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第77話 蒲生の姫君

感想、評価、ブックマーク登録、いいね!を頂きありがとうございます。


ブックマーク数3000件突破致しました。また、総合評価も13000Pt突破致しました。ありがとうございました。


感想はもちろん、活動報告にまでコメントをいただきありがとうございました。個別返信はしておりませんが、ちゃんと読んでおります。大変励みとなっており、感謝しております。


来週火曜日(26日)の更新は私事につき、更新はございません。次回更新予定日は29日(金)です。


どうぞよろしくお願いいたします。

 天正四年(1576年)九月上旬。織田信包は娘とその乳母を連れて岐阜城に入った。そして、岐阜城本丸の中奥にある大書院にて、信長とその正室である帰蝶、信忠とその兄弟(養子に行った北畠具豊と神戸信孝を除く)姉妹に挨拶を行った。その日より、信包の娘の藤改めゆかりは信長と帰蝶の養女として、岐阜城の本丸御殿内で一月ほど過ごすこととなった。


 縁は織田家の習わしや作法を学ぶ事となったが、細かい部分を除いては大体は長野家の習わしや作法と変わらないため、すんなりと覚えることができた。しかし、習うのはそういった作法だけではない。重秀と同様、子の作り方も習わなければならなかった。

 縁の場合、重秀と異なるのは実践を伴う学習方法ではなかった。女子用に簡易化されたハウツー本、いわゆる春本を教科書に乳母から口頭で教わる、というものであった。


御姫様おひいさま、ご理解いただけましたか?」


 乳母であるなつからそう尋ねられた縁は、疲れたような顔で答える。


「は、はい。なんとなしには分かっていたつもりでしたが、改めて教えられると、子をすというのはとても大変なことなのですね」


 そう言う縁に対して、夏は優しく語りかける。


「はい。残念でございまするが、物語のように美しきものではございませぬ。まあ、光の君は子作りではなく、理想の女子おなご・・・母上でございますが、それを追い続けんがためになさっていたようですが」


「・・・そう言えば、私の夫となられるお方も早くに母上を亡くされているお方。母を追い求めようとなさっているのでしょうか?」


 縁が首を傾げながらそう尋ねると、夏も首を傾げながら答える。


「・・・お父上の羽柴筑前守様は無類の女子好きとは聞いておりますが、藤十郎様にはそんな噂はございませぬ。また、衆道を嗜んでいるという噂もございませぬ故、あまり色事には興味を持たぬお方なのやもしれませぬ」


「そうですか・・・」


 縁が不安そうな顔で呟くと、夏はそっと縁の頭を撫でながら語りかける。


「ご心配召されまするな。そういう男子おのこは、妻には一途となりましょう。きっと、御姫様とは良き夫婦となられましょう」


「・・・はい」


 夏の言葉に安心したのか、縁ははにかみながら返事をしたのだった。





 縁が岐阜城で織田家の娘として修行している頃、重秀は秀吉の使者として日野城を訪れていた。本当は羽柴の嫡男が行うほどの使者ではないのだが、気晴らしとして秀吉が重秀に命じたのであった。

 日野城の広間にて、城主の蒲生賢秀に秀吉からの書状を渡し、先日蒲生家から頂いた重秀の祝言に対するお祝いの品の御礼を口上で申し上げた後、重秀は蒲生賦秀の茶のもてなしを受けた。

 茶室に入る重秀。そこには、賦秀の他に一人の少女がいた。


「ようこそ我が席へ。此度はこの忠三郎が藤十郎殿をおもてなし致し申す。こちらに侍るは我が妹の()()にございます」


「お初にお目にかかりまする。蒲生左兵衛大夫(蒲生賢秀のこと)が娘、()()と申します」


 賦秀に紹介された少女は、三つ指を着いて平伏すると、少し顔を起こしながら挨拶をした。顔を見た重秀は思わず息を呑んだ。()()の情報は賦秀から頼んでもいないのに知らされていたので、大体は知っていた。しかし実際に見てみると、さすがは美丈夫として信長に気に入られていた賦秀の妹であった。つまり、健康美溢れる美少女なのだ。


「・・・羽柴藤十郎でござる」


 言葉短めに挨拶をすると、()()は頭を深く下げた。そして一旦部屋を出た。そして茶を飲む前に食べる懐石料理を乗せたお膳を持ってきた()()は、お膳を重秀に差し出すと、また部屋から出ていった。

