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現実なんて、俺には要らない。

個人的な憂さ晴らしに書いたので、最初は読みにくいかもしれません。

 学校は退屈だ。

 勉強は出来ないし、友達もいない。相談できる先生もいなけりゃ、居場所すらない。


 俺の人生はこんなはずじゃなかった。小学生の時は普通に友達もいた。

 中学生になってからだ。頑張って勉強して、なんとか私立校に入れたと思ったら。

 クラスの中心になった男子のグループからはイジられ、そして女子の気を引くための道具に成り下がった。

 そうなったら友達なんかできる筈もない。俺の人生はここで終わったんだと理解した。


 そんな俺にも、まだ楽しみというのがあった。それは、ネット小説を読むこと。

 主人公は現実世界で死んでしまい、見かねた神様が異世界へと転生させてくれる。しかも、他にはない特殊なスキルを駆使してどんどん成長し、仲間と共に敵を倒す。色んなことを経験し、最後には悪の根源であるボスを倒す。

 主人公は、その異世界で永遠に『英雄』として讃えられるのだ。


 読めば読むほど、自分ならどうするとか、とかを考えては妄想に浸る。その時だけは、現実世界を忘れることが出来る。

 その時だけは、違う自分でいることが出来る。

 そして今日も、俺は読書に浸る。






 ……

 …

 …もうダメだ。耐えられない。

 気付けばイジりはいじめになっていた。

 体の方に目をやると、隠しきれない傷と痣だらけだった。親には喧嘩したとだけ伝えた。


 なにが先の長い人生だ、なにが青春だ。

 青春を謳歌する者の下には、そいつの糧となったゴミのような奴らがいるじゃないか。


 なんで、俺はその一人になった?


「頼むから…そろそろ死なせて欲しいんだよ…」


 死にたい、と本気で思ったのは初めてだった。

 人は希望を失い、完全に先が見えなくなると思っている以上に自殺願望が出てくる。もともと恐怖材料として、この世を耐え抜く一種の抑制剤としてきたそれが、次第と現実味を帯びてくる。何も見えなくなる。


 本当に、死にたくなる。



 そんな自分を忘れようと、今日も俺は小説を読むことにした。最近は新しいタイトルを読むのが自分の中の流行りだった。


 今日も面白そうなのはないかと探していたとき、とあるタイトルが目に入った。


 【異世界への行き方】


 俺は、それを見ずにはいられなかった。






___________________






『昨日、○○市在住の十六歳の少年が、自身の部屋の中で自殺していたところが母親によって発見されました』


『少年の体にできていた多数の傷や痣から、学校内でのいじめが指摘されています。少年の母親は、喧嘩の痕だと聞かされていた、と話しており、学校側が把握していたか等を調査する予定です』


『また、少年は遺書に


 「いってきます」


 と残しており、警察はそれに関しても詳しく調べると発表しています』






___________________




 ………。


 俺は生きている。


 目は見えないが、自分の体の形が感覚で分かった。


 この感触は。






 俺は、『スライム』になっていた。


見てくれているごく少数の皆様、感謝しかありません。

私のイライラが収まって、物語がハッピーエンドになるその時まで、よろしければお付き合い下さい。

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