第80話 長浜城の宴
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天正四年(1576年)十月十二日。岐阜の羽柴屋敷で計5日間続いた重秀と縁姫の祝言は、滞りなく終わった。3日間続いた宴会に前田利家・利勝親子と森長可が全て参加するという想定外のことが起きた事以外は、特に大きなトラブルもなく終了した。
「ああ・・・、頭痛い・・・」
十二日の夜明け頃に目を覚ました重秀は、二日酔いからの頭痛に顔を顰めた。さすがに3日間の酒宴で浴びるほど酒を飲んだのである。父秀吉ほど酒に強くない重秀が二日酔いになるのも当たり前というものであろう。
重秀は隣で寝ている縁の方を見た。3日連続の宴会に疲れたのだろう。死んだように眠っていた。
「・・・死んでないよな?」
そう呟きながら右掌を縁の口元へ持っていく。息遣いを掌で感じてホッと胸をなでおろした重秀は、そっと起き上がると音を立てないようにして部屋を出て行った。
「若君、お早いお目覚めで」
井戸で顔を洗い、歯を磨いて別室―――大松時代の自室に入った重秀に声を掛けた者が居た。大谷吉隆であった。
「ああ、紀之介か。着替えるから手伝え」
「御意」
吉隆の手伝いで普段どおりの肩衣袴に着替えると、朝餉を取るべく部屋を出ようと障子を開けた。すると、そこには縁と夏、そして帰蝶から付けられたもう一人の乳母が三つ指を突いて平伏していた。
「御前様、お早いお目覚めにて」
「あ、ああ縁ど・・・縁か。もう少し休んでいても良かったのだぞ」
「妻として、その様なことはあってはならないものでございます。何卒、お許しを」
「謝ることではない。それよりもそこに居ては寒かろう。朝餉にする故、三人共居間へ行こう」
重秀がそう言うと、夏が驚いたような顔をしながら声を上げる。
「わ、私共もでございますか?」
「当然だろう。乳母殿達にも羽柴の習わしを学んでもらわないと」
「はあ・・・」
夏がそう言うと、隣りに座っていたもう一人の乳母―――七と顔を見合わせた。
重秀は縁と乳母二人、紀之介と一緒に居間へ向かった。居間に入ると、囲炉裏を囲んで小一郎ら羽柴屋敷に居た者達がすでに座っていた。囲炉裏の中心では鍋が火にかけられており、千代が鍋をかき回すたびに湯気がリズムよく立ち上がっていた。
「おお、藤十郎。縁様も乳母殿もお早うございますな」
小一郎がそう言いながら上座の方へ手を差し伸べる。
「さあ、藤十郎も縁様もこちらへ」
「・・・よろしいのですか?私が上座で」
「兄者がいない以上、嫡男たる藤十郎が上座に着くべきだろう。儂は基本家臣だしな」
「そういうこと。さあ、早く座れよ。藤十郎が座らないと俺達が朝餉を食えなくなる」
小一郎に続いて浅野長吉がそう言うと、重秀は縁と共に上座に座った。乳母の夏や七も空いている所に座った。直後、重秀達に雑炊が入った椀が差し出された。
「おお、千代さんの雑炊か!」
重秀の声に、鍋から雑炊を椀によそおっていた千代が答える。
「はい。酒宴で疲れた腹をこれでお休め下さい」
