第101話 ディープ・インパクト(中編)
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再び池田城にやってきた秀吉は、秀一から取次役を引き継いだ堀秀政に信長への面会を申し出た。秀政が「しばし待たれよ」と言って奥に引っ込んだ後、比較的早くに戻ってきた。
「上様がお会いになられます。案内致します」
そう言うと、秀政がそのまま歩き出していった。秀吉が慌ててついて行くと、何故か外に連れ出された。歩いてすぐの所に、昔は櫓があったのであろうか、曲輪の端の高台があった。そこでは、床几に座った二人の人物が、城外を眺めるかのように座っていた。そのうちの一人が秀吉の気配を感じたのだろう。後ろを振り返って秀吉の方を見た。それは、池田恒興だった。
「これは紀伊守殿。ご無礼を仕りました」
「良い。上様と箒星を見ておった」
「箒星・・・でございまするか?」
秀吉はそう言うと、視線を夜空に向けた。信長が正面を向いている先、上の方で彗星が長い尾を引いている姿がくっきりと見えた。
「いやぁ、相変わらず大きいですなぁ。当に、壮観でございますなぁ!」
「他に言うことはないのか、お前は・・・」
のほほんと答えた秀吉に対して、恒興が呆れたような声を上げた。そんな時だった。彗星を見ながら瓢箪に口をつけていた信長が、低い声で聞いてくる。
「・・・猿。あの箒星を見てなんとも思わぬのか?恐ろしいとは思わなんだか?」
「いえ、何も。この猿、学がない故、易についてはとんと分かりませぬ。やれ何かが起こったから凶兆だとか吉兆だとか、そんなこと言われてもさっぱりでしたわ。むしろ、凶事が起こったら何をすれば生き残れるか。吉事が起こったら何をすれば良い御飯が食えるかということだけを考えておりました」
「で、あるか。では猿に問う。箒星という凶兆が現れた今、どうすれば生き残れる?」
「動くべきかと。箒星見えている者全てが凶兆を感じているならば、それを早く振り払うべく動くべきであろうと考えまする。しかも、此度の戦、長引けば長引くほど我が方不利になると存じまする」
秀吉がそう言うと、黒田孝隆と竹中重治が先程言っていた毛利の援軍が来る時期を説明した。
「で、あるか」
そう言うと信長は、手に持っていた瓢箪を恒興に放り投げた。恒興が片手で受け取ると同時に、信長は立ち上がって体ごと振り返ると、秀吉をまっすぐに見つめた。その闘志あふれる目の輝きに、秀吉は思わず片膝をついて跪いた。
「猿。汝の兵はもう動けるか?」
「上様の命が下ればいつでも」
兵の士気を上げるために帰ったら博徒の胴元はすぐに打ち首にせねば、と思いつつも秀吉は即答した。
「で、あるか。猿、すぐに上臈塚砦を攻め落とせ。今夜中にな」
「御意」
そう言うと秀吉は駆け出していった。次に信長は恒興の方を見て言う。
「勝三、今宵のことは他言無用ぞ」
「心得ております」
信長の獰猛な、それでいて闘志の溢れる表情を見た恒興が頭を下げながら思う。
―――良かった、上様がいつも通りになられて。最初見た時はあまりの酷さに我が目を疑ったものよ―――
そう思いながら、恒興はさっきまでのことを思い出していた。
信長に呼び出されて塚口城からやってきた恒興が見たものは、まるで抜け殻のような信長の姿であった。そんな信長が恒興を見た瞬間、部屋に連れ込むと側にいた小姓に人払いを命じ、恒興と二人っきりとなった。そして、信長はものすごい早口で今まで溜まっていた愚痴を恒興に吐き出した。
松永久秀と荒木村重が裏切ったことから始まり、古天明平蜘蛛が手に入らなかったこと、播磨が尽く毛利方に付いたこと、七尾城が上杉謙信に落とされたこと、佐久間信盛が全く動かなかったこと、朝廷の天文方が箒星が出てくることを予言できなかったこと、そして最近寵愛している側室のお鍋について他の側室から嫉妬の声が上がっていることなど、余すこと無く恒興に愚痴っていた。
それに対して恒興はただただ聞いていた。恒興は信長とは乳兄弟の仲であり、その付き合いは長い。信長にとって、正室である帰蝶にすら話せない愚痴を唯一話せるのは、最も愛した側室の吉乃が亡くなった今、池田恒興しかいなかったのだ。