 重秀が懐石を食べ終わり、()()がタイミングよく入ってきた。お膳を下げると一礼して、お膳を持って部屋から出ていった。


「・・・失礼。茶が湿気っておりました。変えてきます故、しばしのご猶予を」


「え?茶の湯で失敗したことのない忠三殿にしては珍しい・・・」


 重秀が全部言う前に賦秀はさっさと茶室から水屋(準備室のこと)へと引っ込んでしまった。入れ替わりに()()が入ってくる。


「兄が申し訳ございませんでした。お酒のおかわりをお持ちいたしました」


 そう言って提子と盃を乗せた盆を重秀の前に置くと、()()は盃を重秀に渡した。重秀は「か、かたじけない」と言って軽く頭を下げ、盃を受け取った。()()がその盃に酒を注ぐ。


「兄が戻ってくる間、どうぞごゆるりと」


「あ、はい」


 そう言って重秀は盃を口に近づける。ゆっくりと飲んで空にすると、()()がすかさず酒を注いだ。重秀はそれを口に持っていきながら、考え事をしていた。


 ―――まずい、黙って酒を飲んでては場が持たない。何か話さねば―――


 重秀は色々考え、とりあえず()()が持っている提子ひさげを褒めることにした。金の蒔絵が施されている上品な提子である。


「それ、美しいですね」


「え?」


 重秀が指差したほうを見る()()。指差した先には提子があったのだが、()()は何故か自分の手に視線をやっていた。()()の頬が薄っすらと赤くなった。


「そ、そうでございますか?何もしていないですし、むしろ男っぽいと言われるのですが・・・」


 ―――男っぽい?ああ、確かに提子の意匠は男向けなのかもしれないな―――


 そう思いながら重秀は口を開く。


「いやいや。とても美しく、見事なものです。長浜では中々お目にかかれますまい」


「いえ、そんな・・・。でも、お世辞でも嬉しゅうございます」


「いやぁ、本気にしてもよろしいのですよ?見事な美しさではありませぬか」


「まあ・・・」


 そう言って()()は着物の袖で手を隠しながら、さらに袖で顔を隠した。そんな時だった。茶室と水屋を隔てる扉の向こうから、咳払いが聞こえた。


「・・・兄の準備が整ったようでございます。私はこれにて」


 そう言うと、()()はそそくさと提子と盃を片付けて、茶室から出ていった。


 入れ替わり入ってきたのは賦秀であった。賦秀は心底呆れている、という表情を顔に出しながら、重秀に言う。


「容姿が父親に似てないと思ったが、そういうところは父親似なのだな、藤十殿」


「は?」


「・・・まあ、気が付かないのであればそれで良いわ」


 そう言うと、賦秀は茶釜の前に座ると、茶の点前を始めるのであった。





 無事に茶のもてなしも終わり、賦秀は重秀に会話を振った。


「我が妹、どう見たかな?」


「なかなかの器量にて、さすがは蒲生の姫君と感心いたしました」


「気に入っていただけたのであれば重畳。佳き日を見繕って輿入れさせよう」


「待ってください。私は来月に上総介様(織田信包のこと)の姫君を・・・」


「存じ上げておる。故に祝いの品を送っているからな」


「では、()()姫を羽柴は受けるわけには・・・」


「しかし、側室なら構わないのでは?」


 重秀はじっと賦秀の顔を見た。


「・・・あの姫君は羽柴の側室ではなく、どこか由緒正しき家の正室にふさわしいかと存じますが」


「しかし、もう()()には行く宛はないのだ。蒲生家と同格の家には粗方蒲生家の女子が正室に行っており、他に嫁ぐ先はおらぬのでな」


 蒲生賢秀には記録に残っている娘は()()を含めて4人いる。()()以外の娘は全て近隣の国衆(蒲生家傘下の国衆も含める)の正室となっている。そして、他の国衆には()()と釣り合う年齢のお婿さん候補がいなかった。


「それに・・・。ああ見えて男勝りの姫でな。長刀はもちろん、剣術、槍術、馬術、弓術に秀でている。男子でないことを父が嘆いておった」


「はあ。しかし、この乱世では籠城戦で女子も長刀を振るって戦うと申します。武術の一つや二つや三つや四つ秀でてもよろしいのでは?」


「・・・最近は砲術(鉄砲の技術のこと)も学んでおるぞ」


「ええ・・・」


 重秀が困惑した顔をすると、賦秀は疲れたような顔をしながら話す。


「しかも、祖父(蒲生定秀のこと)や父、そしてそれがしは狩りが好きでな。よく猪や鹿を狩ったり、鷹狩で鳥を仕留めたりして城に持って帰るのだが・・・。()()は幼少の頃に食べて以来、獣肉を好んで食すようになった。

