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第197話 姫路にて

感想、評価、ブックマーク登録、いいね!を頂きありがとうございます。大変励みとなっています。


次回の投稿は12/24を予定しております。


 次の日。姫路城本丸仮御殿にある居間では、久々に秀吉とその一族が揃って朝餉を摂っていた。


「・・・麦飯に野菜の味噌汁、それに野菜の漬物に魚の干物・・・。不幸だわ・・・」


「なんでじゃ!」


 秀吉の妹である()()が、味噌汁を啜りながら愚痴ったのを秀吉が咎めた。


「尾張だったら魚の干物は毎日食えなかっただろうが!」


「・・・安土の屋敷でも魚の干物は食べられたし・・・。それに、麦飯ではなく玄米でもない米だったのに・・・。不幸だわ・・・」


 そう言う()()に対し、秀吉がうんざりしたような顔をしながら言う。


「仕方あるまい!播磨は米が少ないんじゃ!その割に麦が多く採れるのじゃから、麦飯にせざるを得ないんじゃ!それに魚は干物だけでなく、膾(生魚の肉を塩や酢につけて食べること)でも食えるじゃろうが!」


 そう声を上げる秀吉に、()()の夫である副田吉成が頭を下げながら声を上げる。


「も、申し訳ございませぬ、大殿!()()の不始末はそれがしの不始末!罰するならそれがしに!」


「いや、別に罰しようとは思わぬが・・・」


 秀吉が困った顔をしながら言った。そんな秀吉を見ながら、小一郎が()()に言う。


()()よ。兄者はまだまだ戦に励まねばならぬ。戦には銭がかかる。少しでも倹約して銭を貯めておるんじゃ。食い物で銭をかけている余裕は我等にはない」


「そうは言うけどよ、小一郎。この姫路城はやたら豪勢に造ってはいにゃーか?天守も、長浜城より大きゅう造っとるように思うけど」


 秀吉の姉である()()がそう言うと、小一郎ではなく秀吉が答える。


「仕方無かろう。姫路の城は播磨の中心として、また西国遠征の拠点になるのじゃ。ここでドカンとでかい城を建てとかんと宇喜多や毛利に舐められるんじゃ。儂等の力を誇示せにゃらなん。それに、上様が毛利との決戦に挑む際にお泊りになるかもしれんのじゃ。御座所も造らなならん以上、銭をかけるのは当然じゃ」


 秀吉の言葉に、()()は「そう言うもんじゃのかのう」と首を傾げた。そんな()()を見ながら溜息をついた秀吉は、話題を変えるべく御祖母おばば様に話しかける。


「おっ母。藤十郎のゆかりと藤は元気にやっているそうじゃ。いづれ、おっ母にもひ孫を会わさないといけないのう」


 秀吉がそう言うと、御祖母様は「儂はええ」と首を横に振った。


「ひ孫ができるのは嬉しいが、てゃーでゃー姫路にまで縁さんや藤を連れてくるのは忍びにゃー。かといって、儂には畑がある。健やかに育つことをここで祈っとるがね」


「おっ母、そんなさみしいことを言うな。縁も藤も、今は兵庫から動かすことは難しいが、いづれ姫路に来てもらうで、それまで健やかでいてくれよ」


 秀吉がそう言うと、御祖母様は「はいはい」と言って頷いた。そしてすぐに重秀に視線を送ると、真剣な口調で重秀に言う。


「縁さんを大事にせなあかんがね、藤十。故郷から遠う離れた兵庫に来たんだで、寂しい思いをさせたらあかんぞ。ちゃんと寄り添ってやらなあかんがね」


「承知しております、御祖母様」


 頭を下げながらそう答えた重秀に、御祖母様は「それはええで」と微笑みを返すのだった。


 そんな様子を見ていた小一郎であったが、ふと重秀に注がれる視線に気がついた。その視線の元をたどると、そこには秀吉や小一郎の甥である木下治兵衛(のちの三好秀次)がいた。