千代の言葉を聞いた重秀は、隣りに座った縁に声を掛けた。
「千代さんの雑炊は酒宴の次の日の朝では必ずと言っても良いくらい食されてるんだ。父も皆も好きな食い物だ」
「へえ・・・」
縁が湯気を上げている雑炊を見つめたまま返事をした。重秀が皆に声を掛ける。
「さて、ではいただこうか」
重秀がそう言うと、全ての者が椀に口をつけた。
「・・・美味しい!」
初めて口につけた縁が声を上げた。隣で重秀が微笑んだ。
「でしょう。気に入ってもらえて何より」
「私もこのような美味しいものが作れるでしょうか?」
「千代さんは教え上手ですから、きっと作れますよ」
「お味見は御前様に任せても?」
「もちろん」
重秀と縁が仲良く話し合う。そんな新婚のやり取りを見せつけられた者達。小一郎や長吉、木下家定や竹中重治に山内一豊といった年長者は微笑ましく見ており、石田正澄や福島正則、加藤清正といった独身者は羨ましそうに見ており、加藤茂勝や吉隆は目を白黒させていた。
「コホン。さて、仲睦まじいところ済まぬが、今日の予定を話し合いたいのだが」
小一郎が咳払いをしてからそう言うと、重秀のだらけ切った顔が真面目な顔に一瞬で変わった。そして、今後のことについて雑炊を食べながら話し合うのであった。
午後になって、長浜城への出立の準備の合間を縫って、重秀は岐阜城にある織田信忠の屋敷を訪れた。
「この度は妻である縁の輿入れにつき、過分なる祝いの品をいただき恐悦至極。さらに、一昨日の酒宴にもご参加いただき、羽柴家の誉れにて候」
信忠に平伏しながら挨拶を述べる重秀に、信忠は嬉しそうに頷いた。
「うむ、これにて羽柴は織田の一門よ。今後も父と儂を支えてくれよ、義弟よ」
「ははぁっ!」
信忠の口上に対して重秀は深々と頭を下げながら返答した。信忠の側にいた津田信澄が重秀に話しかける。
「酒宴に出たあの『琵琶湖の鯨』。あれは美味かったぞ。できれば、新庄城に届けて欲しいのだが」
「承知いたしました。ただ、黒鯨(豚のこと)も赤鯨(牛のこと)も数が少なくなっております。黒鯨は多くの子を生むとは言え、此度の祝言の返礼品としてほとんど捌いてしまいましたし、赤鯨は色々使えるので、生きたまま売られていくのです」
「それは残念じゃ。黒鯨は猪と似てて、食べるのに抵抗がないからな。ついつい多く食べてしまう」
舌で唇を濡らしながら言う信澄に、重秀が「早急に、何とか致します」と頭を下げる。嬉しそうな顔の信澄に信忠が釘を刺す。
「おい、藤十郎にあまりせびるなよ。ちゃんと銭を払え」
信忠の言葉に、信澄が「あはは」と笑いながら後頭部を撫でた。信忠は渋い顔をしつつ重秀に顔を向けた。
「時に藤十郎よ。あの酒宴が終わった後、三介(北畠具豊、のちの織田信雄)から何か聞いておらぬか?」
「北畠様からですか?そう言えば、一昨日の酒宴でお酌した時に何か相談事があるとか何とか言っておりましたが。しかし、その後何も言ってきておりませぬ」
重秀が一昨日の酒宴の事を思い出しながら答えると、信忠は腕を組んで首を傾げた。
「ふむ、何か父上から言われているな、とは感じていたが、何かあったのだろうか?