信長が愚痴を全て言い終わったな、と判断した恒興は、「気分転換に外の空気を吸いましょう」と言って信長を外に連れ出した。そして、本丸曲輪の端の高台に連れてくると、近くにいた兵に床几を2つ持ってくるように頼んだ。床几が準備されると、恒興と信長はそれぞれ座った。座った先には、箒星がよく見えていた。
「筑前の倅は夜な夜な箒星を眺めているようですな。我等も箒星を肴に、酒を飲みましょうぞ」
恒興はそう言って酒の入った瓢箪を信長に渡した。信長が酒を飲みながら彗星を眺めている間、恒興はただ黙っていた。そのうち、信長が何かを思い出したかのような口調で恒興に言った。
「勝三、あまが池を覚えておるか?」
「ええ、比良城(佐々成政の居城でもある)の南にあった大池でしょ?あそこで大蛇が出たという噂を聞いた上様は、『俺が退治してやる!』と言って大騒ぎいたしましたなぁ」
「汝と一緒になって池の水を抜いたな」
「しかし水を全部抜くまで待てなかった上様が、池に飛び込んだのには肝を冷やしましたぞ」
「すまんな。どうしても大蛇をひと目見たくて、居ても立ってもいられんかったわ」
そう言うと信長と恒興は大笑いした。ひとしきり大笑いした信長は、先程とは打って変わって生気のある顔をしながら恒興に聞いた。
「勝三、儂が箒星の凶兆は本当にあるのか確かめたい、と言ったらどうする?」
「無論、お供仕る」
しっかりと信長の目を見つめながら答えた恒興に、信長は「で、あるか」と笑みをこぼしながら答えたのであった。
―――その後に久太郎(堀秀政のこと)が藤吉郎を連れてきた。それで上様の心もようやっと定まったのであろう―――
そう回想していた恒興に信長が声をかける。
「勝三、池田勢と森勢は動けるのか?」
「筑前殿の倅が上臈塚砦だけではなく、鵯塚砦(有岡城の南側を守る砦)に物見をしておりました故、恐らく夜襲をかけることは想定しておりました。なので、一応動けますが・・・。ただ、森勢は動きが鈍るかと存じまする。勝蔵(森長可のこと)の奴、箒星を恐れて砦から出てきませぬから」
恒興の言葉に、信長は唖然とした。しかしすぐに甲高い声で大笑いした。
「あっはっはっ!鬼武蔵(森長可のこと)にも怖いものがあったとはのう!構わぬ!森勢は塚口城の守りにつかせて、池田勢だけで鵯塚砦を攻め落とせ!」
「御意!」
恒興がそう返事をすると、信長は今度は大声で堀秀政を呼んだのであった。
秀吉が自分の附城に戻って最初にやったことは、賭博で儲けていた胴元とサクラの打ち子の首を刎ねることであった。刎ねられた首は篝火で明るくされた晒し台の上に晒され、その台の下には銭と米が入った複数の瓶が置かれていた。
「見よ!これらの不届き者は箒星が凶兆であることを知りながら、お前等から銭や米を巻き上げ、私腹を肥やした!凶兆だなんだと言っているが、そんな中でも吉事を享受する輩は多くいる!騙されるな!箒星が来たからといって、皆が皆凶事に飲まれるわけではない!」
晒し台に集まってきた兵達に、重秀は大声を張り上げて演説をしていた。本来ならば秀吉がやるのだが、これも経験ということで、重秀に兵達の鼓舞をさせていたのだった。
「ただいま、上様より上臈塚砦を攻めるようにご下命を承った!箒星が見えている中で、しかも夜襲という危険極まりない状況での城攻めである!しかし、凶兆の中でも銭を稼げる者がいることが分かった今、何故そなたらが負けると言い切れるのか!勝とうと思えば勝てるのだ!でなければ、そなたたちから巻き上げた銭や米が、こんなにあるはずがない!」
重秀の指さした先の銭や米をさっきから見つめていた兵達の目に、闘志の炎がついていった。
「父上はこの銭や米を余すこと無くそなた等に配ると仰った!凶兆の箒星が現れる中、そなたらを騙して巻き上げた銭や米である!本来打ち子も罰せられるが、父上は特別に許された!そして戻ってこないと思われた銭と米を戻したのである!これを吉事と言わずに、何を吉事というのか!さあ、この吉事をさらに嵩上げしよう!有岡城を攻め落とし、上様から褒美をもらおうではないか!」
重秀の鼓舞に兵達が大きな声で「応っ!」と答えた。その後、兵達は重秀から直接銭と米を与えられていくのであった。
「さすがは筑前殿のご子息じゃ。兵の鼓舞の仕方を心得ておられる。が、いささか固いですな。もう少し冗談があれば、さらに兵達の緊張を解すことができるのですが」