 治兵衛は箸を口に咥えたまま、重秀をじっと見つめていた。そんな様子を見た小一郎が治兵衛に話しかける。


「・・・どうした、治兵衛?藤十郎に何か用か?」


 不意に声をかけられた治兵衛が短く驚きの声を上げた。そして首を横に振りながら答える。


「い、いえ!とんでもございませぬ!私如きが従兄あに上にどうこう言えるはずがございませぬ・・・!」


 そう言う治兵衛に対し、秀吉が咎めるような口調で言う。


「治兵衛。そういう事を申すな。お主も羽柴の一門として、藤十郎を支えていかなければならないのだぞ。藤十郎がもし過ちを犯せば、お主が止めなければならないんだぞ?」


「そんな・・・。それがしのような痴れ者が、どうして従兄上に意見など言えましょう・・・」


 治兵衛がそう自虐的なことをいったので、重秀が思わず話しかける。


「痴れ者って・・・。聞けば父上の下で本をよく読み、学問に励んでいると聞いているぞ。そこまで卑下することはないだろう」


 重秀がそう言うと、治兵衛は首を横に振った。そして椀を膳の上に置くと、立ち上がりながら吐き捨てるように言う。


「修学の準備がありますので、お先に」


 そう言って治兵衛は居間から出ていった。その様子を見ていた秀吉が怒りながら声を上げる。


「何じゃ!?あの態度は!?あれが羽柴の嫡男に対する態度か!?」


 そんな秀吉を小一郎が宥める。


「まあまあ兄者。あとで儂が話しておくから、そんなに怒るな」


「しかし・・・。あの様子はいささか尋常ではありませぬ。何か治兵衛にあったのでしょうか?」


 重秀がそう言うと、()()が溜息をつきながら話す。


「仕方にゃー。治兵衛は来年には元服だ。それまでに学ばんならん事がぎょうさんある。今も姫路で、えーっと、梅伝とか言うえりゃー坊さんから色々学んでおるでの」


「姉ちゃん。梅伝じゃのうて梅庵じゃ。金剛寺の住職じゃ」


 秀吉が()()にそう言うと、重秀が思い出したかのような顔で秀吉に尋ねる。


「ああ、大村の金剛寺の梅庵殿でございますが。あの方、姫路に居たんですね。相国寺の口蕣殿の仲立の礼を申したいと思っておりました」


「ああ、あやつなら今は姫路で儂の右筆をやってもろうておる。中々知識を有しておる故、治兵衛に学問を教えてもらっとる」


 秀吉がそう答えると、重秀は梅庵に会うことを秀吉に願い出た。改めて口蕣との仲を取り持ったことへの礼を述べたいと思ったからだ。そして、その願いは聞き入れられることになった。





 その日の昼頃。姫路城本丸仮御殿の広間では、秀吉と重秀、そして小一郎が黒田孝隆と石田三成、福島正則と共に瀬戸内の国衆で水軍の頭目である高原次利と高畠和泉守と面談を行っていた。


「高原久右衛門にございます。此度は羽柴筑前守様にお目通りを頂き、恐悦至極に存じまする。こちらに侍りまするは我が嫡男、直千代(のちの高原次勝)にございまする」


「高畠和泉守にございます。此度は羽柴筑前守様にお目通りを頂き、恐悦至極に存じまする。こちらに侍りまするは我が娘、紗々《ささ》にございまする」


 そう言って平伏する次利と和泉守。それにつられて傍に座っていた小さな男の子と女の子も頭を下げた。


「大義。おもてを上げられよ」


 上座に座る秀吉がそう言うと、次利と直千代が頭を上げた。そんな二人に秀吉が人懐っこい笑顔で語りかける。


「いやぁ。久右衛門殿!和泉守殿!よくぞ羽柴への臣従を決断してくださった!この羽柴筑前、礼を申す!」


 そう言うや否や、秀吉は立ち上がって次利に近づくと、畳の上にあった次利の両手を取ってブンブンと上下に振った。そして、次利から手を離すと、今度は和泉守の両手を取り、同じようにブンブンと振った。そして今度は隣りにいた直千代の頭をなで始めた。


