スキルとスライム
気が付くとベッドで横になっていた。
「あれ? 俺いつの間に寝たんだ?」
記憶が曖昧になっている。そもそも、ベッドに入った記憶すらない。
「もしかして、ペルが運んでくれたのか?」
俺は、すぐ側にいたペルに聞いた。
ペルは、そうだと震えて返事をする。
「ありがとう、ペル」
ペルにお礼を言いながら、俺は内心驚いていた。
俺の体重は75キロ。昨日のゴブリンへの攻撃を見た感じ、俺を持ち上げるのは難しいんじゃないのか?
何か要因があるのか。
そういえば、レベルアップしたとか言ってたな。
ゲームだとパーティー全員に経験値がはいるし、この世界もそうなのかも知れない。
俺は、確認するため、ペルに鑑定をかける。
ペル(スライム) LV4
まさかの2レベルアップだった。
なるほど、これなら俺をベッドに運んだのも頷ける。
ペルが2も上がるなら、俺も2レベル位アップしているだろう。
俺は、期待を込めステータスを確認する。
名前 シュウ LV2
職業 テイマー
HP 140/140
MP 60/70
攻撃力 13
守備力 15
素早さ 15
賢さ 13
スキル
鑑定LV1 言語理解LV- 守備力上昇LV1 素早さ上昇LV1 体術LV1
SP 3
「あれ? 1だけ?」
俺の元のレベルは、ペルよりも低かった。
そのため、レベルの上昇も俺の方が早いと思っていた。
「何が違うんだ。スライムは必要経験値が少ないのか? ゲームでも弱い魔物の方が早く育ったりするし」
一番あり得るのはそれだろう。
少し残念だが納得するしかない。
「さて、考えても仕方ない。せっかくだしスキルを取るか」
《現在習得可能なスキルを表示します》
攻撃力上昇 守備力上昇 素早さ上昇 賢さ上昇 身体能力上昇 体術 鑑定 ⬛⬛
「なんだ、この⬛⬛ってのは?」
《S⬛◼️1消◼️⬛て⬛⬛を◼️⬛◼️ま⬛◼️》
Y◼️⬛/⬛o
は? なんだこれは?
「俺が何したってんだよ。すごく怖いんだけど」
《不正な干渉を確認。干渉の遮断・・・・・・失敗しました》
《⬛⬛を習得しました》
は? 意味が分からない。
とりあえず、ステータスを確認する。
名前 シュウ LV2
職業 テイマー
HP 140/140
MP 61/70
攻撃力 13
守備力 15
素早さ 15
賢さ 13
スキル
鑑定LV1 言語理解LV- 守備力上昇LV1 素早さ上昇LV1 体術LV1 ⬛⬛LV1
SP 2
「数値的な変化は無いけど、スキルに変なのが付いたな」
どうすればいいのか分からない。
分からないので、ペルをなでて癒される。
「ペルなでたら、何かどうでも良くなったわ」
ペルをなでる。嬉しそうにふるえる。
ペルをぷにぷにする。嬉しそうにふるえる。
ペルをぺろぺろする。震える。
ペルを甘噛みする。触手ではたかれる。
ペルに土下座する。頭の上に乗られる。
「ごめんペル。調子に乗りすぎた」
ペルは少し怒ったように、頭の上でぽよぽよ跳ねている。
ペルには申し訳ないが、俺からしたら、ただの癒しでしかない。
ペルは満足したのか、頭の上から降りた。
「さて、後2ポイントはどうしようか。重要度から言えば鑑定かな」
《SPを2消費して鑑定のレベルを上げますか》
Yes/No
お? レベルアップが2なのか、レベル2になるからなのかどっちだ?
考えても分かる訳がないか。とりあえず、Yesで。
《鑑定のレベルが2になりました》
これでよし。
早速ペルを鑑定する。
ペル(スライム) LV4
HP 100/100
MP 100/100
「おおっ! やっぱり、鑑定のレベルを上げれば情報が増えるのか。鑑定は優先的に上げるようにしよう」
右も左も分からない現状、情報は何よりも大事だ。
魔物と対峙した場合、残りのHPが分かるだけでも、動きが大分変わる。
攻撃力等も分かれば、昨日のようなミスも減るだろう。
「よし、今日は少し奥に行ってみようか」
なるべく早くレベルを上げて、何にも邪魔されないスローライフを送りたい。
そう願う俺は、ペルを頭の上に乗せ、小屋を出た。
読んでいただき、有り難うございます
頭がショート寸前ですが、今後も頑張ります。
現実にペルが欲しい。