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新世紀の殉教者

弱さでさえも分かち合えたら

作者: keisei1

 

 雨音が響いて濡れる 夜の窓に君の口紅が


 「人は強くなれはしない 弱さでさえも 分かち合えたら」



 君の別れの言葉でさえも 枯れ葉とともに舞い落ちていく


 僕の人生賛歌の声でさえも 消失しきって 秋風の晩年に溶ける



 そう 君はね 僕が革命家気取りで 


 人生のキャンバスを 塗りたくってた時にも


 傍にいてくれたね だけど 君は振り返ったんだ


 「後悔だけは胸に仕舞っておいて」と



 二度と来ない秋とともに


 

 パブリックビューワーに映る 名のある奴の 悲しげなスキャンダル


 人は 「あいつが悪いって」「彼女が悪い」って口々に言うけど



 残された人生は短い それは生まれた時から決められたこと


 知らない男女の心に触れるくらいなら


 僕は君の 君は僕の魂に触れていたかった



 そう 君はね 僕が革命家気取りで


 老いや病を侮辱してた時にも


 「若さはいつか朽ちる」 それを知ってたんだ



 そう 君はね 僕がスーパースター気取りで


 ありきたりの人生に唾を吐きかけた時にも


 傍にいてくれたね だけど 僕も君も


 魂が離れいくのを それを知ったんだ



 決して同じものはない 秋とともに



 そう 君はね 僕が革命家気取りで


 愛のプラカードを掲げた時も


 報われないと知ってて 口づけしてくれた


 

 そう 君はね 僕がヒーロー気取りで


 人生の全てを投げ打った時にも


 寄り添ってくれたね だけど それも終わり


 二人の魂は もう 永遠に


 交わることはない それを知ってしまったんだ



 決して同じ模様のない 秋景色とともに 

 

 

 「弱さと後悔だけは胸の奥に」


 君はたしかに そう口にしたんだ


 それは聞こえていたよ




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