「おお!お主が高原の倅殿か!歳はいくつだ!?」


「ろ、六歳にございまする」


 緊張の面持ちで直千代が答えると、秀吉は目を丸くしながら声を上げた。


「おお、おお!六歳か!六歳にしては利発そうな子じゃのう!」


 そう言った後、秀吉は今度は紗々の前に来ると、同じように頭をなでた。


「ほう・・・。これは美しいのう。歳はいくつかな」


「じゅ、十歳にございます」


 緊張気味に答える紗々を見た秀吉が、「おお、おお!これまた器量良しな姫御じゃ!」と言った。そして顔を重秀に向ける。


「どうじゃ!藤十郎!お主の傍においてはどうじゃ!?」


「何言ってるんですか。兵庫城にはもう女子おなごを置いとく場所はありませんよ」


 ただでさえ狭い兵庫城の本丸御殿。縁の乳母である夏と七が伊勢と尾張から侍女を大量に連れて来たせいで、本丸御殿の『奥』はすでにキャパシティーを超えていた。


 重秀が拒否の言葉を言ったせいか、秀吉が残念そうな顔をする。


「そうか・・・。致し方ない。高畠殿、そして高原殿。人質は連れ帰ってくだされ」


 秀吉の言葉に驚きの表情を見せる次利と和泉守。そんな二人に秀吉が話を続ける。


「久右衛門殿、和泉守殿。実は先程から幼子を質に入れるお覚悟に対し、この筑前めは感服しておった。その心意気に免じて、人質は取らぬと決めておったのじゃ。何、上様にはこの筑前が良きように取り計らうように致します故、何卒案ずることなくお子さんとお戻りくだされ」


 秀吉がそう言うと、次利と和泉守は感激したような顔になった。次利が震え声で秀吉に言う。


「なんと・・・。この乱世、弱き者は強き者の庇護を受けるために家族を差し出すのが当然。それなのに我が倅を受け取らず、連れ帰っても良いと仰せになるとは・・・。これ程喜ばしいことがございますでしょうか。この高原久右衛門次利、羽柴様の御為に、生命を賭して働きましょうぞ!」


「こ、この高畠和泉守。高原殿と同じく、羽柴様のために犬馬の労を厭いませぬ!何卒、この和泉守を存分にお使いくだされ!」


 次利と和泉守がそう誓うと、秀吉が「あー、そのことなんじゃが・・・」と言いながら顔を重秀の方に向ける。


「実は、水軍はあそこにいる儂の倅の藤十郎に任せておる。すまぬが、その方は藤十郎の下に付かせる故、我が愚息を助けてやって欲しいんじゃ」


 秀吉の話を聞いた次利は、秀吉の視線の先にいる重秀に視線を向けた。父親に似ていない青年が、頭を下げながら挨拶をしてきた。


「羽柴筑前が嫡男、羽柴藤十郎にございます。高畠殿と高原殿の帰参は真に心強いこと。若輩者でございますが、何卒よろしくお願い致しまする」


「おお・・・。ご丁寧なご挨拶痛み入りまする。聞けば、あの塩飽の船手衆を羽柴方に引き込んだとの噂。お若いのに大したものでござる」


 次利がそう言うと、今度は秀吉が話しかけてきた。


「あやつは昔から船が好きでのう。長浜にいた頃はよく琵琶湖にて舟遊びをしておった。それに、魚住城攻めを始め、木津川口での戦いや英賀城攻めでも水軍を率いておった。まだまだ水軍には不慣れじゃが、お二方の長きに渡る水上での技術を、どうか藤十郎めに教えてやって下され」


