意外な出会い
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(えらいことになった。まだこのマギ国についてさえなにも知らないのに……)
カイトは謁見の間を出て、頭を抱えた。
もっともである。カイトは不慮の事故に遭い、死んだはずであった。しかし、アーシャという女神が現れ、半ば強引に異世界行きを決められ、またその異世界に来てからも半日しか経っていないのである。
この上で、王様は旅に出ろという。
なにから考え、手をつければいいのかさえ分からなかった。
(こんな時にあいつらがいれば相談もできるだろうが。)
今はなき友を心に浮かべながらも、カイトは部屋へ向かう。そこにはこれからの旅を共にする従者が待っているという。まずは彼らに会うしかなかった。
「これは……夢か。なんで、ここに達郎とさやがいるだ……」
部屋に戻ったカイトの眼前には2人の男女が立っている。それが、日本での友人であった井出達郎と浜崎沙耶に瓜二つなのである。
「ちょっと若様。私たちの名前忘れちゃったの?微妙に間違ってるんですけど……」
「そうですよ。僕は王国専属料理人見習いのタツで、メイド見習いのサーヤ!旅のことに驚きすぎて、幼馴染の名前間違えたの?」
2人が口を開くが、その喋り方ももちろん背格好もカイトがよく知る2人とそっくりであった。
「ねぇカイト。なにぼーっとしてるの?お供が私たちで不満なの?」
サヤが不機嫌そうな顔つきでカイトを睨む。
「まぁまぁ、サーヤ落ち着きなよ。カイトだってびっくりしただけだよ。サヤはカイトと行けるって決まった時あんなにはしゃいでたじゃないか!」
「だ、だ、誰がはしゃいでたのよ!?変なこと言わないでよ!タツ、あんた次に変なこと言ったらぶっ飛ばすからね。」
顔を真っ赤にしながらサーヤがタツの襟元を掴みあげている。
「ご、ごめんよ。ぼくの勘違いだったかな。」
どうやら俺の知っている2人とは性格や関係性が違うらしい。サーヤはツンツンしているし、タツはどこか弱々しい。元の世界とは正反対になったようだ。生まれた場所が違えばこうも違うのか。




