるほどに雑賀衆の巧妙な罠は各部隊にダメージを与えていた。各軍勢も主要な武将は失っていないものの、渡河地点を探るだけという簡単な作戦の割には結構な兵を失っていた。


「まあ、僥倖だったのは、我等の知られていない渡河地点を見つけられたというところですかな」


 秀吉の言う通り、雑賀川には根来衆や三緘衆みからみしゅうが知らない渡河地点があった。特に秀吉が受け持った北側に集中してあり、これらの渡河地点から雑賀衆を山手側に渡らせた場合、三緘衆の拠点を襲われる可能性があった。そうなった場合、山手の軍勢は三緘衆から補給を受けることができないどころか、三緘衆の集落が守られなかったとして、織田軍との間に亀裂が生じていただろう。

 秀吉が話を続ける。


「とりあえず、今まで知られていなかった渡河地点の我等側の岸には簡易的ながら砦を築き申した。向こうからの逆襲はこれで塞がれよう。ただ、その分兵力は分散されるが故、渡河した後の攻城戦の兵力は減るがのう」


 秀吉の話に対して勝家が答える。


「それに関しては大事無い。上様の下にはまだまだ多くの兵がいる。援軍を儂が要請しておこう。罠のあった渡河地点は罠ごと土のうで埋めてしまおうと考えている。今その土のうを柴田勢と三緘衆が作っているところじゃ。そこで」


 勝家が一旦話を止めてその場に居た者達を見渡した。一拍置いた後に再び話し始める。


「準備でき次第、柴田勢と堀勢は渡河をして弥勒寺山城を攻めようと思う」


「・・・柴田様。それでは兵力は足りませぬか?上様からの増援を加えたとは言え、それでは・・・」


 秀吉の発言を勝家は右手で制した。そして勝家が話を進める。


「そこで筑前と別所殿には牽制として渡河してもらう。何、向こうの砦から弥勒寺山城に兵の移動をさせない程度でよい」


「お待ちくだされ。我が別所勢も城攻めに加わりとうございまする!何卒・・・」


 今度は長治が発言しようとしたが、これも勝家に右手で制されてしまった。勝家が長治を見ながら諭すように話す。


「別所殿の心意気、この柴田修理亮、確かに受け取った。しかし、外様の別所殿の力を借りては、この柴田の名が堕ちまする。何卒、筑前と共に動いてもらいたい」


 勝家にとっては別所勢は織田家の家臣ではなく、織田家に与する独立の大名だと考えていた。その別所勢にあまり負担をかけさせたくない、というのが勝家の本心であった。ただ、勝家の口調から、若く血の気の多い長治はそのようには受け取らなかった。むしろ邪魔者扱いされたと感じていた。

 長治が反発しようと口を開きかけた。しかし、側に居た叔父の別所重宗が先に「承った」と言ってしまい、結局長治は勝家の提案を受け入れてしまったのであった。





 その日の夕刻、秀吉は重秀と小一郎、そして重治を連れて別所長治の陣を訪れた。


「これは羽柴様。わざわざのお越し痛み入る」


 そう言って長治は深々と頭を下げた。隣りにいた重宗も長治に習って頭を下げる。一方の秀吉は、右手を横に振りながら長治に笑いかけた。


「いやいや、これから播磨でお世話になるのに、こちらからご挨拶に出向かなければ失礼というもの。それに、今までご挨拶に向かわなかった無礼を詫びなければななりませぬ故」


「織田家中でも一、二を争う重臣の羽柴様にその様に言われるとは、別所家の誉れにございます」


 そう言い合った長治と秀吉は、さっそく互いの家臣達と共に今後の対応を話し合った。


「それでは、こちらにいる竹中半兵衛より、羽柴が立てた策を説明いたしまする」


 秀吉がそう言うと、重治が立ち上がった。そして、その場に居た者達の目の前に広げられた絵図を使って作戦の説明を始めた。


「我等は弥勒寺山城へ援軍が行かぬようにするために、雑賀川の西岸沿いに築かれた敵の複数の砦を一斉に攻撃致します。砦の前にある渡河地点ですが、鉄砲隊の援護の下、罠を解除しつつ前進致します。ただし、前進するだけです。あくまでこれは砦への攻撃をすると見せかける牽制です。

