表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

花火は好きかい?

作者: ざぶさん

花火は好きかい?


どうした意図なのかを推し量る事ができずにきょとんとしていると、彼は少し照れ笑いを浮かべながら、これは借りた本のお礼と一言付け加えて白く長細い小箱を開けてみせた。


小箱には太めなのが四本、細めなのが四本の手持ち花火。薄橙の模様をあしらった白と赤の筒が竹籤の先端についていて、普段見かける子ども向けのものとは違い、火を灯さずとも儚さがあると言ったらよいか、素朴な美しさがあった。


そう高価なものじゃないけれどこれはなかなか良いものだよ、取り寄せしていたのが昨日届いた。こっちは和火と言って、材料は木炭と硝石と……硫黄だっけ、古くからある製造を再現したもので、火花は赤橙色だけの味わい深い色合いらしい。と彼は矢継ぎ早にだけどなんとも嬉しげに語った。


きっと気に入ると思う。それじゃと手を振り振り。私が「ありがとう」と礼を言う間もなくそそくさと彼は去ってしまった。これはまた早いなと可笑しく思う。初夏とはいえ季節はまだ梅雨に入ったばかり。でも、今日の空はいつもより青い。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 花火についての描写が細やかで、色彩が目に浮かぶようでした。 [気になる点] ちょっと相手の男性は変な人かな。 と思ってしまいました。 [一言] 時代が、今なのか昔なのかがわからなかったけれ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