 そう言うと秀吉は深々と頭を下げた。その姿を見た和泉守と次利が「ははぁっ!」と言って平伏した。二人の様子を見た秀吉が「かたじけなし、かたじけなし!」と言って涙を流すのを、重秀と小一郎と孝隆、そして三成は冷めた目で見ていたのだった。


 次利と和泉守がそれぞれの子供を連れて広間から出ていった後、三成は渋い顔をしながら秀吉に意見する。


「大殿様。たかが国衆如きに、あのような態度は如何かと存じまするが。あの様に下手に出ては、こちらが舐められまする」


 三成の苦言に対し、秀吉は呆れたような顔で三成に言う。


「阿呆。お前は何も分かっとらんのう。高原も高畠も小さいとは言え水軍衆の頭目ぞ。高原と高畠を羽柴方にしておけば、備前や播磨の海や島が毛利から攻められる事が無くなるんじゃ。それに、我等の水軍は兵庫が拠点。姫路の飾磨湊には官兵衛の水軍がいるが、数も力も不足しておる。水軍の味方は多いに越したことはない」


「それに、児島と直島の近くには塩飽がある。塩飽の船手衆は操船の腕は天下一品だが、船軍ふないくさについては不得手だ。操船も船軍も優れている村上水軍が塩飽にやってきたら、塩飽はあっという間に占領されてしまう。そのため、近場に戦える水軍が必要だった。父上はその事をご存知だった故、高原と高畠の調略を官兵衛殿に依頼していたのだ。そしてその甲斐あって高原と高畠は我等に臣従した。まあ、父上のあれはやりすぎだとは私も思うが、これも中国の平定という大望を叶えるための小事だと納得してくれ」


 秀吉に続いて重秀がそう言うと、三成は黙って頭を下げるのであった。





 次利と和泉守をもてなす酒宴まで時間があったので、重秀は空いた時間で久々に秀吉と囲碁を打っていた。


「・・・父上、大分強うなりましたか?」


「・・・三木城包囲戦の際、半兵衛(竹中重治のこと)やら弥兵衛(浅野長吉のこと)やら官兵衛(黒田孝隆のこと)やらと囲碁は打っていたからのう。大分鍛えられたわ」


 重秀の質問に対し、秀吉が笑いながら答えると、今度は秀吉が重秀に尋ねる。


「藤十郎。お主は少々弱くなったか?長浜ではお主が儂に勝っていたではないか」


「・・・兵庫では負け知らずだったのですが・・・」


 重秀は囲碁と将棋については誰にも負けないという自負があった。実際、兵庫城内では重秀と戦って勝てるものはいなかった。

 もっとも、重秀もその家臣や与力も多忙で、そうそう囲碁や将棋をじっくりとやる機会がなかったということもあり、重秀も含めて皆が皆本気でやっていなかったのだが。


 重秀が秀吉の打ち筋に苦戦している中、重秀達がいる部屋に三成がやってきた。


「申し上げます。梅庵殿がお見えです」


「通せ」


 秀吉がそう言うと、部屋の障子が開き、一人の僧侶が部屋に入ってきた。その間に重秀が囲碁盤を部屋の隅にやると、それまで秀吉の対面に座っていたのをやめて部屋の左側に移動して座った。そして秀吉の前には梅庵が座った。


「藻虫斎梅庵。お召により參上仕りました」


 そう言って平伏する梅庵に、秀吉が声をかける。


「おう。よう来られた。呼んどいてすまぬが、用があるのは儂ではない。藤十郎よ」


 そう言って秀吉は右手で重秀の方を差した。梅庵が姿勢を変えて重秀の方を見ると、平伏して挨拶をする。


「これは若君。ご機嫌麗しゅう存じまする。ご挨拶が遅れまして申し訳ございませぬ」


「梅庵殿も息災で何よりです。実は先日、相国寺の口蕣殿に会いまして。その後の礼は文で伝えましたが、梅庵殿が姫路に来ているとお聞き致しました故、直接会って礼を申し上げたいと父に申しました。こうやってお会いできて、やっと礼が申せます。その節は大変お世話になりました」