・・・この話が近辺の国衆に変な風に知れ渡ってな。『蒲生の()()姫様は自ら獣を狩って食される。名は体を表すとはこの事よ』と言われて誰も引き取ってくれぬ。この際、側室でもいいから蒲生の益になる大名に嫁がせたい、というのが父の望みになっている」


溜息混じりにそう言う賦秀に、心の中で「うわぁ・・・」と呟きながらも重秀は尋ねる。


「羽柴がそれに当たると?」


 重秀の質問に賦秀が頷いた。賦秀はさらに話を続ける。


「長浜という大きな城下町。大浦と塩津という湊町。そして増えつつある絹糸の生産。桐油も増えているようだし、最近は『琵琶湖の鯨』が流行はやりだとか?」


『琵琶湖の鯨』とは、近江、特に羽柴領で食されている牛や豚の肉の事を指す隠語である。この文言を考えたのは秀吉であった。

 秀吉が言うには、昔、家を飛び出して針の行商人として尾張や美濃の近隣諸国を周っていた時、ある海岸沿いの村では海で鯨と呼ばれる巨大な魚(魚ではない)が捕れて食されており、その肉は猪や鹿に近いものらしい。そこで、猪や鹿の肉を『山の鯨』と称して食する、と聞いたらしい。


「じゃので、牛や豚の肉を『山の鯨』ならぬ『琵琶湖の鯨』と称して売ろうではないか」


 と、秀吉が提案したのであった。ぶっちゃけ、琵琶湖に鯨なんていないのは誰でも知っていた。しかし、「兎は飛ぶように跳ねるから、あれは鳥!」と言って肉を食する日本人ひのもとのひとである。肉が食えるなら屁理屈をこねることなど造作も無いことであった。『琵琶湖の鯨』はじわじわとであったが、長浜から広がっていき、人々に受け入れられていった。


「そういう訳で、今の羽柴は織田家中では上り調子の家。縁を結びたいと思うのよ」


「・・・おっしゃりたいことはよく分かります。しかし、正室もまだ迎えていないのに、側室を迎えるのは如何かと」


「分かっているさ。だが、()()ももう十一歳。そろそろ先のことを考えておきたい」


 賦秀の言葉を聞いた重秀は、少し考えると賦秀に話す。


「・・・此度の忠三殿のお話は父に話しまする。あとは、父と左兵衛大夫様の話し合いで互いの家が納得して決めていただければ、それがしはその決定に従おうと思います。そして」


 重秀はそう言うと、賦秀に平伏する。


「・・・()()姫殿がこちらに来られるというのであれば、誠心誠意、大切に致しますことをここで誓いまする」


「・・・茶をもてなしたかいがあったというものだな」


 賦秀が笑いながら、畳に手をついて礼をした。重秀も同じ様な動作で返礼をする。


「・・・結構なお点前でした」





「そうか。やはり蒲生は側室でも構わない、か」


 長浜城に戻った重秀は、秀吉に日野城の出来事を話した。それを聞いた秀吉は腕を組みながら複雑そうな表情を顔に浮かべて答えた。


「あとは父上と左兵衛大夫様の取り決めと相成りますが・・・。しかし、正室の意向を聞かずに側室を決めてよろしいのでしょうか?」


 側室に関しては正室の意向が重要視される。だから一豊と千代は側室を巡って喧嘩したのだ。


「無論、正室の意向は必要じゃ。しかし、向こうの縁姫様も武家の出。側室の重要性ぐらいは分かるじゃろ。それに・・・」


 秀吉はそう言うと、ニヤリを笑いながら重秀に言う。


「縁姫様じゃが、源氏の物語がお好きなようじゃ。さだめし、恋多き男子おのこが好みやもしれぬのう」


「ええ・・・?」


 嫌そうな顔をする重秀に、秀吉は更に追い打ちをかける。


「そうじゃ!縁姫様は源氏の物語が好きなんだから、お主も読んでおけ!岐阜城で習ったのであろう!?」


「え?いや、興味なかったのでほとんど読んでおりませぬ・・・」


 そんな返事をする重秀に、秀吉は重秀の肩をバシバシ叩きながら声を上げた。


「阿呆!何で読まなかった!今すぐ読み始めい!いいか、夫婦円満の秘訣は、会話の量じゃ!人というものは、お互いが知っておる事柄を話し合えば、大体仲良うなる!それは夫婦の間も同じじゃ!」