重秀の様子を遠くから見ていた黒田孝隆が隣りにいた小一郎にそう言うと、小一郎は苦笑いしながら首を横に振った。
「いやいや、あの鼓舞の仕方は兄者じゃないな。母親の義姉様そっくりじゃ」
「ほう、御母上様の」
孝隆の言葉に、小一郎が懐かしさを噛み締めたような表情で話を続ける。
「兄者が仕事が上手く行かなくて挫けそうなとき、義姉様はああやって冗談も言わず、真剣な気持ちで兄者を励ましておったな・・・」
そう言って眩しそうな目で重秀を見つめる小一郎を、孝隆がじっと見ていた時だった。巨体の男が近づいてきた。
「殿、出陣の準備ができました」
「与右衛門か、今行く。では官兵衛殿、この辺で」
「はっ、小一郎殿もご武運を」
孝隆がそう言って頭を下げると、小一郎も頭を下げた。そして藤堂高虎を連れてその場を去ったのであった。
羽柴勢が上臈塚砦を攻撃したのは、日が変わった直後。子の刻と丑の刻の間(午前1時頃)であった。まずは先陣の蜂須賀勢によって先日行われた威力偵察と同じ様に、物見櫓に向かって鉄砲で数発射掛けた。すると、先日と違ってすぐに鉄砲を持った兵が数人、土塁に上がってきた。しかし、これらの兵は全て蜂須賀勢の鉄砲隊と弓隊、そして重秀の指揮する秀吉直属の鉄砲隊、弓隊による一斉射撃で撃ち落とされてしまった。この時になって砦がにわかに騒がしくなったものの、すでに城門には高虎が指揮する小一郎勢と宮部継潤指揮する宮部勢が城門に取り付いており、兵達が担ぐ丸太を破城槌として城門を壊そうと奮闘していた。
「土塁の上の敵兵は蜂須賀勢に任せる!我等は叔父上と善祥坊殿(宮部継潤のこと)の支援に回るぞ!我に続け!」
秀吉から最前線に出ることは禁じられていたものの、鉄砲や弓といった飛び道具を使った部隊の指揮を重秀は去年の霧山城での戦いから執っていた。連日の物見と事前に見せてもらった有岡城内の絵図を頭に叩き込んでいた重秀は、竹中重治の補佐を受けて部隊を素早く城門の前まで動かした。そして城門の周りの土塁から高虎や継潤の兵達を狙う敵兵の排除を行った。
「若君。そろそろ門が破られます。この後は小一郎殿と善祥坊殿の手勢が門を確保し、無傷の前野(長康)勢、堀尾(吉晴)勢、中村(一氏)勢、加藤(光泰)勢が砦内部の敵を殲滅致します。我等はその後に続きまするが、若君の指揮はここまでです。あとは伊右衛門殿(山内一豊のこと)と久右衛門殿(尾藤知定、のちの尾藤知宣)にお任せあれ」
「・・・やっぱり砦内に突入しちゃ駄目か?」
不満そうな顔で重秀は言うが、重治は「駄目です」とキツめの口調で言った。重秀の横で馬上の福島正則と加藤清正が口を挟む。
「兄貴よ。羽柴唯一の嫡男が死んだらみんなが困るんだ。ま、槍働きは義弟の俺達に任せておけって」
「そういうことです。おい、孫六(加藤茂勝、のちの加藤嘉明)と紀之介(大谷吉隆、のちの大谷吉継)。長兄の守りは任せたぞ」
清正の言葉に吉隆が「はいっ!」と答えたが、茂勝が黙ったままであった。
「孫六?どうした?」
重秀が聞くと、茂勝は悩んでいる素振りを見せた後、意を決したかのような口調で重秀に言う。
「若、それがしも砦攻めに加わりたいっす!若の代わりに兜首、挙げてくるっす!」
興奮し、昔の口の悪かった頃の口調の茂勝の言葉に皆が驚いた。ただ、重秀はジッと茂勝を見つめていた。重秀の口が開く。
「・・・分かった、行って来い」
「兄貴!?孫六にはまだ早いぜ!?」
正則の抗議に対し、重秀は右手を上げて止めさせると、茂勝に言った。
「本来私が最前線に立つべきところであるが、父の命によりそれも能わず。しかしそれでは羽柴のお役になっていない。ならば、一人でも戦場で役立つ者を送り込むしかない。
・・・それに、孫六の槍さばきは中々のものだと伊右衛門からも聞いている。ちと早いが、前線に出してもいいと思う」
重秀がそう言うと、茂勝が嬉しそうな顔をして「有難き幸せ!必ずや兜首を取って若に献上するっす!」と大声を上げた。重秀の横で清正が「阿呆!十年早いんだよ!」と怒っていたが、顔は笑っていた。そんな時だった。茂勝の隣りにいた吉隆も恐る恐る声を上げる。
「あの・・・、若君。それがしも攻めに行きとうございまする」