 重秀はそう言うと、頭を下げた。梅庵は「いやいや」と頭を横に激しく振って答えた。


「その様に頭を下げられてはもったいのうございまする。いや、細川の参議様(冷泉為純のこと)には良くしていただきました故、御子息のことを案じておりました。御子息がいらっしゃるのであれば、冷泉家の復活も成せましょう」


「いや、口蕣殿は冷泉家の後を継ぐ気は無さそうですよ」


 そう言うと重秀は相国寺での話を梅庵に伝えた。


「・・・なんと。学問の道に進まれ、冷泉家を弟君に継がせると・・・。なるほど」


 梅庵がそう言って頷いていると、秀吉が話しかけてくる。


「ときに梅庵。治兵衛の様子はどうじゃ?学問に励んでおるか?」


 秀吉が梅庵にそう尋ねると、梅庵は「はい」と答えた。


「治兵衛殿はよく本を読み、その中身をよく理解されております。また、漢詩や和歌の基礎を学んでおります。他にも算術にも優れているようでございまする」


 梅庵の言葉に、秀吉と重秀が顔を合わせた。秀吉が梅庵に尋ねる。


「それは真か?儂の前だからといって、遠慮しているのではないか?」


「いえいえ、真にございまする」


 梅庵が即答したので、秀吉が首を傾げながら梅庵に尋ねる。


「・・・その割には、治兵衛は自信がなさげじゃのう」


「それはおそらく、若君の存在があるせいかと」


 梅庵の予想外の回答に、重秀が思わず「私ぃ!?」と声を上げた。梅庵は言う。


「治兵衛殿は常に従兄上である若君を意識しておられます。そして、劣等感を抱いております」


「劣等感って・・・。私如きに?」


「いや、『私如き』と言える立場ではなかろう」


 秀吉が呆れたような表情を顔に出しながら重秀に言う。


「治兵衛から見れば、お主は織田家から妻を娶り、長浜では積極的にまつりごとに加わり、播磨平定では武功を挙げ、摂津二郡を治める大名になったのじゃ。お主は治兵衛から見れば、雲の上の存在じゃぞ」


「そんなお方を支えよと、周りから言われているのです。その圧は相当なものでございましょう。たまに拙僧に弱音を吐く時がございまする」


 梅庵がそう言うと、秀吉は「む・・・」と言って口を閉じた。治兵衛に相当な圧力をかけてきたのが秀吉だったからだ。しかし、秀吉は言う。


「・・・あやつは数少ない羽柴の男児ぞ。それに、才があると思ったからこそ、あやつには期待しておったんじゃが・・・」


「恐れながら。草木が伸びる際、上に石や他の大樹がありますれば、いくら大木になる木とは言え大きくは育ちませぬ。ここは、あまり圧をかけないほうがよろしいかと」


「そうか・・・。では今後は治兵衛に声をかけるのをやめようかのう・・・」


 秀吉が視線を天井に向けながらそう呟くと、梅庵は「それはそれでよろしくはございませぬ」と注意した。


「ここで声をかけなければ、今度は見放されたと治兵衛殿は思われるでしょう。急に声をかけぬのではなく、口うるさくしなければよいのです。クドクドと言わず、泰然自若で接するのです。そうすれば、治兵衛殿は己が正しく学んでいることを認識なさるでしょう」


 梅庵のアドバイスに、秀吉は「相分かった」と力強く頷くのであった。


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― 新着の感想 ―
史実だと準嫡男でこの話より重圧がスゴイからな
これでも史実よりも秀次のプレッシャーがマシなのが泣けてくる
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