 そして、雑賀川の北側、紀の川との合流地点に近い部分に、秘密の渡河地点があります。これは恐らく雑賀衆が西岸から東岸の我等の背後を突くための反撃の経路だと思われます。実際、この渡河地点には罠が仕掛けられておりませんでした。

 ・・・別所勢には、この北側の秘密の渡河地点から西岸へ渡河を行って下さい。そして、西岸にある敵の一番北側の砦を一つ落としていただきたい。この砦を落とせば、他の砦の兵は北からの攻撃を恐れて兵を砦に籠るものと思われます。そうなれば、弥勒寺山城への援軍にはならないと考えられます」


 重治の説明が終わった後、秀吉が長治に話しかける。


「柴田様との軍議で別所殿は積極的に前に出ることを望まれていた様子。なので、一番北側の砦を落として頂きたいのですが、如何ですかな?」


 秀吉がそう言うと、長治が目を輝かせながら「承知した!」と即答した。隣にいた重宗が嫌そうな顔を一瞬出したが、すぐに平静を装うと、落ち着いた口調で秀吉に言う。


「筑前殿より重大な役目を仰せつかるは武人の誉れ。喜んてお受けいたしまする。しかしながら、いかんせん我が方は兵力が少のうございまする。なので、羽柴勢より増援をお受けしたく」


「無論無論。その点はご心配なく。我が息、羽柴藤十郎がお供いたしまする」


 秀吉がそう言うと、側にいた重秀がやや緊張した面持ちで一礼した。すると、重宗が重秀を胡散臭そうに見ながら言う。


「筑前殿。こう言ってはなんだが・・・。藤十郎殿は若すぎではないか?見たところ、十代前半と見受けられるが。その様な者に、我等の援軍が務まるのであろうか?」


「なんと無礼な!こう見えて十六でございます!」


 重宗の言葉に重秀が反発した。と同時に、長治も叫んだ。


「叔父上!藤十郎殿に失礼ではありませぬか!」


 長治が叫んだことで重宗だけでなく秀吉達も驚いた。長治が重秀に頭を下げる。


「藤十郎殿。叔父上の無礼、お許し願いたい」


 長治の行動に驚いていた重秀であったが、秀吉の「おい、藤十郎」の一言で我に返った。


「えっ、あ、はい。謝罪確かにお受けいたしました」


 重秀がそう言ってお辞儀をすると、長治は秀吉にも頭を下げた。これでこの件は終わった。

 その後は細かい役割分担を話し合われた。話し合いは長くなり、終わった時にはすでに日没後となっていた。秀吉達が自分たちの陣に戻ろうとしたときだった。


「殿!羽柴の使者がお見えになっております!」


 別所の鎧武者がそう言って長治の下に駆け込んできた。そして、その後ろから、同じく鎧武者が息を切らせながらやってきた。よく見れば、それは蜂須賀家政だった。


「なんだ、彦右衛門(蜂須賀家政のこと)じゃないか。どうした?」


 秀吉がそう声を掛けると、家政が呼吸を整えながら声を上げる。


「も、申し上げます!柴田様の本陣に雑賀衆が夜襲をかけました!」


 家政の報告に、別所の陣は一瞬だけ静まり返り、すぐに驚きの叫びが溢れ出した





 山手の軍勢によって渡河地点すべてを抑えられた雑賀衆。しかし、雑賀衆は別の手段で山手側へ兵を送り込んでいた。雑賀衆は紀の川河口に湊を持っており、大和国の山奥から紀伊水道を経て瀬戸内海や太平洋の先まで水運を握っていた。つまり、船を使っての運送はお手の物であった。

 雑賀衆は和歌の浦の南を船で迂回、南側から上陸すると、北上して雑賀川河口に陣を張っていた柴田勝安(のちの柴田勝政)の陣を襲撃し、その後さらに北上、柴田勝家の本陣をも夜襲をかけることに成功していた。結果、柴田勢は次の日に行われる渡河作戦ができなくなっていた。

