主人公にあるまじき、才能の無さ。
ちょっと雑で読みにくくなっています。
脳内変換、頼みます。
転ス○だった。
【!? どうしたんだいきなり】
「あっすみませんなんでもないです」
俺は爆発しそうな頭で必死に今の状況を整理する。
もし、これが本当に『あの世界』だったとしたら。
俺とリムr…あの小説の主人公、には大きな違いがある。
まず、あの小説だと、サポート等をしてくれる『賢者』的な存在がいたのだが。
俺には…そういうの、特になし。
次に、あの小説だと、主人公は応用のきくスキルを使えていた。
俺は『消化』『吸収』『保存』…のみ。
…なんだこれ。
なんだ、俺は異世界に来てもハンデを背負っていかなきゃいけないのか?
意味が分からない。なんで俺は。
「なんだよ…はしゃいでたのが馬鹿みたいじゃん…」
今までの案外充実していた生活を振り返り、羞恥心と苛立ちで俺の頭は本当に爆発しそうだった。
【ん? 我には、はしゃいでいるようには見えぬぞ?】
フレンドリーなドラゴンが心配しながらそう言った。
俺は全てを知っている。
誰が敵か、味方か、裏切り者かまで。
「…なんで、ずっとここにいるんですか?」
俺は、この微妙な空気から脱する為分かりきっている質問をした。
【おぉ、よくぞ聞いてくれたな!】
…うん。予想通りだった。
『無限牢獄』に三百年前入れられたウェルドラは、暇で暇で仕方がなかったという。
ここでの最善手、それは『ウェルドラを助ける事』。
しかし、今の俺は特殊スキルも持ってない貧弱なスライムだ。
つまり、助ける事は不可能なのだ。
「…あの、自分に特殊能力があるとか確認できる方法ってありますか?」
俺はダメ元で聞いてみる。
【うーむ…それならその前に、目を見えるようにしたらどうだ?】
あ、それを忘れていた。
すっかり目を使わない生活に慣れてしまって、もはやそれを忘れてしまっていた。
「是非お願いします!!」
それからは、長かった。
『魔力感知』習得まで、およそ二ヶ月。
ウェルドラもよくここまで付き合ってくれたと思う。
【理解は早いのだが、飲み込みが普通の魔物よりも遅いぞ…】
と、散々言われつつ、ようやっとスキルを習得。
もちろん管理してくれるサポート役もいないため、無意識に使えるようになるまで練習に練習を重ねた。
そして、ついに。
【…よし。 これならもう完璧だな!】
免許皆伝、頂きました!
目の前には大きなドラゴン。予想は付いていたため、驚きはしなかった。
「よっしゃぁぁぁあっ!!疲れたぁ…」
喜びと疲労で倒れこんだ俺に、ウェルドラは何を言ったのか。
それは、俺の体を今までに無いほど強ばらせた。
【それでは本題の、特殊スキルの確認を始めよう】
期待感と、さっきの地獄がまた来るかもしれないという恐怖に怯えながら、俺はやると決心した。
【これはそこまで難しくはない。 要は、魔力感知で自分の魔力の属性などを調べれば良いのだ】
…おぉ、それならいけるかも。
恐怖は消えて、今は期待感に満たされている俺。とても心地が良い。
【ちなみに、我がお主の属性を測ることは出来ない。つまり、あとは全部自分の力を信じてやってみなければいけないのだ】
「わ、分かりました。それで、俺は何をすれば?」
新しく作った雑草エキスをちゅーちゅーと吸いながら俺は聞いた。
【そうだな。 まずは、自分の体全体に魔力を溜め込むことをイメージしてみよ】
元々想像力が良いのに合わせ、スライムという実にイメージしやすい形を俺はしていた為、第一段階は余裕でクリアした。
【次に、自分の目にその魔力を集中させてみよ】
…んん、中々難しい。
眉間にしわを寄せつつ、三十分後。
「あ、なんか目の辺りがあったかくなりました」
【よし、それは出来ているサインだ。 次が最後だぞ】
ついに、最後の工程がやってきた。
どんな難しいことをしなければならないんだ…!?
【それでは、先程覚えた魔力感知を視力に使ってみろ】
それだけだった。
拍子抜けな指令に戸惑いながらも、俺は魔力感知を起動させる。
…?
「真っ白で何も見えなくなりましたけど…」
【ほぅ、珍しいな。 それは無属性だ】
無属性!
っていうことは、何かかっこいいスキルとかがある属性ではないか!よし!
「無属性って、どんなやつなんですか?」
【うーむ、特には無いな…無属性の無は、『スキルが何も無い』の無と言われている位だからな…】
…なんなんだ。なんなんだよ。
…一応言っておくが。
それ、属性とは言わないでしょ。
現実って、こんなもんですよね。
次辺りに、ウェルドラ救出するために思案すると思います。
同時に私も考えています。無限牢獄って強すぎますね。
P.S
祝!感想数1!
多分毎回このくだりやります。ありがとうございます。