面倒くさい博士と助手の話
「ええい、まったく!君とはもうやっていけないな!」
僕と博士しかいない研究室では、今日は珍しく博士の怒鳴る声が響く。
「何がですか。僕は実験の続きをしようと言っただけですよ?」
「だからと言って、気持ちよく睡眠を謳歌していた私を叩き起こすとは、君は頭がおかしいのか!」
「いや、実験の途中で気持ちよく寝だすあなたの方が頭おかしいと思いますけどね。」
「ええい、うるさい!このワーカーホリックが!」
「ワーカーホリックってひどい言い草だな。」
「ふん、実験がしたいのなら1人でやっておけばよいだろう!このバーカ、バーカ!」
そう言って、博士は自分の部屋へ閉じこもってしまう。
いや、「バーカ、バーカ」って子供かよ。
はぁ、面倒くさい人だな……
まぁ、お腹が空いたら多分出てくるだろ。
そう考えた僕は1人でやりかけの実験を再開させる。
すると、少ししてドドドドドドと博士がこちらに戻って来て、一言。
「なんで私のことを追ってこないのかなぁ!」
……いや、めんどくさ。
「なんで、私のことを追わず、実験の続きをするのかなぁ!普通は私を追ってくるところだろ。」
「……もう、何なんですか、あなたと言う人は。ホント面倒くさい人ですね。」
「ぐぬぬ、面倒くさいとはなんだ。もっかいこのくだりをするぞ!」
「うわぁ、ホントめんどくさい。もういいから、実験の続きをしますよ。」
「はぁ、分かったよ。これ以上この面倒くさいムーブを続けていたら、君に愛想を尽かれてしまいそうだからな。」
「愛想って何ですか?」
「……君と言う奴はホント最近、遠慮が無くなってきたな。」
「はいはい、いいからやりますよ。博士、そこのビーカーを取ってください。」
「分かった分かった。はい、どうぞ。」
そうして、僕はなんかいつもより一層面倒くさい博士と一緒に実験をしていくのだった。
皆さんこんにちわ 御厨カイトです。
今回は「面倒くさい博士と助手の話」を読んでいただきありがとうございます。
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