吉隆の言葉に皆が再び驚いた。ただ、茂勝だけは「おお、いいな!」と喜んでいた。吉隆が重秀を見つめながら言う。
「正直、孫六は危なっかしくて仕方ありません。私めが付いていき、孫六を支援したいと思います。兜首は無理かと思いますが、孫六の死体を引っ張ってくることぐらいはできまする」
吉隆の言葉に清正が「あー、それはいいな」と笑い、孫六が「勝手に殺すな!」と怒った。重秀は少し笑うと、真面目な顔で吉隆と茂勝に言う。
「分かった。二人共伊右衛門に預けるから、伊右衛門の下で実戦を学んでこい。ただし、無理はするなよ。お前たちの初陣は霧山城攻めで済ませているが、前線に出るのは此度が初めてだ。どうせ兜首は取れないんだから、まずは生き残ることだけを考えろ。いいか、死んだら死体は供養せずに豚の餌にするからな!」
「若君。もう豚は全部食っちまって、長浜にも小谷にも一匹も居ないっすよ!」
茂勝がそう言い返すと、重秀達は大笑いした。その時だった。一豊が重秀に近づいてきた。
「若君、城門を破りました!すでに堀尾勢が突入しております!」
「分かった!私と半兵衛殿は本陣に戻る故、残りは伊右衛門の指示に従え!伊右衛門!頼んだぞ!」
重秀がそう言うと、正則達と伊右衛門が「御意!」と声を上げて返事をした。その後、重秀と重治は秀吉のいる附城へと戻っていった。
城門が破られて半刻後、砦を守っていた守将の中西新八郎と宮脇平四郎が降伏した。籠城による疲弊と箒星の凶兆で元々士気が下がっていた二人の守将は、羽柴勢の猛攻でさらに士気を砕かれてしまい、もはや戦う意欲を無くしていたのだった。こうして、有岡城の西の守りの要であった上臈塚砦は陥落。羽柴勢は城下町へと侵入していくのであった。
同じ頃、信長は最前線に立って己の馬廻衆や堀勢、長谷川勢、蒲生勢、阿閉勢、津田勢を指揮して有岡城北の防衛の要である岸の砦を攻撃していた。こちらは信長が池田城にいるということもあって、兵員が多く、特に援軍としてやってきていた雑賀衆の鉄砲兵二百人が詰めていた。
というわけで信長は敵兵の多さや雑賀衆の狙撃兵に苦戦させられていたが、信忠の下にいた氏家直昌、安藤守就の美濃衆の増援が来たり、上臈塚砦を突破した羽柴勢が岸の砦を城下町から攻めると、岸の砦の防衛力はあっという間に崩壊した。最終的には守将の渡辺勘太郎が戦死。雑賀衆も全員が討ち取られてしまし、岸の砦は陥落した。
一方、南の守りの要である鵯塚砦は池田勢と森勢の猛攻を支えきれずに陥落していた。当初は森勢は攻撃に加わらない予定であったが、やはりそこは鬼武蔵と言われた長可である。目の前で繰り広げられる戦闘を見学していくうちに、箒星への恐れがみるみる無くなっていき、各務元正の制止を聞かずに馬廻衆と共に塚口城を飛び出していった。ちょうど鵯塚砦の城門を池田勢が開いたのを見た長可は、そのまま城門の中に突撃。中の兵達を名槍『人間無骨』で突きまくると、なんと砦から城下町へのなだれ込んでいき、侍町から西の主郭へと駆け抜けていった。町人町や侍町から主郭へ逃げようとしている住民と並走する形で城下町を駆け抜けた森勢は、住人を迎え入れようとしていて開いていた主郭の大手門を突破。二の丸へ侵入するとそこを占拠してしまった。
そこから森勢は荒木勢と住民の両方を相手する羽目になった。当然住民保護などという観念はないため、長可とその兵達は住民だろうが荒木勢だろうが関係なく討ち取っていった。
一方、恒興率いる池田勢は森勢の強行突破に驚いた。恒興は即座に元助に砦の制圧を命じると、恒興は池田勢の主力を率いて主郭へと向かって行った。途中、二の丸から逃げてきた住民と鉢合わせするが、構わずに踏み潰して大手門へ到着。大手門と堀に掛かる橋を確保して後続の軍勢を待つことにした。
夜が明け、すっかり周りが明るくなった頃、羽柴勢と信長の指揮下の軍勢が城下町を破壊しながら大手門へ到着。二の丸へ侵入するとそこで戦っていた森勢と池田勢と合流。さらに本丸への侵攻を進めようとしていた。しかし、本丸は堀で囲まれており、すでに二の丸とつなぐ橋も落とされていたことから、織田勢は本丸まで攻め込むことができなかった。しかしながら、わずか一日も経たずに荒木勢を本丸にまで追い詰めたことは、織田勢にとって士気が高まる一方、荒木勢の士気はますます下がることとなった。