・・・まあいい。藤十郎よ。あれもそなたの義兄故、何かと力になってくれ」
「はっ、承知いたしました。それではこれで御暇いたしまする」
重秀が深々と頭を下げて平伏した後、重秀は信忠の前から退出した。
次の日、いよいよ重秀達は縁を連れて長浜城へ向かうこととなった。が、その前に岐阜城から二千人近くの行列が羽柴屋敷の前までやってきた。
これらは全て縁の花嫁道具や私物を長櫃に入れて持ってきた小者と、祝言の時に羽柴屋敷に入れなかった侍女達、織田家より遣わされた縁付きの家臣及びその手勢であった。嫁ぐ姫君に家臣を付ける事はよくある話で、例えばお市の方が浅井長政に嫁いだ時には、藤掛永勝が随伴している。
さて、縁付きの家臣として織田家より派遣されたのは河北算三郎という者であった。これは織田信包の家臣である河北藤元の一族の一人である。
「河北算三郎、ただ今縁姫様の侍女及び小者を率いて参りました!」
「よし、行きましょう」
算三郎から到着の報告を受けて、すでに出立の準備を終わらせていた重秀は、側に立っている小一郎にそう声を掛けた。小一郎は頷くと、これまた側に控えていた藤堂高虎に命ずる。
「与右衛門、露払いを頼むぞ」
「御意!」
高虎が野太い声で返事をすると、側にいた馬に跨り、門の外へと向かっていった。それを見た重秀達も、一斉に馬に乗り、また、縁などの女達も輿に乗った。
高虎の先導の元、小一郎が迎え役として手勢を率いて出発し、次に送り役の堀秀政が同じく手勢を率いて出発する。実は秀政の送り役としての役目は、岐阜城から羽柴屋敷までの間の行列に参加することですでに終わっているのだが、信長より秀吉宛の書状を持っているため、ついでに参加したというのが正しい。
次に重秀と彼を守るように前後左右を正則、清正、茂勝、吉隆が固め、その後ろには正澄、長吉、家定らが手勢を率いて出発。その後ろから重秀達に護衛されるように縁やその乳母、千代らが乗った輿が続き、さらに後ろから算三郎が護衛する侍女や長櫃を持った小者が続き、最後に殿として一豊の手勢が付き従っていた。
そして、重秀達の花嫁行列のさらに後ろからは、越前府中城へ戻る前田利家・利勝親子が率いる前田勢が付いてきていた。彼らは長浜城で一泊予定だったので、ついでに護衛を買って出ていたのだった。
重秀達の花嫁行列が長浜城についたのは、日没を過ぎて少し経ってからのことであった。しかし、長浜城へ入る直前から、すでに秀吉は手を打っていた。
すなわち、長浜城下町へ入る直前から、道の両脇には篝火が焚かれ、道を明るく照らしていた。そして、長浜城下町の全ての戸建ての入り口にも篝火が焚かれていた。
そして、明るい長浜城下町の先には、あらゆる場所に篝火を置いてライトアップされている長浜城が夜の闇に浮かび上がっていた。これには縁を始めとした織田家の者達はもちろん、付いてきた秀政や利家親子、そして重秀達すらも驚きの表情を顔に浮かべていた。唯一、小一郎だけは「また兄者は銭を使って・・・」と呟きつつ、呆れたような顔をしていた。
そんな長浜城下町を進む中、縁は輿の簾越しに城下町の様子を見ていた。夜だと言うのに町人たちが外に出て行列を見ていた。皆が陽気そうな顔をして見ており、中には酒を飲んでいるのか、盃や椀を手に持った人まで居た。
「・・・これが長浜城の町ですか・・・」
思わず口に出した縁に、外から女性の声が聞こえてきた。
「なんと言うか、とてもにぎやかなところですね。安濃津城の城下町も湊町故、にぎやかなのは当たり前ですが、ここはそれ以上ですね」
簾の向こうから縁に話しかけてくる声が聞こえた。乳姉妹で夏の娘の照だった。彼女もまた母である夏と共に縁に仕えるべく長浜へ来ていたのだ。
「安濃津の城下町はまだ再建したばかりですから致し方ありませぬ」