 そう言う秀吉に対して、重秀はただただ困惑するばかりであった。





「なるほど、では蒲生様より側室を取られるという訳でございますか」


 二の丸御殿に戻った重秀は、山内一豊と千代を呼んで秀吉との話について話した。千代が側室についてそう尋ねると、重秀は頷いた。


「うん。まあ、正室を娶った後の話だから当分先ではあるんだけど、そういう話になると思う」


「なるほど。では相談事とは、側室のことで?」


 一豊が尋ねた。実は重秀が一豊と千代を呼んだ時には「相談したき儀がある」と言っていたのだ。しかし、重秀が首を横に振る。


「いや、相談したき儀はそのことではない。一つは源氏の物語を手に入れてもらいたい。全巻揃えるのは大変だと思うが・・・」


「・・・はあ、承知いたしました。弥三郎(石田正澄のこと)と相談の上、長浜の商人を介して購入できるか交渉してみます。また、半兵衛殿や善祥坊殿(宮部継潤のこと)にも聞いてみましょう。持っているやもしれませぬし」


 一豊がそう提案すると、重秀は「頼んだぞ」と答えた。続けて今度は千代に視線を向ける。


「もう一つは・・・。縁姫に文と贈り物を贈ろうと思うがどう思う?」


「ああ、それはよろしゅうございますね!向こうの姫様が若君がどういう人か分からないでしょうから不安でしょう!文と贈り物で若君の為人ひととなりが分かれば、向こうも安心でしょう!若君、よくぞ気づかれました!」


 千代が両手をポンッと叩いて感心するかのように声を上げた。重秀が後頭部を指で掻きながら答える。


「いや、これは若殿様(織田信忠のこと)がやっていたことを真似しただけだ。まあ、若殿様から『慕う女子には文を出しておけ』と昔言われたこともあったのだが」


「ほう・・・」


 一豊が感心したように息を吐いている隣で、千代が首を傾げながら考え込んでいた。少し経って口を開く。


「・・・女子が喜ぶものでしたら、緞子どんす綸子りんず練貫ねりきりと言った絹織物、あとは香とか紙でございますが・・・」


「ああ、だったら羽柴領の生糸(蚕の繭の糸をそのまま使った糸)や練糸(生糸を灰汁で洗い、表面のセリシンという物質を洗い流した糸)を使った絹織物が堺で織られ始めているから、それを贈るか」


「駄目です」


 重秀の提案に千代がダメ出しをした。


「何でだよ。羽柴の絹を贈ってもいいだろうに」


「世は未だに唐物の絹が良いとされているのです。贈り物に我が国の絹を贈れば、銭を惜しんでいると受け取られまする」


 そう言って千代は重秀の考えに反対した。しかし、一豊が口を挟む。


「いや、羽柴の絹も贈ろう。羽柴はいつでもどこでも唐物の絹織物の着物を着ている訳ではない。普段は我が国の絹を使った着物を着ていることも教えるべきではないか?」


「御前様。そう言うことは向こうの姫様が若君の下に嫁いでから教えればよろしいのです。贈り物でお教えすることではございませぬ」


 一豊と千代の話を黙って聞いていた重秀が口を開く。顔には悔しそうな表情を浮かべていた。


「・・・絹織物は唐物を贈る。その代わり、紙は小谷おおたにの紙を贈ろう。残念ながら、羽柴の絹織物はまだまだ名を知られていない。相手が織田の姫である以上、無名の品の贈るわけにはいかぬ」


 少しずつ生産量が増えている羽柴の絹であるが、やはり中国産には質が敵わず、安物の絹として堺では取引されていた。なので、とても高貴な方への贈呈品にはなり得なかった。

 重秀もその事は知っており、本人としては不本意な決断であった。


 贈り物の用意を一豊と千代に任せ、重秀は縁への文を書いた。とりあえず当たり障りのない時候の挨拶から始まり、羽柴へと嫁ぐことへの感謝、お会いできることを楽しみにしていることを書いた。そして一豊と千代が集めた贈り物と一緒に、使者を岐阜城へ遣わした。

 それからしばらくして、重秀に縁から返礼の品が贈られてきた。そして、どう見ても代筆で書かれた文と、一首の和歌が一緒に送られてきた。重秀はこれを受け取った時、自らが岐阜城にいた時に和歌の鍛錬を怠っていたことを激しく後悔するのであった。


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― 新着の感想 ―
[一言] 日本の絹であるヤママユガからとれる天蚕糸(緑色)は近現代だとむしろ白色シルクの数倍~数十倍する高級品なのにね 惜しい話だ
[良い点] この口説き文句とソツの無さ。間違いなく秀吉の息子
感想一覧
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