 さて、雑賀衆は何も山手の織田軍のみに夜襲をかけていたわけではない。浜手の方にも少数の兵を送り込んで撹乱していた。そのせいで、浜手の軍勢も十ヶ郷(じっかごう)への侵攻を先送りせざるを得なかった。


 雑賀衆による船を使った遊撃戦は、その後も続いた。織田軍は襲撃を防ぐために砦を築き、その先へ進めなくなっていた。下手に10万もの兵力を集めていたため、武器弾薬や兵糧などの補給線への負担も大きくなっていた。

 そんなこんなで雑賀攻めは信長が安土を発してから1ヶ月経っても決着が付かなかった。総指揮を取っている信長には焦りの感情が湧き上がっていた。ただでさえ織田軍の後方には石山本願寺が控えているのに、さらに毛利や上杉がいつ上洛の軍を発してくるか分からない状況で、これ以上大軍を雑賀攻めに貼り付けさせたくなかった。

 一方、雑賀衆の方も、防衛はできているが戦況を有利にすすめることができなくなっていた。なんと言っても兵力が足りなさ過ぎた。ここで無理をして攻勢に出ても、返り討ちにあうだけで形勢が逆転することはないと、鈴木孫一を始めとした雑賀衆の指導部が一番理解していた。

 結局、三月十五日には雑賀衆の指導者達が連名で信長に二度と逆らわない旨の誓紙を提出すると同時に、信長が雑賀衆の赦免を記した朱印状を交付することで和議が成立した。





 三月二十日。次の日には陣払いをするということで、織田軍の各陣では撤収準備がなされていた。そんな中、秀吉は長治と重宗を自分の陣に誘っていた。


「此度ははるばる播磨の三木城よりお越しくださった別所殿に、我が愚息が茶を点てたいと申しましてな。まだまだ未熟者なれど、何卒茶を飲んでいって下され」


 ―――本当は父上が『別所殿とお近づきになれる良い機会じゃ!藤十郎、茶を点てよ!』と命じてたのに、よく言うよ―――


 秀吉の陣(というよりは砦)の中にできた茶室で、重秀はそう思いながらも長治や重宗に濃茶を練っていた。長治と重宗より下座に座っていた秀吉がまだ話を続ける。


「茶道具は戦場故、全て雑器なれど、茶葉は宗易様より送られし宇治の茶。別所殿にも気に入ってもらえるかと」


 秀吉がそう言い終わるのと同時に重秀が「どうぞ」と言いながら茶碗を差し出した。長治が「お点前頂戴いたしまする」と言いながら茶碗を持ち、作法通りに飲む。そして作法通りに隣りに座っている重宗に渡した。そして長治がお茶やお菓子について色々聞き、これに対して重秀が淀みなく答えた。そんな遣り取りをした後に今度は薄茶を点てて皆で飲んだ。


「結構なお手前でございました。さすが、千宗易様に習っているだけあって、心のこもったもてなしでござった」


 薄茶を飲み終え、全てのもてなしが終わったところで、長治が重秀に話しかけた。重秀が恐縮しながら答える。


「いえ、まだまだ修行の身でございますれば。別所様のような名門の方に無礼がないようにするのに精一杯でございました」


「名門なんてそんな・・・。我が別所家は播磨守護の赤松家の血筋とは言え庶流でござる。織田の姫を迎えられた羽柴殿に比べたら、別所はまだまだ外様でござる」


 長治も恐縮しながら重秀に言った。横から秀吉が口を挟む。


「外様と言えど、播磨の抑えを担っている別所殿を上様は頼りにしておりまする。今後とも、上様を何卒お支え下され」


 そう言って秀吉は平伏した。重秀も平伏すると、長治と重宗も平伏した。


「いえ、羽柴殿は今後は播磨や但馬を調略されると聞きました。別所家もお力添え致します故、何卒上様への取次をよろしくお願いいたしまする」


 長治の言葉に、秀吉は播磨の調略の成功を確信し、内心ほくそ笑んだ。もっとも、秀吉の喜びはぬか喜びに過ぎなかったのだが。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 流石は今孔明。頼りになるなあ
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