縁が苦笑しながら照に言った。
安濃津城の城下町である安濃津は平安時代には重要な港町として栄えていた場所であったが、明応七年(1498年)に起きた大地震による津波で壊滅。その後は廃れていたものの、長野氏が安濃津城を築城して以降は城下町として復活しつつあった。その流れを加速させたのが、現安濃津城主の織田信包である。
「御姫様、長浜城に着きましたよ」
照の言葉に、縁は簾越しに長浜城の方を見た。篝火でライトアップされた長浜城の天守を見て、縁は改めてその幻想的な光景に圧倒されたのであった。
重秀が長浜城の大手門をくぐると、そこには秀吉が立っていた。
「父上!?わざわざ出迎えなくても・・・」
「何を言うとるんじゃ!お主を出迎えたんじゃのうて、織田の姫を出迎えたんじゃ!」
そう言いながらも重秀の顔を見ながらニコニコしている秀吉に、すでに馬から降りている小一郎が「素直じゃないんだから・・・」と苦笑いしながら呟いていた。
一方、重秀は馬から降りると、秀吉の側で縁の輿が近くに来るまで待っていた。そして、縁の乗った輿が秀吉と重秀の前まで来ると、輿はゆっくりと地面に下ろされた。輿の側に居た照が簾の前に草履を置き、簾を巻き上げる。すると、輿の中から縁が出てきた。草履を履いて秀吉の前まで来ると、深々と頭を下げた。
「お初にお目にかかりまする、義父上様。縁でございまする。よろしゅうお頼み申し上げまする」
「おお!これはこれはご丁寧な挨拶じゃ!儂が藤十郎の父の羽柴筑前守じゃ。義父様として何でも頼ってくれ!」
縁と秀吉とで挨拶が交わされた。その横から重秀が縁に手を差し伸べる。
「さ、縁。ようこそ、我が羽柴の城へ」
笑顔の重秀の顔を見ながら、縁は頬を朱く染めると、差し伸べた手を掴んだ。そして二人は秀吉が先導する形で城の中に入っていった。
長浜城の本丸御殿。普段は使わない大広間には、数多くの者達がお膳の前で座っていた。杉原家次などの一門衆。蜂須賀正勝や前野長康、加藤光泰といった長浜に残っていた家臣。宮部継潤や中村一氏、堀尾吉晴といった与力武将。そして利家親子といった客人が多く座っていた。その客人の中には、千宗易や小西隆佐、ロレンソ了斎といった顔馴染みもいたが、中には重秀が知らない人物もチラホラと居た。
「・・・?叔父上、父上は?」
上座上段の間で縁と並んで座っていた重秀は、下段で一番近くに居た小一郎に聞いた。
「ああ、ちょっと書院にて堀殿と話をしている。先に始めて良いと」
小一郎がそう答えると、重秀は「そうですか」と溜息をついた。続けて「では叔父上、お願い致します」と言うと、小一郎は大きく咳払いをする。それまで談笑をしていた者達が静かになると、小一郎は大声を上げた。
「えー、それではこれより長浜城での酒宴を始める!」
小一郎の号令で、人々は一斉に酒を飲み始めるのであった。
上座上段の間に座っている重秀と縁に次々と来客が挨拶とお酌をしにやって来る。さすがに縁には強く勧めないが、重秀には遠慮なく酌をしてくる。挨拶に来る者のほとんどが重秀のよく知る人であったが、中には知らぬ者もいた。
「お初にお目にかかります。それがし、摂津は高槻城主、高山右近大夫重友と申します。この度、宗匠(千宗易のこと)のお誘いを受けて参りました。今後ともよろしゅうお願い致します」
首からロザリオをぶら下げた、清潔感のある顔立ちの男が挨拶をした。重秀も挨拶を返す。
「羽柴藤十郎重秀にございまする。わざわざのお越し、恐縮でございます」
「いやいや、食べられる牛を飼っていると聞きましてな。是非筑前殿とお近づきになりたいと思い、宗匠に連れてきてもらったのでござるよ。それがしが南蛮に伝わる肉と米の料理を教えたところ、大変喜ばれましてなぁ。恐らくこの酒宴にも出るものと心得ます」
重友の言葉に縁が驚いたような顔をしたが、重秀はそれに気が付かずに重友に言う。
「それは、楽しみですね。高山様もどうぞごゆるりとお楽しみ下され」
「お心遣い感謝いたす。ではそれがしはこれにて」
次の人が後ろに控えているので、重友はそう言うとさっさと立ち上がって自分の席に戻っていった。次に来たのは眼光鋭い男であった。
「お初にお目にかかります。それがし、播磨守護の重臣小寺加賀守様(小寺政職のこと)の家臣、姫山城代を務めまする小寺官兵衛孝隆(のちの黒田孝高)と申します。この度のご婚礼、誠に祝着の極み。我が主加賀守に代わりましてお祝い申し上げます」
そう言いながら平伏した男を重秀は興味深く見つめつつ、声を掛けた。
「ご丁寧な挨拶、痛み入ります。父より名は伺っております。稀代の戦巧者だとか。永禄十二年(1569年)五月には赤松勢に対して少数の兵数で野戦に挑んで勝利し、さらに六月には夜襲と強襲で赤松勢の兵数百を討ち取ったと聞いております」
「いや、よくご存知で。しかし、あの戦は猛省すべき戦でございましてな。特に六月の戦では我が家臣も多く討ち死にいたしました。今後、あの様な戦はすべきでないと心に刻んでいるのでござる」
たはは、と笑いながら言う孝隆。しかし、真剣な顔になると、重秀に話しかけた。
「羽柴様が播磨と但馬の調略を担うと聞き及んでおります。我が小寺家は右大将様(織田信長のこと)に恭順しておりますれば、羽柴様のお役に立てるかと存じます。さらなるお付き合いのほど、よろしくお頼み申し上げます。そして、ささやかながら若君に婚姻の祝いの品を持って参りました」
そう言うと、孝隆は一息ついて、また話し始めた。
「我が故郷、播磨国飾磨郡は牛革の産地。鞣し職人を数人連れて参りました。こちらに置いていきます故、存分にお使い下され」
「おお!それは有り難い!小寺殿、感謝いたします!」
重秀が喜びの声を上げると、孝隆がさらに話しかける。
「しかし、牛を食す南蛮人のために牛だけではなく豚まで飼うとは。聞けば養蚕や桐油の増産も指揮されているそうで。羽柴の次代も安泰ですな。
・・・そうそう、筑前殿が南蛮の米料理を出してくれるとか。しかも牛の肉を使うそうで。いや、楽しみですなぁ」
ニコニコ顔でそう話す孝隆に対して、縁が「・・・牛の肉・・・」と呟いた。
その時であった。大広間に秀吉が入ってきた。後ろには、鍋を手に持った侍女が10人以上並んでいた。
「さあさ皆の衆!今宵は珍しき南蛮の米料理を振る舞ってしんぜよう!『あろすこむわか』という料理でござるぞ!『琵琶湖の赤鯨』と米を梔子の実を砕いて漬けた水で炊いた飯でござる!ささ、たんとお食べ下され!」
秀吉がそう言い終わると、侍女たちが膳の前に来て椀にご飯をよそう。胡椒と大蒜と長ネギの香りがすべての人の食欲を掻き立てた。
そして上段の間に座っている重秀の前にも鍋が置かれ、侍女が椀にご飯をよそう。梔子の実によって黄色くなったご飯に肉がゴロゴロと入っており、今まで見たこと無い飯に重秀は驚き、縁は絶句していた。
「それでは皆様、頂いて下され!」
秀吉が自分の前に座り、そう大きな声を上げると、皆は一斉に恐る恐る箸でご飯を口に運んだ。そして一斉に感嘆の声を上げた。ただ、縁だけは唖然としながら黄色いご飯と黒黒とした肉の塊を見つめていたのだった。
注釈
『あろすこむわか』こと『アロース・コム・ワカ』は、ポルトガルの料理の一種である。アロース(arroz)はポルトガル語で米、コム(com)は前置詞で「〜と」という意味、そしてワカ(Vaca)は牛のことを指す。ご飯が黄色いのはサフランと一緒に米から煮るためである。
パエリアに似た料理であり、大分の郷土料理『黄飯』の元祖と言われている。